時間地理学とは、スウェーデンの人文地理学者ヘーゲルストランドさんが提唱した人間行動研究の枠組み。
なかなか興味深い取組みで、地理学の深化につながる研究だと思います。
時間地理学は、「時空間プリズム」という三次元モデルを使い、縦軸に時間、平面部分に活動場所、潜在経路域を入れ、時空間経路をプロットしていきます。
特に、都市における人間行動を、時空間プリズムでとらえることにより、さまざまな制約の中で暮らしていることが分かります。
ヘーゲルストランドさんは、三つの制約があるといいます。
1.能力の制約・・・人間は生命維持のため、食べたり寝たりしなければなりません。この生理的、物理的制約のことを能力の制約と呼ぶそうです。
2.管理の制約・・・法律や規則で資格などで規制され特定の人、特定の時間しか立ち入れない場所があります。病院や裁判所、託児所などがその例だと思います。
3.結合の制約・・・親と小さな子、赤ちゃん、高齢者など特定の時間と空間をともにいなければならない場合があります。これを結合(カップリング)というそうです。
放送大学の講座「グローバル化時代の人文地理学(2013)」の第13章の「ジェンダーと都市空間」で宮澤仁准教授が、女性の日常生活と時間地理学を取り上げています。
とても分かりやすく、今後の都市生活を考える上でのプラットホームになると思います。
時間地理学の活用分野は、たくさんあると思います。