「ビシネススキルイノベーション」
横田尚哉著
プレジデント社 1700円+税
著者の横田さんは、機能研究のスペシャリスト。
VE(バリュー・エンジニアリング)を相当程度極めた方とお見受けしました。
年とともにハウツー本からは遠ざかっていましたが、同書の持つオリジナリティに思わず購入した一冊です。
著者は、今からのビジネスパースンは、「時間」「思考」そして「感性」の3つの基軸が必要不可欠であると指摘し、64の具体的なビジネススキルを提示されています。
「仕事は、想定時間の1.4倍かかる・・・」
「仕事を寝かせることにより知的熟成が得られる・・・」
「形容詞ではなく、数詞で・・・」
「新人には明示、達人には暗示を・・・」
「ホウレンソウ・・・報告は過去、相談は現在、連絡は未来・・・」
「リアクティブではなく、プロアクティブ・・・」
著者の機能研究の中から得た、ビジネスで成果をあげるための具体的なスキル、テクニックについて解説した一冊です。
特に、時間軸での指摘は終始一貫しており、「原因-結果」のトレンド思考も大切だが、それ以上に「目的-手段」のゼロベース思考が重要であると喝破します。
まさにVE思考です。
ずっと昔、わたしの師匠から言われたことがあります。
「原因-結果で考えるQCは犯人捜し・・・目的-手段で考えるVEは恋人探し」だと。
後ろを向いて漕ぐボートと、前を向いて漕ぐカヌーの対比は分かりやすい例示でした。
同書では目標起点、未来起点の重要性についてたびたび指摘します。
今流行のデザインシンキングを日本人目線でまとめた一冊です。
20歳代の若者にお奨めしたい一冊です。