「生き方 人間として一番大切なこと」
稲盛和夫著 サンマーク出版 1700円+税
久々に稲盛さんの著作に目を通してみました。
先週、今週の日経ビジネス誌で稲盛さんのインタビューが掲載されていたため、「生き方」を再度読み直してみようと考えた次第です。
目次
第1章 思いを実現させる
第2章 原理原則から考える
第3章 心を磨き高める
第4章 利他の心で生きる
第5章 宇宙の流れと調和する
今回、改めて感動したのが、日経ビジネス誌のインタビュー内容と著書「生き方(2004年)」の内容にブレがないということです。
対中国に徳をもって接すること、心を変えるということ等その信念、想いは9年前の著作と全く同じなのです。
やはり偉大な経営者というのは、軸がブレないというか、筋が一本ビシャリと通っていると改めて思いました。
今週号の日経ビジネスでは、「説き、訓じて心を一つに」と題して稲盛さんのインタビューが掲載されています。
あのJALが変わった・・・そこには稲盛イズムの浸透が欠かせなかったことが読み取れます。
5万人の官僚組織に大変革を起こし、今では心が一つになった3万2000人の社員が、「現場」視点で動いている・・・。
本当にすごいことだと思います。
私の手帳の1ページ目には、稲盛さんの方程式が書かれています。
おそらく10年ほど前に同書を読んで感激し記入し続けたものだと思います。
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
この稲盛方程式のツボは、掛け算になっているということと、「能力」が3番目になっているということだと理解しています。
3つの掛け算なので、一つでもゼロがあると結果もゼロになる。
さらに考え方がマイナスだと結果もマイナスになるということです。
また、仕事や人生は、今までの常識では「能力・スキル・専門性」といったものが一義的でしたが、稲盛方程式では3番目に位置付けています。
もっとも重要なことが「考え方」、心の在り方、生きる姿勢、哲学や理念・・・。
それを具体的に解説したのが、この「生き方」という書籍なのです。
軽自動車のシェアの高いスズキの鈴木社長は、自分自身のことを「中小企業のオヤジ」と自称されています。
謙譲しているのではなく、最前線の現場で仕事をしているという自信と誇りがそこにあるように思います。
稲盛さんの思想も起点は中小企業・・・。
ヒト・モノ・カネの限定された中での経営の思想、実践という原点にあるように思います。
今回、「生き方」を読み直してみて、2つのエピソードを思い出しました。
エピソード1・・・「率先垂範」を正しい言うと、「指揮官先頭、率先垂範」。
まず、自らが行う事、メンバーのロールモデルとなれるよう努力すること、それを日々地道に進める事・・・それが重要。
エピソード2・・・マネジメントがうまくいかなくて悩んでいた時、わたしの先輩・メンターから助言された一言。
「まず、自分を捨てろ!リーダーであることで得をしようと思うな」・・・。
そうすると、その考え方ひとつで浮かび上がってきたことを思い出しました。
なぜか業績も向上・・・。
これは、稲盛さんの言われる利他の精神そのものです。
わたしの友人に、稲盛さんが主催される誠和会に熱心に参加している経営者がいます。
今度、彼と稲盛イズムを伝授してもらおうと考えています。