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能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

「能率」視点から一年を振り返る 目的と手段のバランスが取れていない経済・企業・政治

2011年12月30日 | 社会・経済

平成23年もあと二日。

月並みですが、時間の立つのは本当に早いものです。

能率という視点から1年を振り返ってみました。

能率とは、目的と手段のバランスが取れた状態。

ムリ・ムダ・ムラのない状態を指します。

そのバランスをとっていくための努力、工夫が能率の活動ということができると思います。


1.経済

ギリシャ危機に端を発した欧州金融危機。

今ではPIGSと呼ばれるポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインが瀕死の重傷。

フランスでさえ盤石な財政状況にないと言われています。

一方の米国も失業率が高止まり、頼みの中国も二桁成長が難しい状況です。

あえて言えば、タイを除く東南アジア諸国ぐらいしか元気がありません。

一体世界経済は、何を目指し、どこに向かって進んでいくのでしょうか?

マーケットに全てを任せる市場主義経済は、ほぼ終焉を迎えつつあると思います。

その中で、新たな視点を与えてくれたのが若きブータン国王。

世界で最も幸せ度の高いプータン国民は、少なくとも株価や外為等には関心がないと思います。

能率から言えば、目的は人類の幸せ、手段は経済です。それがいつの間にか逆転しているように思います。


2.政治

国の膨大な負債、大震災からの復興。世論調査を見ても多くの国民が増税やむなしと考えています。

しかしながら、政府、民主党の動きは、チグハグさが目立ち、危機にあるこの国の意思決定機関としては情けない限りです。

入りをはかって出を制しなければならない時に、ダムの再着工、3つの整備新幹線着工など逆の方向に進んでいます。

公務員数削減、年金給付額削減、社会保障制度改革などは遅々として進まず、このままでは沈没は避けられない状況です。

高速道路無料化や子ども手当といった誰でもわかるアメをちりばめたマニフェストで選挙に圧勝、そのほとんどが反故にされたことは決して忘れてはいけないと思います。

また、尖閣問題への対応から外交力の弱さが表出、大震災対応でも危機管理力のなさが露呈しました。

後の歴史家からは、平成のこの時代を衆愚政治と位置付けるかもしれません。

政治が、理念と実践であるとするならば、まずビジョンやグランドデザインを明快に打ち出し、それを効果的効率的に実践・執行することだけが求められていると思います。

目的は、ビジョンやグランドデザインの実現。

それがなければ舵のない漂流船になってしまいます。


3.企業

教科書的には、企業組織はゴーイングコンサーンであるという定義。

悪いことをすると居場所がなくなるという子どもでもわかることを忘れてしまう現実。

オリンパスや大王製紙を見てもコーポレートガバナンスということよりも、「そもそも会社って何のためにあるの?」という素朴な疑問です。

会社を守るためには何をしてもいい、それは会社という「手段」の中でしか物事を考えられないマイオピア。

いいじゃないですか?正義を語って会社での居場所がなくなっても・・・。

社会や家族はしっかりと見ているのですから。

自分としてはそう考えます。


今年もあと40時間。やり残した課題を少しでも片づけるため、机に向かいます。


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