代表曲「わたしの言葉は自由」
チュニジアの「ジャスミン革命」「アラブの春」の応援歌となり、人々に勇気を送った。
よく両親は、「たくさん本を読みなさい」と語ってました。
特に今の時代は、考える力や想像力を鍛えてくれる読書が本当に大切です。
自分の意見を持ち、声を発することは常に重要です。
心の底から真実を語るなら、恥ずかしがることも、恐れこともないはずです。
チュニジアでは、政府によって表現の自由が制限され、人々の心は萎縮していました。
反政府的な曲を作ると、家族や関係者にも反対されるのです。
2010年12月。
一人の青年の焼身自殺をきっかけに大勢の若者が抗議の声を上げました。
それは政府の腐敗や人権抑圧への批判となり、民主化を求める大きなうねりになります。
ジャスミン革命です。
祈りを込めた歌は、魔法のような力を持ちます。
歌った瞬間、全てが止まり、悪は消え去っていく。
音楽には人々を一つにする力があるのです。
エメル(エメル・マトルティ、英: EMEL、英: Emel Mathlouthi、アラビア語: آمال المثلوثي、1982年1月11日 - )は、チュニジア出身のシンガー・ソングライター。
現在は、米・ニューヨークを拠点に活動している。
デビュー・アルバムの表題曲である「Kelmti Horra(邦題:わたしの言葉は自由)」が話題を呼び、「Ya Tounes Ya Meskina (かわいそうなチュニジア)」とともに“チュニジア革命の声”として広く知られるようになった。
チュニジアの首都・チュニスの郊外で生まれ、10歳で作曲を始める。
学生時代、仲間とともにバンドを結成し、ニルヴァーナやメタリカなど、90年代のグランジミュージックを演奏。
そののち、ジョーン・バエズの声に感銘を受け、バンドを脱退後、プロテストソングの作曲を始める。
そのほかにインスパイアされた音楽として、アメリカのフォークミュージック、サイケデリックミュージック、アーティストでは、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ジャニス・ジョップリン、レッド・ツェッペリン、アラブのオルタナティブシーンから、レバノンのマルセル・ハリーファ、エジプトのシェイク・イマームらを挙げている。
2006年、RMC Middle East Music Awardのファイナリストに選出。
2008年、チュニジア政府が彼女の曲を放送禁止に指定したことをきっかけに渡仏。フランスでのライブパフォーマンスは、チュニジア国内のインターネット上で話題になった。
2010年、チュニジアで起こった「ジャスミン革命」の渦中で、「Kelmti Horra」を歌う様子を収めた動画がネット上で拡散され、同曲はアラブの春がアンセムになる。
2012年、「Kelmti Horra」(ケルムティ・ホッラ、邦題:私の言葉は自由)でCDデビュー。
2014年には、Ayat Najafiの監督によるドキュメンタリー映画「No Land’s Song」に出演。
1979年当時、女性が一人で歌うことが禁じられていたイラン初の女性ソロ歌手を演じた。同作はモントリオール世界映画祭にて、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
2015年、ノーベル平和賞授賞式のセレモニーとノーベル平和賞コンサートの両方に招待され「Kelmti Horra」を歌唱。
ノーベル平和賞コンサート主催者のジェイ・レノは、記者会見で史上初のアラブ人女性歌手として出演した彼女を称賛。
2017年3月15日、セカンドアルバム「Ensen(邦題:人間)」をリリース。
2019年9月27日、3枚目のアルバム「Everywhere We Looked Was Burning」をリリース。