欧州連合(EU)の目的は、恒久平和である。
ゆえに経済や政治の分野でどのような問題に直面しようとも、平和の目的を見失ってはならない。
今回の英国のEU離脱が、その根本目的から一歩後ずさりするような状況であることは否定できない。
今日の欧州の市民は、さまざまな不安におびている。
失業や移民、テロ、不当な競争、環境問題等に重点的に取り組んでいるが、市民にとってまだ目に見える成果が出ていないのが実情だ。
諸問題に取り組み、世界に開かれた社会を築いていく上で、多くの困難に向き合わなければならない。
EUは、生じる脅威から、最善の形で人々を守る使命がある。
その使命は今後も変わることはない。
西洋社会で最も大きな危機となりうるのは「利己主義」ではないだろうか。
社会では核家族化する傾向が見られるが、今こそ「人類として」共生していく必要がある。
我々は家族の一員であれば、社会全体の一員でもある。
大きく言えば、世界全体のコミュニティーの一員でもある。
個の人間や家庭間のつながりも大切だが、あくまでも欧州の一員、そして地球社会の一員として価値を失わないことだ。
最大の課題は、いかに平和的な共存をなし得るかだ。
民主主義や開かれた市場、法に基づく社会、男女平等んどの価値観を共有し、我々の文明の根幹が形成されている。
これらの価値観を軸としながら、さなざまな局面で信条や文化といった差異を乗り越える必要がある。
そこで不可欠なのが「対話」である。
対話を通じてのみ、文化や宗教、信念、言語といった差異を認め合うことができる。
対話で大切んことは、差異を理解するとともに、相手との共通点を探っていくことだ。
その根幹には、どこまでも相手を尊重する姿勢が必要だ。
また互いの差異を乗り越える上で見失ってはいかないのは、共通の「理想」「価値観」だ。
よりよい社会を築いていくためには、倫理的な理想主義の面、また政治的な現実主義の面に二つが必要。
特に、倫理的な理想を忘れてはならない。
平和や共生の価値を実現していくためには、大きな努力が必要となる。
まず自己中心の考えを超克しなければならない。
最大の障壁は、他者への偏見だ。
人間性や相互理解といった人間の根本的な精神を発揮し、偏見を克服する以外ない。
そのためにまず、目の前の一人一人を大切することだ。
調和ある社会の建設へ、課題はいくつも挙げられるが、その始まりは、必ず、目の前の一人なのだ。
若者たちの意思は、平和のための意思であると同時に、“開かれた社会”に対する意思であると私は感じる。
自分自身の中に引きこもるのではなく、他者と共存していこうとする姿勢だ。
若い人たちの間に、良い模範、良い環境があることが大切だ。
若い人たちは、刺激を受けることで、より良い人格者になっていく。
また同時に、日常生活の中で相手を慈しんだり、自分よりも恵まれない人のために貢献する「実践」が不可欠だ。
良い模範を持ち、周りの人々と関わり、連帯を広げていく。
そうした実践が青年への大きな啓発となるだろう。
EU初代大統領・ヘルマン・ファンロンパイさん
ゆえに経済や政治の分野でどのような問題に直面しようとも、平和の目的を見失ってはならない。
今回の英国のEU離脱が、その根本目的から一歩後ずさりするような状況であることは否定できない。
今日の欧州の市民は、さまざまな不安におびている。
失業や移民、テロ、不当な競争、環境問題等に重点的に取り組んでいるが、市民にとってまだ目に見える成果が出ていないのが実情だ。
諸問題に取り組み、世界に開かれた社会を築いていく上で、多くの困難に向き合わなければならない。
EUは、生じる脅威から、最善の形で人々を守る使命がある。
その使命は今後も変わることはない。
西洋社会で最も大きな危機となりうるのは「利己主義」ではないだろうか。
社会では核家族化する傾向が見られるが、今こそ「人類として」共生していく必要がある。
我々は家族の一員であれば、社会全体の一員でもある。
大きく言えば、世界全体のコミュニティーの一員でもある。
個の人間や家庭間のつながりも大切だが、あくまでも欧州の一員、そして地球社会の一員として価値を失わないことだ。
最大の課題は、いかに平和的な共存をなし得るかだ。
民主主義や開かれた市場、法に基づく社会、男女平等んどの価値観を共有し、我々の文明の根幹が形成されている。
これらの価値観を軸としながら、さなざまな局面で信条や文化といった差異を乗り越える必要がある。
そこで不可欠なのが「対話」である。
対話を通じてのみ、文化や宗教、信念、言語といった差異を認め合うことができる。
対話で大切んことは、差異を理解するとともに、相手との共通点を探っていくことだ。
その根幹には、どこまでも相手を尊重する姿勢が必要だ。
また互いの差異を乗り越える上で見失ってはいかないのは、共通の「理想」「価値観」だ。
よりよい社会を築いていくためには、倫理的な理想主義の面、また政治的な現実主義の面に二つが必要。
特に、倫理的な理想を忘れてはならない。
平和や共生の価値を実現していくためには、大きな努力が必要となる。
まず自己中心の考えを超克しなければならない。
最大の障壁は、他者への偏見だ。
人間性や相互理解といった人間の根本的な精神を発揮し、偏見を克服する以外ない。
そのためにまず、目の前の一人一人を大切することだ。
調和ある社会の建設へ、課題はいくつも挙げられるが、その始まりは、必ず、目の前の一人なのだ。
若者たちの意思は、平和のための意思であると同時に、“開かれた社会”に対する意思であると私は感じる。
自分自身の中に引きこもるのではなく、他者と共存していこうとする姿勢だ。
若い人たちの間に、良い模範、良い環境があることが大切だ。
若い人たちは、刺激を受けることで、より良い人格者になっていく。
また同時に、日常生活の中で相手を慈しんだり、自分よりも恵まれない人のために貢献する「実践」が不可欠だ。
良い模範を持ち、周りの人々と関わり、連帯を広げていく。
そうした実践が青年への大きな啓発となるだろう。
EU初代大統領・ヘルマン・ファンロンパイさん