週末、仕事から帰ってくると、気分を害する写真が表紙を飾る日経ビジネス誌が届いていました。
急に一週間の疲れが出てしまいました・・・苦笑。
青いマスクをつけ、指を立てる習近平国家主席のアップ。
新型コロナウイルスや香港問題、ウイグルやチベットでの人権侵害、尖閣諸島への領海侵犯、台湾との対立・・・やっかいなお隣さんのトップです。
日経ビジネス誌2020.8.3号の特集は、「中国のコロナ後 復活は本物か?」。
武漢・現地リポートとのこと。
読んでみると、中国の現状と、世界制覇に向けた動きを加速していることが、よく分かりました。
PART1 感染拡大の震源地は今 「ここは世界一安全」 人であふれる武漢
・売れるのはスマホとメガネ
PART2 ライブ配信からワクチン開発まで 内需も国際競争力も 経済復活で世界を制する
・46月のGDPは3.2%成長
・欧米いぬ間に技術で世界へ
・狙うは「ワクチン外交」
PART3 問われる日本企業のリスク管理力 中国経済最大のリスク 終わらぬ米国との対立
・列強に侵略された「屈辱の100年」を晴らす
・米国、欧州も警戒、狭まる包囲網
「一帯一路」「戦狼外交」「マスク外交」・・・。
まるで大日本帝国が打ち出した「大東亜共栄圏」「五族共和」の世界です。
驕りと矛盾に満ちたフレーズ・・・。
習近平国家主席の持つ「中国の夢」・・・「中華民族の偉大な復興」。
欧米列強に侵略された1840年のアヘン戦争から第二次世界大戦が終わる1945年までの「屈辱の100年」を倍返しするというのが土台になっているようです。
不気味です。
ただ、今、米国や欧米と戦さを交えても、大日本帝国のようにボコボコにされるでしょう。
また、自由と民主主義を求める14億人の民衆、人民を止めることは出来ないでしょう。
共産党員はわずか8000万人・・・特権階級であるエリートたちが国家の運営を行っています。
歴史を振り返ってみても、永遠に存続することが難しい政体です。
香港、ウイグル、チベット、台湾の問題も足元の地雷になっています。
経済成長だけが、今の中国を支える土台となっています。
成長が鈍化し、人民に「パンと見世物」を提供できなくなった時、ローマ帝国と同じ運命をたどることになると思います。
怖いのが、新型コロナウイルのワクチンを中国が最初に開発しイニシアティブを取ること。
新ワクチンは、武器兵器と同じで中国は国際的な影響力を高めていくことになります。
日本国も日本企業も、「したたか」で「戦略戦術」を持った外交、交流、取引をしていかなければならないと思います。
デカップリングの中、米国と同盟を組みながら、日本がうまく中国から利用されたように中国をうまく利用していく・・・今、そんなスタイルが求められていると思います。
今こそニッポンの苦手な「立ち回り」戦略が必要です。
中国人は、おおらかで明るい人たちが多いのですが、国家資本主義を推進する共産党は苦手・・・ステレオタイプを捨てて、熟考・・・後世から見ても恥ずかしくないディールを選択していくことが求められていると思います。