対話の必要性

2017年01月09日 18時23分23秒 | 社会・文化・政治・経済
グローバル化はさまざまな変化をもたらし、「格差」を生んだ。
経済成長の恩恵は不平等に分配され、市民と経済エリートの間には、明確な摩擦が生じた。
それとは対照的に、グローバル化は文化間・文明間の差異を打ち消し、ある種の“同一性”も、もたらした。
今日、私たち、私たちは東京、ニューヨーク、ロンドンのどこにいても、同じホテルやレストランを見つけることができる。
その反動として、差異を認めてほしいとの感情が爆発し、ナショナリズムの運動などに形を変えている。
つまり私たちは、一方ではアイデンティティーの喪失、他方では復興という矛盾を目のあたりにしている。
最後に挙げたいのは、かつてないほどの資本と労働力の移動だ。
これにより、とりわけヨーロッパや北米では、近年、移民と居住者の間で摩擦が生じている。
「上から」に象徴される人々は、市場を支配しようとする経済エリートだ。
彼らの主導による「上kらのグローバル化」は、効率的に富を生み出すことを目的とし、人々の幸福には目を向けない。
反対に「下からのグローバル化」は、そうしたエリート主義に対抗し、社会的・経済的な正義を広める人々の運動を指す。
それは、実質的な民主主義を築く挑戦―選挙で人を選ぶだけではなく、経済成長の恩恵が平等に分配される社会を築く挑戦だ。
この「下からのグローバル化」が真に力を発揮するには、アイデンティティー喪失への恐怖心に駆られた暴力的エネルギーではない、新しい政治エネルギーを必要とする。
しかし残念ながら、世界では右派ポピュリズム(大衆迎合主義)ともいえるナショナリズムが席巻し、自国を“第一”に置く風潮がある。
そうした風潮は、人類への共感を欠くだけでなく、自らが人類の一部であるとのアイデンティティーを、放棄することにも通じる。
ゆえに私は、道徳的価値と人類的視野に立った「人間的グローバル・ガバナンス(地球社会の統治)」の必要性を訴えてきた。
とりわけ私は、個人主義を重んじる西洋社会において、対話の必要性を感じる。
コミュニケーションの文化が失われ、家族の絆が弱まったのは、なんら驚きではない。
対話がもたらす最高の“贈り物”とは、相手の話を聞くことであると私は思う。
大切なのは、他者の悲しみや理想を理解することだ。
人間には本来、積極的に他者と関わる能力がある。
宗教や思想を超えた対話は、その「家族」の枠を延長してき挑戦であるといるるだろう。
核廃絶への容易ならざる挑戦を前に、私たちは、不確実な現実を受け入れ、遠い未来への“保証”はないことを知るべきだ。
成功は保証されているから前進するのではなく、自らの努力が正しいとの確信を糧にして、行動を続けなくてはならないのだ。
米プリンストン大学名誉教授・リチャード・フォーク博士

3つ子の魂が百まで

2017年01月09日 10時10分38秒 | 創作欄
徹は、「これをしたらダメ、あれをしたらダメ」「こうしなさい」と煩いくらいに母親に頭を押さえられてきた。
だから、反抗期になると抑圧から逃れるように母親にことごとく反発してきた。
彼は理科が好きであったのに、「高校は理科系にしなさい」と母親に言われたことに反発し、私立の普通校へ進学した。
「勉強しなさい」とどこの親も当然、諭すのであるが、それにさえ反発し勉強はしなかった。
試験の前日に少し教科書を開くだけであった。
それではいい点数が取れるはずがない。
理科系から文科系へ。
未練も多少残っていたので、大学では理科系の単位も取った。
国文科の学生が応用化学の授業を受け、それなりの成績で評価された。
約3分の1の学生がどうしたことか不可となり追試験を受けることとなる。
「この答案は、国文科の学生のものだ。90点取っている。専門の君たちは赤点だ。何を勉強してきたんだ。恥を知ってほしい」
助教授が皆の前で手に掲げていたのは徹の答案用紙であった。
徹は母親から「学校の先生になるのよ」と言われていたが、その道も自ら閉ざしたのである。


三つ子の魂
「幼時の性質は一生変わらないものだということ」と記されています。

3つ子の魂が百まで続くのは、本当だった。
幼児教育において、初めに心に留めておきたい日本の格言があります。
「3つ子の魂、百まで」です。
3歳ごろまでに受けた教育によって形成された性質・性格は、100歳になっても根底は変わらない、という意味です。

1月8日(日)のつぶやき

2017年01月09日 02時11分31秒 | 医科・歯科・介護