「幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバート式最新成功理論」
ショーン・エイカー著 高橋由紀子訳
徳間書店 1600円+税
TEDで見たエイカー先生のプレゼンに興味を持ち購入した一冊。
ハーバード大学の人気講師で、ポジティブ心理学の先端を行くエイカー氏、その気さくなサイコロジーへの熱い想いが伝わってきます。
一般言われている心理学は、病気や心的な障害等を研究対象としているのに対し、ポジティブサイコロジーは通常の生活を送る人々がより前向きに生きるための心理学ということらしいのです。
同書のキモは、「成功の周りを幸福が回っている」のではなく、「幸福の周りを成功が回っている」という指摘。
がんばって成功すれば幸せになれる・・・それは違うと著者は述べます。
そういえば、自分自身を振り返ってみても、「頑張って」「成功した」としても、それは即幸福感にはつながっていなかったように思います。
幸福な状態にあれば成功する、しやすいという同氏の理論は、何となく本当のような気がします。
原題は、「ハピネスアドバンテージ」。
成功を追及するより、ハピネスな状態を創り出すことが、成功への近道というわけです。
そのための7つの法則・・・次の7つです。
法則1 ハピネスアドバンテージ
幸福感は人間の脳と組織に競争優位をもたらす
法則2 心のレバレッジ化
マインドセットを変えて仕事の成果を上げる
法則3 テトリス効果
可能性を最大化するための脳を鍛える
法則4 再起力
下降への勢いを利用して上昇に転じる
法則5 ゾロ・サークル
小さなゴールに的を絞って少しずつ達成範囲を広げる
法則6 20秒ルール
変化へのバリアを最小化して悪い習慣を良い習慣に変える
法則7 ソーシャルへの投資
周囲からの支えを唯一最高の資産にする
よくよく考えれば当たり前の法則、理論のように思えますが、意図して日々の生活の中で実践していくためには、それなりの覚悟と努力が必要だと思います。
同書は、なんとなく元気、エネルギーを与えてくれるポジティブ心理学の入門書ということができると思います。
今から、転勤や入学等のライフイベントを迎える人にぜひとも読んでいただきたい一冊です。