創作 サラ金地獄 5)

2021年11月20日 13時49分11秒 | 創作欄

島田真治が思い付いた<実験的競馬論>とは?
10万円買った馬券は、外れば紙くず同然である。
だが、紙くずのままでは、<終わらせない>と島田真治は執念を燃やす。
つまり、外れた馬券の数字の2-7に的をしぼり、<追いかけ>のである。
馬券が外れた悔しさをそのままにせずに<活かすねば>と思い入れる。

その日、女に無縁だった彼の前に、女が突然現れたのだ。
「ねえ、遊んでよ」と女が、突然、彼の進路に立ちはだかる。
府中競馬場へ向かうため、府中駅の改札口を出たとことだった。
「ダメ、これから競馬なんだ」女の懇願に戸惑う島田は正直に告げた。
「競馬なの、私ついていく」意外な女の反応だった。
女は緑のミニスカートに黒のトックリセーターで、肩までの長い黒髪であった。
彼の妹の菜穂に顔だちが似ていた。
そのために気を許したのだ。
彼は、ゲン担ぎで府中神社に立ち寄る。
女も並んで祈る。
「俺は、競馬狂だ。それでも着いてくるのか?」
「いいわ。死んだパパと同じだから。あなたは、パパに似ているので声をかけたの」
聞くと、女の父親はサラ金などで500万円の借金をし、自殺したそうだ。
「借金が500万円か? それで人は死ぬのか?!」彼は開き直る気持ちとなる。
女は自ら「ミドリ」と名乗った。
「そうか6枠だな」と競馬狂の男の反応である。
<実験的競馬論>の試みとして、「今日はミドリの6枠だな」とつぶやく。
皮肉にも6枠はでない。
「ダメか!?」と彼は弱気なる。
20万円も失っていた。
懲りずに、新たに借りたサラ金レイクの30万円が残り、10万円。
絶望的な気持ちに陥る。
これでは、ミドリと遊ぶ金も無くなると焦る。
そして、最終レース。
6枠は全くの人気薄、それでも、ミドリの6枠に賭けたのだ。
最終の4コーナー、6枠の馬は最後方のまま。
ミドリは彼の買った馬券を知って知っているので、顔が引きつる。
彼は、自らの不運を嘆く。
だが、だがである。
先行馬の人気馬はハイペースがたたったようで、ズルズル後退する。
そして、6枠の馬が1着で通過する。
二人は、<信じられない>と喜ぶより呆然とするのだ。

1万円流しの馬券が256倍。
彼はミドリに遊び代の100万円を渡す。

競馬場を後にするが、「私と、遊んでよ」ミドリは再び懇願する。

彼は、呻吟までもないので、その願いに応じてしまった。

<金で女は買わない>その頑なまでの主義を破ることに。
ミドリは彼の妹の菜穂に顔立ちがとても似ていたので、実の妹を抱いたような、言い知れぬ複雑な<近親相姦>に近い罪悪感が伴ったことは否めなかったのだ。

府中の大國魂神社は大國魂大神[おおくにたまのおおかみ]を武蔵国の守り神としてお祀りした神社です。
この大神は、出雲の大国主神と御同神で、大昔武蔵国を開かれて、人々に衣食住の道を教えられ、
又医療法やまじないの術も授けられた神様で、俗に福神又は縁結び、厄除け・厄払いの神として著名な神様です。

 


創作 サラ金地獄 4)

2021年11月20日 13時49分11秒 | 新聞を読もう

島田真治は、ワールドのサラ金の残高が、まだ、30万円も残っていたのに、プロミスから50万円も借りてしまったのだ。
自分名義では、借りられないと想ったので弟の孝介に頼み込む。
「兄貴、50万円も借りて大丈夫かよ。返せる?!」と弟は当初尻込みするが、「頼む!俺を助けろ!」と強引にサラ金まで連れて行き、彼はビルの外で弟を待っていたのだ。
「親父のようになるなよ」と言って孝介はサラ金の封筒に入って50万円を兄に渡すと小走りで神田駅に向かった。
競馬、麻雀、パチンコなどには無縁の弟であった。
弟は池袋の自動車の販売会社に勤めていて、学生時代の彼女と結婚して、2歳の娘がいた。
「兄貴、結婚して落ち着けよ」と弟から諭されたこともある。

翌日、中山競馬場へ向かう。
会社の金2000万を持ち逃げした取引先の男が、二つ先の列に並んでいる。
男は35歳で濃紺のスーツ姿、184㎝の長身なので穴場へ向かう人の列で頭一つ出ていた。
島田は、過去に男から営業で妨害された苦い過去があるので、男のことは忘れない。
会社からもマンションからも逃げたが、刑事告発されたとは聞いていない。
だから、男は周囲を警戒する素振りを見せない。

一方、島田真治はサラ金地獄に陥った身であった。
「若のにお金があって、羨ましい」競馬の穴場の係の中年女性に言われて、身相応でない自身の愚かな姿を顧みた。
1万円を10枚出して、2-7、2-8を各5万円買う。
彼は買った馬券を受け取りながら<穴場の係の女性は幾らの給与で働いているのか?>と想ってみた。
そのレースは7-8となり、10万円の馬券は紙くずになる。
冷静さを取り戻すために、ビールを飲みに食堂へ行き、次のレースは観た。
だが、皮肉にも2-7で決着し、1万2700円の高配当となる。
<この馬券が3レースだったらな! 配当は635万円ではないか?!>
競馬人生の皮肉である。
そこで、彼は実験的競馬論を思い付いたのだ。


穴場(あなば)とは、馬券を売る窓口のこと、つまり馬券売場です。


人生は航海

2021年11月20日 11時37分37秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼予測という作業は、未来がどうなるかではなく、未来をどうするか―ということに真の意義があると思う。
▼一人ひとりの人間の生きることへの意志が人生の全体に反映され、その時代を彩り、やがて歴史へと投影されていく。
新しい道は、こうして開かれていくと信じている。
つまり、未来は、自分自身の胸中の一念にある。
▼自分の生命の力を信じ、人間の可能性を信じ、全力で奮闘していくのだ。
人間の尊貴さが、その無限の可能性にあると信じ、そこにいっさいをかけ、それを規範に行動していくことだ。
▼「奈落の底を知るもの」だけが持つ人間洞察の深さ。
▼「抵抗するな、屈服するな」のガンジーの非暴力主義。
迫害こそ自らの信念を鍛える格好の場となる。
「善いことというものは、カタツムリの速度で動く」
▼ガンジーは、「20世紀の奇蹟」とアインシュタインは称賛した。
▼「喜びは、苦悩の大木にみのる果実」「人生は航海」ヴィクトール・ユゴー


ユーディ・メニューイン『「少年とバイオリン」 少年とメニューインを結んだ物語とバイオリン名曲集』

2021年11月20日 11時30分50秒 | 社会・文化・政治・経済

コラム

 初来日時のコンサート・プログラムを再現
text:原典子
intoxicate 2019 April
CLASSICAL Classical

2019.05.21follow us in feedly

メニューイン初来日時のコンサート・プログラムを再現~当時への想いを込めて

 戦後間もない1951年、初めて日本を訪れたユーディ・メニューインが靴磨きの少年にヴァイオリンを贈った――当時、新聞にも取り上げられた実話をもとに作られた『少年とバイオリン』という物語がある。

 博多の駅前で靴磨きをしながら、母とふたりで暮らす少年。戦争で父を、病気で弟を亡くし、自身も病気の後遺症で背骨が曲がってしまったが、小学校の先生に教えてもらったヴァイオリンの音色を思い出し、心の中の音楽を支えに日々を生きている。
そんなある日、楽器屋に貼ってあるポスターでメニューインの演奏会があることを知った少年は、毎日こつこつと靴磨きで稼いだお金を貯め、ついに入場券を手に入れる。
夢のようなひとときを過ごして家に帰った少年にさらなる奇跡が――という感動の物語である。

 じつはこの物語は、長いこと作者自らが吹き込んだ朗読テープという形で長野県の小さな村に眠っていた。それがさまざまな縁を経て出版関係者の手に渡り、文字に書き起こされ、2011年に書籍として刊行されて陽の目を見たという経緯がある。そしてメニューインの没後20年を迎えた今年、ワーナークラシックスからリリースされる2枚組のCDという形で、ふたたびこの物語に光が当てられることとなった。


YEHUDI MENUHIN
「少年とバイオリン」 少年とメニューインを結んだ物語とバイオリン名曲集
Warner Classics(2019)
CLASSICAL Classical
TOWER RECORDS ONLIN

 CDの1枚目には、少年が実際に聴いたであろう1951年の佐世保公演のプログラムに合わせた楽曲が収録されている。メニューインが旧EMIに遺した録音の中から選ばれ、最新のマスタリングを施された音源である。2枚目には作者の滝一平による朗読がそのままの形で収録されている。
芸能関係の経験があり、音楽にも造詣の深かった滝が、当時の新聞や資料をもとに物語を書き、自室に籠って朗読し、BGMとともに録音した音源には古色蒼然とした趣がある。

 長崎への原爆投下から6年後の佐世保で、当時30代なかばの全盛期にあったメニューインはどんな演奏をしたのか。それを人々はどんな気持ちで聴いたのか。想像を巡らせながら耳を傾けてほしい。

 


本当にあった! 靴磨き少年と世界的バイオリニスト、奇跡の物語

2021年11月20日 11時30分50秒 | 社会・文化・政治・経済
『少年とバイオリン~音楽の神様からの贈り物~』
 
『少年とバイオリン~音楽の神様からの贈り物~』
 
出版社のヤマハミュージックメディアが、「ある童話」の主人公(少年)のモデルとなった人物を捜している。「ある童話」とは、同社が2011年5月14日に発売した『少年とバイオリン~音楽の神様からの贈り物~』(作・滝一平、画・宇野亜喜良、解説・國分紘子)だ。実話に基づいて書かれた作品で、1951年(昭和26年)という戦後復興期を舞台に、貧しい少年の身に実際に起きた奇跡を物語風に書き起こしてある。

   少年の名は「馬場たかし」といった。父は戦死し、弟は病死。母親と2人きりの貧しい生活のなか、「たかし」は、小学校5年から担任だった「松田先生」の影響でバイオリンの魅力に引き込まれ、マンツーマン指導を受けるようになる。だが、やがて戦況は悪化し、終戦。街は焼け野原になり、「松田先生」の消息は不明となった。

   街で靴磨きをして母を助ける日々を送っているときに、世界的なバイオリニスト、ユーディ・メニューインが演奏会のため来日する。どうしても演奏会を聴きたい「たかし」は入場料500円を貯めようと、一層靴磨きに精を出す。5円、10円と、苦しい思いをして貯めていき、演奏会の当日に目標額に到達した。

   ここからの話は、童話を読んでいただくことにする。メニューイン氏当人とのエピソードはもちろん、小銭を毎日預かってくれたプレイガイドの女性、そして「松田」先生とも泣かせる物語が展開される。

   そもそも、この話が世に出るきっかけとなったのは、阪神淡路大震災の際に、作者である滝氏がボアンティアとして現地に赴いたことだった。そのあたりの経緯も、童話の巻末にある「解説」に譲りたい。

   「たかし」君に関する情報はヤマハミュージックメディアまで。

   単行本、64ページ。定価1300円。

 

靴磨きとバイオリン=小倉孝保

2021年11月20日 11時29分31秒 | 新聞を読もう

金言

オピニオン
 毎日新聞 2021/11/19 

20世紀最高のバイオリン奏者の一人、ユーディ・メニューインは世界平和を求め続けた音楽家である。1975年に制定された「国際音楽の日」(10月1日)は、「紛争をなくし、誰もが音楽を楽しめる世界を実現したい」との彼の願いから生まれている。

 第一次大戦中、ユダヤ人として米ニューヨークに生まれ、第二次大戦では米兵を励まそうと500回以上の慰問公演をした。「アンネの日記」のアンネ・フランクが亡くなった独ベルゲン・ベルゼン強制収容所が解放された際には、そこを訪ねて演奏会を開いた。

 彼の初来日は51年9月15日である。39日間をかけて九州から北海道まで計26回、公演を開催し、占領下の日本人を最高峰の音で激励してくれた。


音楽家、そしてヴァイオリン奏者としてのメニューイン (2017年3月30日)

2021年11月20日 11時19分19秒 | 社会・文化・政治・経済

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「音階とアルペジオをよく練習するんだよ」

まだ10歳だったユーディ・メニューインがベルギーのブリュッセルであの巨匠ウジェーヌ・イザイに出会った時に告げられた言葉です。
1926年、メニューインはヨーロッパへ家族とともに出身地であるニューヨークから飛び立ち、演奏旅行に出かけます。
そこでのセンセーショナルな活躍もさることながら、当時の師であったルイス・パーシンガーから薦められてイザイにレッスンをしてもらおうとブリュッセルの彼のもとへ向かいます。
メニューインはそこでラロのスペイン交響曲を演奏し、賛辞を受けますが、その後イ長調の3度の音程を4オクターヴ弾きこなせるかをイザイに試されると、やや疑念が湧き始めます。
イザイは懸命に音程を取ろうとする若い少年の努力を認めながらも、彼の最も重大な弱点を見逃すことはありませんでした。(ちなみに、イザイはパーシンガーの師だったので、メニューインからするといかに大きく遠い存在であったかは明白です)

音楽家としてのメニューイン

世界中の夥しい数の聴衆の人々や音楽評論家たちが、彼の幼くして立派な音楽的才能とインスピレーションに満ちた天性を驚きと興奮をもって味わいました。10歳でニューヨーク・マンハッタンの歌劇場でデビューした時には、聴衆にヤッシャ・ハイフェッツの姿もあったのです。
この頃までには既に彼の名は都市全体に広がっており、将来を託された神童という呼び声が高かったことは疑いようもありません。のちにバルトークは彼のためにヴァイオリン協奏曲と無伴奏ヴァイオリン・ソナタを作曲し、ブロッホもアボダーというヘブライ組曲を彼のために作曲しています。
映像は1965年11月のウイーンのスタジオにてのモーツァルト協奏曲5番撮影セッション。この時にはにシューマン交響曲4番のリハーサルの撮影も同時に行われている。ヘルベルト・フォン=カラヤン指揮、ヴァイオリンはユーディ・メニューイン。管弦楽はウイーン交響楽団(ウイーンフィルとは区別)。
メニューインの表現豊かな音色と雑念や混じり気のなさは、これまで誰もが認めたように、これからも認められ続けるでしょう
彼と他のヴァイオリニストたちの決定的違いは、現代のショービジネス化した音楽産業でありふれた、自分を派手に演出することや超絶技巧をひけらかすことばかりに夢中なヴァイオリニストのような高慢さや度量の狭さがなく、詩人のように自分の心を隠すことなく飾ることもなくありのままに素直に表現することができたという所にあると思います。
彼も次のように振り返っています:「音楽は私にとって本当にいきいきしたものであり、表現手段の根源ともいえました。生命感のない、死んだような、きまりきった練習をだらだらとして、準備していたのでは、きっと私の音楽は、輝かしいものではなく、つまらない、息の詰まったようなものになってしまったかもしれないからです」(20世紀の芸術と文学『ヴァイオリンの巨匠たち』ヘラルド=エッゲブレヒト著より)。
死後から20年近くを経た今でも彼の偉大さは語り継がれています。

 

ヴァイオリニストとしてのメニューイン

では、果たしてメニューインは非の打ちどころのない完璧なヴァイオリニストだったのでしょうか?
現在では技術の発達により、様々な録音と映像が保存されています。その一つ一つをよく調べると、彼に欠点がなかったわけではないということがよくわかります。もちろんメニューインも所詮人間ですから、他と同じように強みと弱みがあり、長所と短所があったのはごく当然のことなのです。
私も多くの皆さんのように幼少時代にメニューインをテレビ放送で見て過ごしていたわけですが、現代のヴァイオリニストたちは、そうしたものを通じてあまり宜しくないものも影響として受けてしまっている場合が多くあります。自身のこれまでのヴァイオリン人生の中で影響を受けているとみられる人たちを何人も見てきました。
では、私たちも気をつけなければならない彼の短所を見ていきましょう。

 

1.リズム感の悪さ

上にあるモーツァルトの映像で感じ取れるかどうかわかりませんが、メニューインは拍子やテンポ、リズムといったものにおいて秀でてはいませんでした。符点が入ったリズムや、同じようなリズムが連続となってパターン化された部分では幾分速くなり、均一さを保つことができていません。たとえば8分音符が連なっている小節など。音と音の間隔が短くなれば、テンポは必然的にどんどん速くなっていき、コントロールできなくなります。皮肉なのは、この対極にあるのが指揮者のカラヤンであること。カラヤンの場合はオーケストラ団員であろうと、合唱団であろうと、不正確なリズムには容赦なく喝が入ります。そして全員が徹底して同じリズムや音色を揃えて弾けるようになるまでリハーサルは終わりませんでした。このめぐり合わせというのは何とも言えないところがありますね。

 

2. ボーイング(運弓法)

 メニューインは全体的に弓を非常に多く使っています。気になるのは時としてそれが多すぎることです。そして、弓を使う量が多くなることで、弓スピードもかなり速くなっています。特に⊓(ダウン)から∨(アップ)に切り返す際や、∨(アップ)から⊓(ダウン)に切り返す際の弓スピードはあまりに速すぎます。弓スピードが弓の切り返しで速くなるところのどこが悪いかというと、弓スピードによってアクセントが生まれることです。アクセントが必要な部分では意図的に弓スピードを速くしますが、メニューインの場合は音楽の拍子やフレーズとは関係なく弓の返しのたびに弓が速くなり、そのたびに音符にアクセントが付くことになります。私はこれを、現代を生きるヴァイオリニストの中でもあまりに際立つ現象だと感じています。

 

3.左手の不安定感

左手に関しては、冒頭にもあるようにイザイからの指摘もあります。彼の天才的な音楽性によって全ては自然にまとめられているのですが、要所要所では不正確なところが多くあります。テンポの速いパッセージにある16分音符などは洗練されてはおらず、不揃いになっています。高音のイントネーションは不安定で、シフティングも大雑把な印象です。
メニューインは後にも語っていますが、それまでの華やかな成功や活躍に対するファンの熱狂的賞賛とは裏腹に、彼自身の演奏技術に重大なものが欠けていることに気が付いたといいます。「私は、十分に結婚生活への準備をせずに、ノラと結婚してしまった。私は、ヴァイオリンを十分に技巧的に操ることができないのに、弾いてしまった」。基本的な技術を真剣に学ぶことのなかった彼は、限界に直面したことで、自分自身の課題を見つめ直す機会を得たのかもしれません。その後、彼はカール・フレッシュのもとへ赴き、一からヴァイオリンの基礎を体系的に学び直す決意をしました。メニューインはすでに20歳を過ぎていました。
もちろん、それでも彼の天真爛漫さや純粋さ、インスピレーションといったものは失わずに自身の音楽を語りつづけることはできました。しかし、その天真爛漫さにやや甘やかされたというか、勝手に動いてくれる自身の指を過剰に信頼したことによって、悪い習慣が身に付き、技巧上の基礎が消え失せ始めていたことがうかがえます。
何年かかってでも、基本をもう一度研究し直さねければならない、と。「曲がった道は真っすぐに。」という格言が聖書にもあります。どれだけ長くかかることになってもいいのです。この世で始めるのに遅すぎるものなんてありません。ほんの少しの勇気と辛抱強さがあればできるのです。メニューインのように、今ある課題に立ち向かう決意ができるのであれば、自然と求める結果というのはついてくるものです。
私も今からまた山積みの課題に取り組むところです。

武器としての組織心理学 人を動かすビジネスパーソン必須の心理学

2021年11月20日 11時09分27秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
心理学から脳科学、集団力学まで、科学的エビデンスに基づく「リーダーシップの新しい教科書」。人間の本性を暴くユニークな分析で、マネジメントの通念をひっくり返す。「厄介だけど放置できない人間関係」を乗り越える最高の知恵が凝縮された1冊。マネジャー・経営者・監督・コーチなど、全てのリーダー必読!
 

出版社からのコメント

はじめに リーダーのための最強の教養「組織心理学」
・人間関係の構築が難しくなっている時代だ
・能力が高い人だけを集めれば、チームを強くできる?
・ほめ言葉は金銭報酬に匹敵する!?
・組織心理学は、自分の身を守り、人を動かす武器になる

■第1章妬みを中和し、モチベーションを引き出せ
・筋が通らない行動は「感情」のせい
・最も厄介な感情は「妬み」である
・妬みを中和し、有効化する
・妬みを買った人がとるべきアクション

■第2章「チームの温度差」を埋めよ
・「チームの温度差」の正体――リーダーを悩ます2つの凸凹
・温度差を埋めるアクション1:あいさつの影響力
・温度差を埋めるアクション2:ベクトルを合わせる
・温度差を埋めるアクション3:情報共有を見直す
・温度差を埋めるアクション4:人間関係の凸凹を埋める
・リモートワーク時代のリーダーの役割

■第3章「隠れた不満」を見つけ、有益化せよ
・上司への不満は、常に隠蔽されている
・不平不満を利用する
・不満をパフォーマンスに変える4つの環境戦略
・モチベーションを上げるコミュニケーション戦略

■第4章権力と賢く付き合え
・権力が人を変える
・上方向への影響戦略

■第5章「失った信用」を取り戻せ
・信頼関係はあっという間に崩壊する
・信頼関係を修復するアクション1:謝罪する・赦す
・信頼関係を修復するアクション2:相談を持ちかける

著者について

山浦一保(やまうら・かずほ)
立命館大学スポーツ健康科学部教授。専門は、産業・組織心理学、社会心理学。
長年にわたって企業やスポーツチームにおける「リーダーシップ」と「人間関係」の研究を続ける。
福知山線脱線事故直後のJR西日本や、経営破綻直後のJALを始め、これまでに数多くの組織調査を現場で実施。
各種組織が、変化の著しい環境に適応するにはどうすれば良いのか。その中で、個人がいきいきと生活し、円滑なコミュニケーションと良好な人間関係に支えられて、成果を上げるために、上司や部下はどのような関係を構築すれば良いのか。理論と現場調査の両面から、解明を試み続ける。
 
 
素敵なタイトルとキャッチ、実績のある教授が書かれた本という点に惹かれて購入しました。一文ごとに改行されているので、ブログ感覚で半日もかからずサクッと読めます。

本書には組織心理学の観点で、研究データや実例に基づいた「人を動かす手法」の紹介を期待していました。が、結論からいうと、あまり参考になるものはありませんでした。

たしかに書籍内では研究結果が適宜紹介されていにます。その一方で、理由が特に記載されていない文章も見られ、それが著者の主張なのか、体験なのか、組織心理学的な事実なのかがはっきり分からず困惑します。

結局のこれらの人を動かす武器とは、人間関係をよくする、褒める、許す、謝る、役割を明確化する、シンプルなビジョンを共有するなどの当たり前のこととなります。その上で、「なぜそうなのか?」「実例はあるのか?」といったことが現場のリーダーや、それを支援する人事部門は気になるわけです。本書では、そこがあっさりしており、腹落ち感がなく、知的好奇心も満たされませんでした(紹介される例も有名なものが多かったです)。

※ただ、「離れていても部下は上司のリーダーシップに影響を受ける」という研究の紹介は勉強になりました(研究データは古いですが)

そもそも、これらの期待とギャップが起きているのは、私がタイトルだけを見て、有名な『人を動かす』や『影響力の武器』を想起し、サンプルダウンロードせずに本書を購入してしまったせいでもあります。

購入される方は本書が自分の期待にあったものかどうかを一度判断してみることを推奨します。
 
 
「武器としての組織心理学」というタイトル、そして「人間の本性を利用したリーダーの教科書」という帯の文句から想像していた内容からすると、かなりレベルの低い内容など感じました。組織心理学とはこの程度かと思われる内容でしたので、組織心理学の本当の専門家がしっかりした書籍を出してくれることを待っています。
 
 
私たちは必ずどこかの組織に属しながら生活しています。"家庭"というのも一人一人が役割をもち、支え合いながら運営しているという意味では、一つの組織といえるでしょう。
そして、"職場"は私たちにとってストレスが多く、最も悩ましい組織の一つです。
組織は機械ではありません。"人"によって形成されています。つまり組織には、"心理"があるのです。
この本では、組織心理学という分野から、身近な職場の人間関係というものを解明していきます。
あなたが組織に属しているならば、ぜひ読んで頂きたい一冊です。
 

レコード大賞候補に「知らない曲ばかり」「コレジャナイ感」 選考に疑問の声「基準意味わからん

2021年11月20日 11時07分08秒 | 新聞を読もう

11/19(金) 15:16配信

J-CASTニュース
大賞は誰の手に(写真はイメージ)

 第63回日本レコード大賞の各賞が2021年11月18日に発表された。ネット上には特に大賞候補となる優秀作品賞10曲の選考に対し、「これじゃない感がすごい」といった声が渦巻いている。

【画像】大賞候補となる優秀作品賞10曲はこちら

■「知らない曲ばっかりなんですけど」

 まず目立つのが、「日本レコード大賞の候補曲。全く知らない曲ばかり」「レコード大賞っておかしいよね(?)え?この曲...って曲ばっかり優秀作品(?)にいるもん...」「知らない曲ばっかりなんですけど、、どこで流行ってるんですか?」といった知名度不足を主張する声だ。同時に「選考基準意味わからんすぎ」「選出基準がバグってるからしゃーない」と、選考基準がおかしいとする声も多い。

 ちなみに、レコード大賞を主催する日本作曲家協会のウェブサイトには各部門の選考基準が記されており、優秀作品賞を見てみると、

「大衆の強い支持を得、芸術性、独創性、企画性に優れ、その年度を反映したと認められた作品に贈る」

となっているのが分かる。

「ドライフラワーがレコ大にないのは疑問符しかないが...」
 続いて目に入るのが、「影響や流行も加味するなら、YOASOBIさんやAdoさんが特別賞に落ち着くわけがないもんな」と受賞してはいるが、「ココジャナイ」と言わんばかりのツイートだ。特別賞は「社会的に世の中を賑わせ、注目された人、作品などに贈る」(前出・日本作曲家協会サイト)もので、Adoさん(19)、Bank Band、松本隆さん(72)、YOASOBIの4組が受賞しているが、特にAdoさんとYOASOBIに関しては上記のような声が目立つ。

 また、「ドライフラワーがレコ大にないのは疑問符しかないが...どういう基準...?! 」といった、レコード大賞のどこかには入るべき楽曲の姿が見えないとする声も。同様の声は他にもあり、

「今年のレコ大おもんなすぎてえぐい 髭男とかback numberとかおったやろ笑」
  「本当に売れた曲なら宇多田ヒカル、藤井風、ヒゲダンなど入るはず」

といった声も上がっている。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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【記者の目】NHK紅白に問われる、時代の変化への対応と「これぞ」の演出

2021年11月20日 11時04分12秒 | 社会・文化・政治・経済

11/20(土) 6:00配信

日刊スポーツ
NHK「第72回紅白歌合戦」の番組ロゴ

<記者の目>

NHKは19日、都内の同局で、大みそかの「第72回NHK紅白歌合戦」(午後7時30分)の出場者発表会見を行い、初出場する歌手10組中6組が出席した。

【写真】紅白歌合戦に初出場するまふまふ

   ◇   ◇   ◇

老若男女、誰もが知っているようなヒット曲が少ないと言われる21年。コロナ禍で、さらにデジタルに移行する時代の流れで、昨年に続き“世代交代”を印象づける選考となった。

SNS世代では知らない人はいないという「まふまふ」に代表されるように、サブスクやSNSでの再生回数が活躍の大きな指標になっており、アーティストにとっても、時代の変化にどう向き合い、対応していくかが問われている。

一方で、大みそかの夜に聞く演歌歌手の「こぶし」や、豪華衣装対決など、70年以上続く紅白ならではの“偉大なるマンネリ”的な、風物詩といえる要素も、より幅広い年齢層の心を彩るためには不可欠だろう。本当の意味で“カラフル”な紅白だと視聴者が感じるためには、時代に対応しつつも、目玉となる大物の出演しかり、「これぞ紅白!」という演出が求められる。【大友陽平】

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