陰の女 富士子

2017年01月27日 17時26分13秒 | 創作欄
9人で走る競輪に人間ドラマがある。
取手輪太郎は競馬から競輪に転向した。
競輪ファンにもそれぞれのドラマがあった。
「競輪は、長いのですか?」輪太郎は、隣り合わせた人に聞いてみる。
「長いね。女子競輪もあった時代、後楽園競輪はすごかったな。フェンスによじのぼってな、声援したものだ」
「そうなんですね」輪太郎はそのような光景を想像してみた。
70代と思われその人は、意外と背広姿で紳士風である。
「あんたは、競輪歴は?」
「2年です」
「若者は競馬で、競輪は人気がない」
「中野浩一選手のようなスパースターが出てきましたが」
「そうだね」その人は、秋の陽射しを受けソフト帽をかぶり直した。
その日は、中野浩一選手の父親も取手競輪のレースに出ていた。
「そうですか、あの4番選手が中野選手のお父さんですね」
輪太郎は、1週間前、松戸競輪場で往年の名選手の高原永伍選手のレースを見た。
昭和30年代、先行逃げ切りの戦法で競輪ファンのハートをとらえたスーパースター選手であったが、昭和51年高原はわき役の存在になっていた。
その日も先行に拘り、見せ場を作ったが4着であった。
それでも「エイゴ、エイゴ」と多くのファンが温かい声援を送っていた。
拘りの先行を貫く姿に、ファンは自分の人生を重ねて来たのだろう。
輪太郎は多くの出会いを競輪場で重ねた。
スナック「富士」のママの富士子もその中の一人であった。
富士子は、競輪ファンであったら絶対に買わない目を軸に車券を買っていたのである。
「ママ、8番選手など買って、金をどぶに捨てるようなもんだよ」と倉田昭二は呆れた。
「いいのよ。本命の7番選手は無視するの」
「どうして?」
「私は、陰の女として生きてきたの。だから本命の隣の8番選手を買うと決めたの」
富士子は中学を卒業して秋田から上京、町工場に勤めていたが、浅草に同僚と遊びに行った時にキャバレーのホステス募集の立て看板に目を留めた。
それで、深い思いもなくキャバレーのホステス応募に心を動かされたのだ。
19歳の富士子には男に対する興味もあったのである。
キャバレー「フロリダ」で女の世界と男の夜の世界を知ったが、美しい容貌でなかった富士子は陰のような存在であった。
派手な生活をしたわけではなく、10年の歳月の中で金も貯めた。
浅草から上野のキャバレーに勤めた時、同じホステス仲間の北村純子から「取手に住まない。家賃も安いわよ」と誘われたのだ。
富士子は錦糸町のアパートから取手に移住することになる。
昭和50年の暮れの12月であった。
「陰の女か?!」利根輪太郎は、富士子に関心を持ったのだ。


生命尊厳、人間主義

2017年01月27日 10時19分59秒 | 社会・文化・政治・経済
SDGsって何?
~持続可能な開発目標~


国連は昨年1月から2030年を目指し、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて活動をスタートした。
広がる格差、不安定化する社会、気候変動など「世界はこのままだと続かない」よい危機感。
今の世代や自分の周りのことだけでなく、自分の子どもや子孫など、永く未来の世代が暮らせる地球であり続けること。
例えば、核戦争も起こり得るかもしれない。
米国のトランプ大統領は核兵器を使用するかもしれない。
北朝鮮、イラン、イスラエル、ロシア、中国など、懸念材料は否定できない。
人類が滅亡するような危機も想定外とは言いきれないのではないだろうか?
では、どうするんか?
国連の役割、民間の役割、外交、市民レベルの交流・対話に期待する他ないと思われる。
生命尊厳、人間主義の理念・思想・哲学が期待される。
破滅より建設、創造である。

想像する楽しさが奪われている

2017年01月27日 09時51分32秒 | 社会・文化・政治・経済
★倉本 演劇の感動は、なぜスポーツの感動に勝てないのか。
それは、役者たちが、日常を通して流す汗と疲労がアスリートの流すそれらに劣っているからに違いない―。
★ともあれ、若い人にはいい舞台を見てほしい。
いい仕事をしているものをね。
★中村 役者にいつも言うのは「人は人に感動するということ」。
だからこそ、創り手は命がけでやらなきゃいならない。
その先にあるのは倉本さんと一緒で、自分の仕事で人に笑顔を、明日への活力を与えたいという思いです。
★倉本 いい舞台が、見る人をいい顔のさせるのは、見に来た人の想像力をかき立て、心を豊かにさせるからなんです。
「小さな親切、大きなお世話」を極端なで突き進んだのが今の世の中じゃないかな。
想像する楽しさが奪われていると思う。
★中村 その点、舞台はアナログ。
そこがいい。
劇場に来て「この舞台は、こういう解釈していいかな」と気にしている人いるけど、そんなことは気にしなくていいんです。
★倉本 「この舞台で何を伝えたいですか」「どこに注目してほしいですか」とよく聞かれるけど、そんなの創り手が決めることじゃない。
★中村 どう感じるかは見ている人の自由です。
脚本家・倉持聡さん
演出家・中村龍史さん

1月26日(木)のつぶやき

2017年01月27日 02時10分25秒 | 医科・歯科・介護