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マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

「采配」 落合前監督、いいこと言うなあ ビジネスマンも野球選手も三つの敵と戦っている 数字・自分・相手

2011年12月18日 | 本と雑誌

「采配」 

落合博満著 

ダイヤモンド社 1,575円


個人的には、あまり好きではない落合前監督。

クールで悪役的なイメージ、奥さんや子どもさんをマスコミに登場させたり・・・。

今年の夏、和歌山県の那智熊野を訪れた時、海沿いに「落合博満野球博物館」を見つけたのですが、あえて立ち寄らなかったぐらいです。

地元の方に聞くと落合さんの別荘だったとのこと。


スポーツ選手や芸能人の書いたタレント本も読まないのですが、今回はダイヤモンド社からの刊行。

しかも、今週、八重洲ブックセンターのランキングでも一位。

とりあえず購入し、暇な時に目を通しておこうといった感じで積読の山に重ねました。


昨夜、パラパラとめくってみると意外に面白い。

おそらく落合前監督のインタビューをもとにライターが書き起こしたものだと思うのですが、まとめ方がすごくうまい。

ポイントを押さえた編集がなされています。


今年のセントラルリーグの下馬評では、阪神、巨人が優勝候補。

ふたを開けてみるとヤクルトが独走。

それを最後にひっくり返したのが落合ドラゴンズ。

今回の書を読むと、落合前監督の緻密な戦略戦術プランが、逆転優勝に大きく寄与したことが読み取れます。


帯には、「孤独に勝てなければ勝負に勝てない 勝利を引き寄せる66の言葉」。

ダッグアウトで見せるクールで無表情、眼鏡の奥で光る冷たい目・・・落合前監督は孤独を演じていたのかも知れません。

また、「66」というのは、監督時の背番号ですよね。


企業組織で働く管理監督者は、部下やスタッフから好かれたい、嫌われたくないという人たちが多い、最近の軟弱ニッポン株式会社。

落合前監督のような人がいるとバワハラ上司の烙印を押されそうです。


でも、組織力やメンバーのポテンシャルを引き出していくためには、厳しく冷静なマネジメントが必須だと思います。


同著は、六章から構成されています。


1.自分で育つ人になる

2.勝つということ

3.どうやって才能を育て、伸ばすのか

4.本物のリーダーとは

5.常勝チームの作り方

6.次世代リーダーの見つけ方、育て方

 

個人的には、第5章をとても面白く読みました。

 

「自己成長に数値目標は無意味」

 

「連戦連勝を目指すより、どこにチャンスを残して負けるか」

 

「オレ流ではない。すべては堂々たる模倣である」

 

「自分がいる世界や組織の歴史を学べ」

 

「レギュラーの甘えは、完全に断ち切る」

 

「職場に居心地のよさを求めるな」

 

また、赤丸を付けた部分からの抜粋です。

落合監督・・・いい事、言うなあ。

 

「ビジネスマンも野球選手も、三つの敵と戦っている」→数字・自分・相手

 

「負けない努力が、勝ちに繋がる」

 

「欠点は直すよりも武器にする」

 

「基本はリストラではなく、いまいる選手をどう鍛えるか」

 

「監督は嫌われ役でいい。嫌われ役がいい」

 

落合前監督は、王選手や長嶋選手のようなスポーツエリートの道を歩んできたわけではありません。

秋田生れで、さまざまな道を歩みながら、ロッテにドラフト三位で指名。

そこから球史に残る三回の三冠王。

苦労と努力と才能を、プロ野球という世界で最大限に開花させた人だと思います。

その経験を言語化した今回の著作。

読む価値アリだと思います。


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