箱根駅伝は全日本以上の大激戦か…駒澤、青学が有力も“番狂わせ候補”の大学ズラリ〈dot.〉

2021年11月09日 16時42分42秒 | 社会・文化・政治・経済

11/8(月) 18:00配信 AERA dot.

年明けの箱根駅伝を制するチームは… (c)朝日新聞社

 頭に「超」が付く戦国模様となっている今年の大学駅伝。10月10日に行われた出雲駅伝(6区間45.1km)では東京国際大が会心のレースで初優勝を飾り、11月7日の全日本大学駅伝(8区間106.8km)では次々にトップが入れ替わる大激戦の末、駒澤大がアンカー勝負を制して連覇を達成した。そして「大学3大駅伝」は、いよいよ新春(1月2、3日)に行われる箱根駅伝(10区間217.1km)を残すのみ。果たして2022年の箱根路を制すのは、どのチームになるのだろうか。

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 本命は、駒澤大で間違いない。出雲駅伝では1、2年生の経験不足が響いて5位に終わり、全日本でも1区で佐藤条二(1年)が区間新の走りを見せながら2区、3区と失速し、3区が終わった時点で先頭と2分20秒差の11位に沈んだ。だが、この“誤算”がありながら、6区で安原太陽(2年)が9位から4位まで押し上げると、7区で大エース・田澤廉(3年)が一気に先頭に立ち、最後は花尾恭輔(2年)が勝負強さを見せた。ベストメンバーが揃わなかった中での優勝はチームの自信となり、今回の成功体験は必ず“次”に生きてくる。

 2カ月後の箱根へ向けて、駒澤大は戦力的な上積みも見込まれる。最も大きいのが、田澤とともに1万メートル27分台の記録を持ち、前回2021年の箱根で1年生ながら山登りの5区で区間4位と好走したエース格の鈴木芽吹(2年)が、9月の故障(右大腿部の疲労骨折)から戻ってくる見込みであること。さらにトラックレースで好成績を残しながら出雲で悔しさを味わった3本柱の一人、唐澤拓海(2年)が復調できれば鬼に金棒だ。全日本を走った面々も各区間の後半に強さを見せており、距離延長は歓迎。全日本では史上最小の「8秒差」での優勝だったが、箱根では大差でゴールテープを切ることも可能。2年連続の「全日本&箱根」の2冠への期待は高い。

 ただ、計算通りに進まないのが駅伝である。駒澤大は2021年箱根優勝メンバーから退部者が出たこともあって、経験値にやや不安が残る。箱根10区間の中で出雲同様に1、2年生に頼らざるを得ない区間が多く出て来れば、そこに付け入る隙がある。そして逆転の一番手となるのが、出雲、全日本ともに2位となった青山学院大だ。

昨年の青山学院大は7年ぶりの無冠に終わった。だが、箱根では往路12位から復路優勝で総合4位まで追い上げ、その復路5人中4人が今年も在籍している。その中の2人が出雲でも走り、全日本では岸本大紀(3年)が3区で日本人トップの好走、近藤幸太郎(3年)は7区で駒澤大の田澤廉(3年)に食らい付き、実力の高さを再証明した。2区で区間14位、6区で区間12位のブレーキがなければ勝てたはずで、「私の采配ミス」とは原晋監督。補欠だったメンバーにも好タイムを持つメンバーがずらりと揃っており、層の厚さは駒澤大を凌ぐものがある。箱根10区間の中で走る人数が増えれば、逆転のチャンスは増えてくる。

 3番手グループの筆頭には、史上最強ランナー、イェエゴン・ヴィンセント(3年)を擁して出雲を制した東京国際大が入るだろう。全日本では3区で狙い通りにヴィンセントで先頭に立ったが、4区で区間11位、5区で区間13位。6区で日本人エースの丹所健(3年)が区間トップの走りを見せて首位に返り咲いたが、7区、8区で崩れて5位フィニッシュ。いかに強力な大砲を持っていてもブレーキ区間が複数出れば勝てないことを再認識したが、それでも大砲を持っている強みは間違いなくある。出雲と全日本の経験と課題を手に、箱根の山をうまく制することができれば、テレビ画面を長く、そして最後まで独占することは可能だ。

 その他、同じく全日本のレースを振り返り、オリンピアン・三浦龍司を擁して3位に入った順天堂大、アンカー・伊地知賢造(2年)の好走で最終的に4位に食い込んだ國學院大、5区で首位に立って見せ場を作った早稲田大が上位候補。さらに10位に終わったが本来ならば上位を狙える力を持っている東洋大も、スーパールーキー・石田洸介(1年)の存在とともに、箱根では優勝争いに加わることのできる可能性を持っている。だが、現段階で箱根のダークホース的存在としては明治大を指名したい。

前回2021年の箱根で優勝候補の一角に挙げられながらも序盤の出遅れが響いて11位でシード権を逃した明治大だが、箱根の予選会では断トツで通過を果たした。主将の鈴木聖人(4年)を筆頭に力のあるランナーが多く揃っており、全日本では最終的には7位フィニッシュとなったが、4区で3位、6区から7区でも4位を走って強さの片鱗は見せた。エクスキューズは、箱根予選会から全日本までの期間が2週間だったということ。出雲を走った他の上位校と比べて調整期間が半分で疲労が残っていた中での7位は、むしろ箱根への自信を高めるものである。

 近年、新興勢力の台頭が目覚ましい大学駅伝界だが、1920年の第1回箱根駅伝に出場した「オリジナル4」の1校である“古豪”明治大の復活はあるのか。「本命・駒澤大、対抗・青山学院大のデッドヒート」を予想しながらも、多くの大学が入り混じった「全日本以上の大激戦」を期待したい。

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箱根駅伝へ 全日本不出場の創価大は今回も「最強ダークホース」

2021年11月09日 16時15分24秒 | 社会・文化・政治・経済

11/9(火) 16:15配信 NEWSポストセブン

今年の箱根で往路優勝に貢献した三上雄太もまだ4年生で残っている創価大(時事通信フォト)

 11月7日に行なわれた大学三大駅伝の“第2戦”となる全日本大学駅伝は史上稀に見る大激戦となった。優勝争いは最終8区までもつれ、最後は駒澤大が青学大とのデッドヒートをわずか8秒差で制した。来年1月2日、3日の箱根駅伝でも熱戦が期待されるが、全日本には出場できなかった“あの大学”が、前回同様にファンを驚かせる快走を見せるかもしれない──。

【写真】アフリカ勢から飛び出す順大・三浦龍司選手。胸を張り真っすぐなストライド。他、五輪で独走するキプチョゲ選手など

 全日本大学駅伝では、6区終了時点で今年の出雲駅伝を制した東京国際大がトップ。3区のイェゴン・ヴィンセント(3年)、6区の丹所健(3年)が区間新の快走を見せ、7区にタスキが渡った時点で駒澤大、青学大に1分30秒以上の大差をつけていた。7区ではそれを駒澤大の田澤廉(3年)、青学大の近藤幸太郎(3年)という両校のエース2人が逆転。

 最終8区では青学大の主将・飯田貴之(4年)との争いを制した駒澤大のアンカー・花尾恭輔(2年)が先頭でゴールテープを切った。各区間の終了時点の首位を見ても、駒澤大→順天堂大→東京国際大→東京国際大→早稲田大→東京国際大→駒澤大→駒澤大と、目まぐるしくトップが入れ替わる展開となった。まさに、本命不在の“戦国駅伝”である。

 ただ、白熱した争いの中に、今年1月の箱根駅伝で多くのファンを驚かせる大番狂わせを演じてみせた「創価大」の姿はなかった。前回の箱根路で創価大は往路優勝を果たし、復路も最終10区の20km過ぎで駒澤大に逆転を許すまでトップを走り続け、大学史上最高順位となる総合2位でフィニッシュした。駒澤大や青学大、東海大などによる優勝争いが有力視されていただけに、一時は独走態勢を築いた“ダークホース”の登場は多くのファンに衝撃を与えた。

 その創価大だが、今年の全日本大学駅伝の選考会では14位に終わり、伊勢路を走ることはできなかった。今回のチームは、前回に比べて力が劣るのか。スポーツ紙デスクが語る。

「そんなことはありません。前回1区を任されたエース格の福田悠一らは卒業しましたが、準優勝したメンバー10人のうち7人が残っており、今回も箱根で上位進出する力は十分にある。初出場となった今年10月の出雲駅伝でも7位に入り、展開次第では箱根路でも優勝候補の一角になり得る」


前回の箱根2区で東京国際大のヴィンセントに次ぐ区間2位となったフィリップ・ムルワ(3年)、3区で区間2位の葛西潤(3年)、4区で区間賞の嶋津雄大(4年)、同じく5区で区間賞を獲り今季は主将となる三上雄太(4年)ら主力がチームに残っているのだ。

「全日本の選考会は、葛西が欠場するなど主力を一部欠いて結果が残せなかったが、フルメンバーで臨めればかなりの実力です。前回同様に往路の序盤からエース級を惜しむことなく投入してレースの主導権を握れれば、2年連続往路優勝の可能性だって見えてくる。大学駅伝は秋~冬に大会が集中しているため、短い期間で何度も調子のピークを持っていくことが難しい。その意味では、創価大はむしろ全日本に出られなかったことを好材料と捉えることもできるのではないか」(同前)

 振り返れば昨年も、創価大は全日本大学駅伝に出場できなかった(コロナのため選考会がなく書類選考で出場資格を得られず)。伊勢路を走れなかった悔しさを、箱根路にぶつけて好結果につなげられるか。

 

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無保険外国人、命の危機 在留資格なし、負担300%も 支援者「放置は人権問題」

2021年11月09日 15時58分10秒 | 新聞を読もう

毎日新聞 2021/11/8

今年3月、名古屋出入国在留管理局の施設内でスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が病死し、ずさんな医療体制が問題となったが、在留資格がない外国人は、入管施設の外でも命の危険にさらされている。就労もできず、健康保険に加入できないため、重病になると高額な医療費(100%負担)が支払えないケースもあるためだ。近年は医療費を200~300%負担させられる例もある。

 今年1月23日早朝、東京都内の病院でカメルーン出身の女性レリンディス・マイさん(当時42歳)が息を引き取った。2004年に来日。その後、難民申請したが認められず、入管施設に2度収容された。支援者に「胸が痛い」と訴えていたが、施設では十分な治療が受けられなかった。

18年に2度目の仮放免(条件付きの一時解放)となり、その後乳がんと診断された。
在留資格がなく健康保険に入れないため、医療費は高額になる。それでも支援者らが仲介し、理解ある病院で治療を受けた。有効な治療法がなくなり退院したが、収入もないため一時ホームレスの状態に陥った。支援者らの援助で衣食住を確保し、別の病院で治療を続けた。

 医療費を軽減しようと、支援者や弁護士が治療目的の在留資格を出すよう、国に再三要請。在留(1年)を認めるカードが病院に届いたのは、マイさんが亡くなって約3時間後だった。亡くなる数日前まで病床で「病気を治したい。漢字をもっと勉強したい」と話していたという。

 最初に治療を受けた病院にはマイさんの未払いの医療費計約700万円が残ったままで、解決していない…