金の社員・銀の社員・銅の社員-自分をマネジメントする方法-
秋元征紘・田所邦雄著
文春新書 750円+税
最近、ビジネスパースンの修飾語に使われる「残念な・・・」「もったいない・・・」といった形容詞。
本書もオリンピックのメダルの色でビジネスマンや会社を分類という試みを提示しています。
めざせ、金メダル社員!が著者の主張だと思います。
自分自身、とても優秀なビジネスパースンとは言えず(笑)、最近では、組織に対するボヤキも口にしてヒンシャクをかっているところです。
組織人としてウン十年も暮らしていると、組織の良いところも悪いところもよく見えてきます。
組織は、経営学の教科書に載っているような美しいモデルではなく、むしろサファリパークのような野生の王国に近いものだと思います。
ライオンもいれば、キリンもいて、サルやヘビもいる・・・そこに個々人の好き嫌いや政治力や声の大きさ等によってバランスをとるようにドタバタする・・・動物園の猿山のようなものだと考えています。
機能に基づきロジカルに組織構築をしたとしても、そこで繰り返されるのは、猿山のサルたち・・・。
客観的に見ていると、とてもコミカルで面白い。
人間というのは、本当に興味深い研究対象だと思います。
さて、本書では、金メダル社員になるための方法論、金メダル社員を育てる上司になるための方法論を具体的に紹介しています。
著者は、外資系企業に長年勤められた方で、日本株式会社のジャパニーズビジネスマンとは多少異なる角度からの切り込みを行います。
ワントゥワンミーティングやオフサイトミーティングなど少し手垢のついた手法も再度紹介しながら、現場の泥臭さ感も加味しているところが好感が持てます。
同書によると、金メダル社員になるための方法論はたったの3つ。
1.現在の仕事との適合性・・・自分の人生と会社の方針をリンクさせる努力をする。
2.コミュニケーション・・・ホウレンソウとコミュニケーションの徹底。
3.仕事に対する前向きな姿勢・・・受け身にならないこと、挑戦し、よく考え、さらには批判精神を持つこと。
そのとおりだと思います。
基本の基本というか、原理原則というか、ポジィティブに会社生活を送るためには、目的と手段をしっかりとリンクさせながら前向きにやるということに尽きると思います。
サラリーパースンであれば、一度、手に取っていただきたい一冊です。