「偶然」とは、日常生活のなかで普通に起こる

2021年11月29日 21時06分34秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼人々に最大限に貢献するのだという信念をもち、大いに活躍することだ。
▼強い一念で努力すれば、それなりの結果だでるはずだ。
▼笑顔があふれるところに、希望と歓喜が生まれる。
朗らかな振る舞いを。
▼人類を融合する活動が期待される。
▼人を育てる。それが何よりも勝利の道だ。
▼「偶然」とは、日常生活のなかで普通に起こる。
偶然があることが世界のリアルティーであり、この世界を描くことは偶然を描くことだ。
だから、映画にとって偶然は本質的なものなのだ―映画監督・濱口龍介さん
▼会話には言葉と声の両方の要素があると思う。


藤井聡太竜王は19歳にして「序列1位」で名実ともにトップ棋士に 将棋界における序列とは何か

2021年11月29日 14時58分14秒 | 社会・文化・政治・経済

11/29(月) 6:12配信

文春オンライン
藤井聡太三冠(右)は豊島将之竜王(左)を破り、竜王を含む四冠で序列1位となった 写真提供:日本将棋連盟

 第34期竜王戦七番勝負で、挑戦者の藤井聡太三冠が豊島将之竜王を4勝0敗で破り、竜王を獲得。史上最年少での四冠王となった。同時に藤井は、現役棋士の中で序列1位となった。

【写真】歴代の「序列1位」棋士の写真を見る

 竜王戦が決着する直前の序列トップ5は

1位、渡辺明名人(棋王・王将)

2位、豊島将之竜王

3位、藤井聡太三冠(王位・叡王・棋聖)

4位、永瀬拓矢王座

5位、羽生善治九段

 であったが、藤井が竜王を奪取した結果、以下のようになった。

1位、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖)

2位、渡辺明名人(棋王・王将)

3位、永瀬拓矢王座

4位、羽生善治九段

5位、谷川浩司九段

ファンが気になる「上座にどちらがつくか」問題
 棋士の序列で、まずファンが気になるのは対局室の上座にどちらがつくかということだろうか。

 谷川九段が名人を奪取した後にあった加藤一二三九段との対戦で、先に上座に座られ「私の座る席がない」と内心思ったエピソードは有名だし、またA級1期目の羽生(当時四冠王)が中原誠十六世名人、谷川とA級順位戦で当たった時に上座に座ったことが物議をかもしたことも知られている。いずれも現在なら、谷川・羽生が上座でまったく問題視されないはずだ。仮に来期のA級順位戦で藤井―羽生戦が実現し、藤井が上座に座ったところでいちゃもんをつける外野の人間など存在しないだろう。また逆に、丸山忠久九段が大先輩の七段を相手に敬意を表して下座で待っていたところ、その先輩に強引に上座に押しやられたという話もある。

 筆者が間近で見た席次に関するエピソードを紹介すると、まず女流棋界の第一人者、清水市代女流七段へのリスペクトがゆえに生じた戸惑いが思い出される。伊藤真吾六段と梶浦宏孝七段がいずれも新四段のときに清水女流七段と公式戦で戦う機会があったが、どちらも「私が上座でいいのでしょうか」と、たまたま盤側にいた筆者に聞いてきた。規定では新四段であっても女流棋士相手には上座につくことになっているが、第一人者相手に上座についていいのかと思わせる威光が清水にはあったということだろう。伊藤―清水戦が2007年、梶浦―清水戦が2015年。梶浦の時には8年前にまったく同じことがあったなあと一人思い出した次第である。

 また、羽生九段がそれまでの通算勝利記録だった大山康晴十五世名人の1433勝を更新することになった、2019年の対永瀬叡王(当時)戦では以下のような一幕もあった。

 大記録がかかっているので、対局開始時からマスコミが大集合している。筆者はその一局をたまたま盤側で観戦する機会に恵まれたが、対局室に入ると永瀬が一人、下座に座って待っている。そこへ姿を現した羽生が、当然、永瀬を上座に促した。多少のやり取りがあった末に永瀬が上座に移ったが、そのタイミングで上座を写そうとしていたカメラマンが大挙して逆の位置に動いた。羽生が永瀬を上座に促すことを予測している将棋関係の記者は最初から下座を写すべく待っていた。その光景のコントラストにおかしくなったことを覚えている。

藤井竜王は名実ともに棋界のトップに立ったが、他のタイトルに挑戦した場合は当然ながら下座に座る。だがもし全冠制覇となれば、当然ながらすべての対局で上座につくわけだ。羽生九段が当時の全タイトルである七冠を制覇してから、初めて下座に回るまでに2年を要した(規定からの推測)が、藤井竜王はどうなるだろうか。

タイトル数と段位で決まる序列ルール
 そもそも、将棋界における序列はどのように決まっているのかというと、基本はタイトル数と段位である。そしてタイトルの中でも竜王と名人は別格扱いだ。三冠を持っていた藤井よりも竜王一冠の豊島が上位だったのはそのためである。そして竜王と名人のどちらが上かというと、

1、同時に保持するほかのタイトル数が多いほうが上位

 という決まりがある。

 藤井は竜王を奪取して四冠となったため、名人を含む三冠の渡辺より上位となる。では、仮に藤井竜王(三冠)と渡辺名人(三冠)のように、どちらもタイトルの数が同じだったらどうなるか。

2、竜王と名人で棋士番号が若い(先輩)ほうが上位

 この場合は同時に持つタイトルが何であろうと変わらない。上記の例だと渡辺のほうが先輩になるため、渡辺が序列1位となる。それぞれが竜王と名人の一冠ずつしか持っていない場合も同様である。もし今後、A竜王、B名人、C六冠となった場合は、Cの序列が3位で、AとBのうち、先輩が1位となる。

3、竜王と名人以外は持っているタイトルの数が多いほうが上位

4、保持タイトルが同数の場合は序列上位のタイトルを持つほうが上位

 2019年3月26日に豊島王位・棋聖と渡辺棋王・王将(いずれも当時)という対局が竜王戦で実現しているが、当時の新聞観戦記には「二冠同士だが、王位を持つ豊島が上位なのは規定通りだ」と書かれている。

 そしてタイトル保持者以外は、まず永世称号有資格者が上位となり、そして九段、八段、七段……となっていく。永世称号有資格者の中では、もっとも早く永世称号の資格を得た(その棋戦は問わない)棋士が上位となるため、1995年に永世棋王の資格を得た羽生が、1997年に永世名人の資格を得た谷川よりも上位にくる。そして2006年に永世棋聖の資格を得た佐藤康光九段、2007年に永世名人の資格を得た森内俊之九段が続く。

竜王と名人では同時に保持するほかのタイトル数が多いほうが上位
 また、同段位の中では「その段位に早く上がったものが上位」となる。九段筆頭の桐山清澄九段は棋士番号93で九段昇段時が1984年。桐山の次に棋士番号が若い九段は114番の青野照市九段だが、青野の九段昇段は1994年。よって棋士番号は147ながら1989年に九段昇段を果たした南芳一九段の方が上位となる。

 ただ、タイトルを持たない同段位同士の棋士による対局があった場合は、序列よりも棋士番号を優先しているケースが多そうだ。序列上位とはいえ、先輩を差し置いて上座につくという光景はまず見かけない。

 そして上記の「竜王と名人では同時に保持するほかのタイトル数が多いほうが上位」という現行の規定が作られたのは実はここ10年ほどで、割と最近なのである。長らく、「竜王と名人で棋士番号が若い(先輩)ほうが上位」の規定のみが周知されていた。竜王一冠と名人含む三冠、あるいはその逆の場合のケースなどでも、他のタイトルは関係なく、竜王と名人のうちの先輩が上位とされていた。現行の規定を知った時に「えっ、変わったの?」と思った記憶がある。これは筆者だけでなく、多数の関係者が似たような感想を話していたはずだ。

 現行の規定が導入されたことが確認できるのは2012年である。その年の名人戦が終わった時点で発刊される将棋年鑑には、棋士が序列順に並んでいるページがあるが、2012年版の年鑑で筆頭になっていたのは渡辺明竜王(王座)だ。続くのが森内俊之名人で、以下、羽生善治王位・棋聖、郷田真隆棋王、佐藤康光王将……となっていた。その前年は森内名人が筆頭で、渡辺竜王が二番手だった。

藤井竜王の時代はどこまで続くのか
 長年、将棋界の序列1位は名人と決まっていたが、1987年に「将棋界最高峰の棋戦」として竜王戦が創設された。第1期竜王戦が決着した1988年11月17日以降の序列1位経験者を順番にあげると、谷川浩司九段、中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖、羽生善治九段、佐藤康光九段、丸山忠久九段、森内俊之九段、渡辺明名人、広瀬章人八段、豊島将之九段、そして今回の藤井聡太竜王となる。

 藤井時代が長く続くか、それとも待ったをかける者が現れるか。要注目だ。

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最恐ホラー映画『ヘレディタリー/継承』

2021年11月29日 14時40分47秒 | 社会・文化・政治・経済

CSテレビのザ・シネマで、11月29日午前3時45分から6時まで観た。

今日の午前5時からの散歩は行かなかった。

「2018年で最も怖いホラー」と評判になり、一気に注目を集めた『ヘレディタリー/継承』。一般客だけではなく批評家などの業界人からも大絶賛され、「21世紀最高のホラー」とも言われているのだとか。

観る人の背筋を凍らすストーリー展開に、終始不気味で冷ややかな空気が流れるこの作品。2時間ほどの映画ですが、初めから終わりまで一秒たりとも気が抜けません。ここまで息が詰まるほどのホラー映画は、なかなか見つからないことでしょう。

心霊が脅かしてくるタイプのホラーではなく、じわじわと精神を蝕んでいくのが本作の注目ポイント。好き・嫌いがしっかりと分かれるとは思いますが、ホラー好きなら一度は観るべきです。こちらの記事はネタバレ・解説を含みますので、未鑑賞の方はご注意下さいね。

目次 [CLOSE]

 

監督はあの『ミッドサマー』でお馴染み、アリ・アスター監督。彼は2011年ごろから映画監督として活躍していますが、長編映画の制作にチャレンジしたのは本作が初なのです。長編とは言え、約2時間でしっかりとまとめあげた深みのあるストーリーにハマる人も続出しているのだそう!

アリ・アスター監督の作るホラーは、心霊やゾンビは登場しません。全て事の発端は人間であり、それに振り回されていくのも生身の人間。決して浮世離れした世界観ではないため「どこかでこんなことが起こっているかも……」と想像させてしまう、妙なリアルさを持っていますね。

心霊が出ないとなれば「ホラーが苦手な人でも観られるか?」と疑問に思う人もいるでしょう。しかしこれは「人による」と言っても過言ではありません。『ミッドサマー』にしろ『ヘレディタリー/継承』にしろ、最も怖いのは人間なのです。スリラーやサスペンスが苦手な場合は、鑑賞するのが少々厳しいかも?

けれどもこういったジャンルが好きな人にはたまらない、完成度の高い作品となっています。

ある日グラハム家の祖母・エレンが死亡。葬儀が開かれ多数の人が押し寄せるも、娘であり二人の子供の母であるアニーはエレンと仲が良くなかったために、不思議と涙は流れません。

葬儀が終わり、彼女の遺品が入った段ボールを見ていると、誰かに監視されているような気持ちを覚えるアニー。しかしその時はあまり気に留めず、部屋を後にしただけでした。

一方で祖母に懐いていたアニーの娘であるチャーリーは、エレンの死を寂しく思っています。そのせいか、ある時から祖母の気配を感じ取り、奇妙な行動の数々を繰り返してしまいます。けれども彼女の奇妙さに、ハッキリと気づく者はいません。

次第に家族全体の歯車が狂い始めていきます。祖母の死によって、グラハム家はどうなってしまうのでしょうか……?

主人公のアニー(トニ・コレット)はミニチュアの模型を製作する芸術家。自身の作品を創り上げている途中だった。しかしこの日は祖母でありアニーの母親である、エレンの葬儀がある。夫のスティーブ(ガブリエル・バーン)、息子のピーター(アレックス・ウルフ)も葬儀へ向かおうとするが、娘のチャーリー(ミリー・シャピロ)の姿が見当たらない。

彼女は家の外にある小屋で眠っており、おばあちゃん子だったために、エレンの死にショックを受けていた。葬儀には一緒に行くものの、どこか元気のない様子をしている。

アニーはエレンに対して複雑な感情を抱いており、不思議と涙は出ない。それはピーターも同じことで、何とも言えぬ気持ちのまま参列していたのだ。

葬儀が終わり家へ帰ると、エレンの遺品が入った段ボールがある。そこを漁っていると、アニーは妙な視線を感じてしまった。まるで誰かが見ているような、奇妙な感覚……。その時はさほど気に留めず、彼女は部屋を後にした。

チャーリーはまだエレンの死をショックに思っているも、母親の心境を知っているからこそ、声を大にして泣くことはできない。このあたりから、彼女は死んだ鳩の首をハサミでちょん切ったり、怪しげな絵を描くなどの奇怪な行動を取り始める。

一方でアニーは自分の複雑な心と向き合うべく、グループで行われるカウンセリングへ参加した。そしてエレンは精神疾患、父親は精神病で餓死、兄は不可思議な遺書を残して自殺していることを口にし始める。つまりアニーの身内は全て死亡しており、エレンの存在も家族を悩ませるタネだったのだ。

【あらすじ②ついに起こる悲劇】

エレンの死から日付も立たずして、今度は彼女の墓が荒らされたという報告を受けるアニー。彼女は個展を控えていたため作品制作に取り掛かっている最中だが、チャーリーの落ち着かない行動も気がかりである。本来なら寄り添うべきなのだが、精神的に疲労が溜まっていく一方だった。

そこでピーターより「同級生の家でパーティがある。車を使って行ってもいいか」との相談を持ち掛けられる。お酒は出ないか、危ないイベントではないかをアニーは確認すると、チャーリーも一緒に連れて行って欲しいと彼にお願いする。あまり良い顔をしないピーターだが、仕方なく受け入れることに。

会場へ着くと知り合いもおらずつまらなそうにするチャーリー。ピーターは彼女を残して、別の部屋へ友人とマリファナを吸いに行ってしまう。彼女はすることもなく、兄に言われるがままに会場で配っていたチョコケーキを口にした。

するとチャーリーの体に異変が起こる。元々ピーナッツアレルギーを持っており、食べたケーキの中にはナッツが入っていたのだ!息がしづらいと嘆き、ピーターに助けを求めると彼はすぐさま会場を飛び出し、妹を車に乗せて走らせる。

体調はますます悪化していき、呼吸も止まりそうなくらい苦しむチャーリー。あまりに苦しいため、窓の外へ顔を出してしまう。しかしその時、ピーターは急いでいるあまり車の速度をぐんぐんと上げてしまっていたのだ。

速度を上げた途端に、運悪く道路に動物が飛び出してくる。それを勢いよく避けると、後部座席に座っていたチャーリーは電柱に頭部をぶつけ、そのまま持っていかれ……。首を切って命を落としてしまった。

自分の引き起こした事実が信じられないピーターは、何も言わずに帰宅。そのまま部屋から出てくることはなく、ただひたすら目の前の現実を受け入れられなかった。

チャーリーの死を両親が知ったのは翌朝。これをきっかけにアニーの精神は更に不安定に、ヒステリックな一面が出始める。そしてピーター自身も、妹の件を思い出すだけで吐き気をもよおすほどになっていた。

あらすじ③「救いの手を差し伸べるのは……」

ヘレディタリー/継承 降霊
映画『ヘレディタリー/継承』公式サイト

悲しみから立ち直れないアニーだったが、ある一人の女性と出会う。それはジョーン(アン・ダウド)という、グループカウンセリングにいた中年女性だ。彼女も孫を亡くしており、の気持ちは痛いほど分かると言う。アニーの精神的な拠り所はなかったが、彼女の存在により心が救われていくようだった。

ある日のスーパーの帰り、突然ジョーンに出くわした。そこでアニーは「降霊術」を知ってしまう。話によればこれによって、死者と対話することに成功したと言うのだ。半信半疑だが、言われるがままにジョーン宅へ行ってしまう。

そして儀式を始める彼女。死者との会話には確かに成功した。「いるならグラスを動かして」と言えば、本当にグラスは動く……。それを目の当たりにしたアニーは衝撃で逃げ出しそうになりますが、必死でジョーンは怖くないと説明を重ねる。

そして「霊を呼び寄せるには家族全員が一緒でないとダメ」と忠告。悩むアニーだが、帰宅後は降霊術を行うことを決意。半ば強引にピーターとスティーブを巻き込み、儀式を始めることとなる。

実際に行ってみるとジョーン宅で行われた時と同様に、グラスが動いた。チャーリーとの対話に成功してしまったのである。あまりの怖さに泣き出すピーター、スティーブはアニーの行動を必死にやめさせようとするものの、彼女は異常なまでに興奮していたのだ。

降霊術によってますますバラバラになっていく家族たち。アニーは更にヒステリックになり、チャーリーが亡くなったことをピーターに責めるほど攻撃的になっていた。実はアニー自身も夢遊病を患っており、過去に子供へ怖い思いをさせてしまっている。そんな彼女のふがいなさが仇となり、より攻撃性を高めるようになってしまう。

ヘレディタリー/継承 ペイモン
映画『ヘレディタリー/継承』公式サイト

エレンの遺品整理を行っていると、とあるアルバムが発見される。中を見てみるとエレンと、あのジョーンが共に写っている写真が複数枚貼ってあったのだ。そして「召喚」と書かれた分厚い本……。「地獄の王 ペイモン」と中には書かれ、重要なポイントマーカーが引かれていた。

要するに彼女達はペイモンという悪魔をカルト的に崇拝する者の集まりで、エレンはそのトップにあたるということ。急いでジョーンの家に駆けつけるアニーだが、彼女は留守で会うことは出来なかった。

ペイモンを復活させるには、肉体が男でないとダメなのだと言う。ジョーンが向かった先はピーターの学校。外でランチをしていた彼をじっと見つめ、「ダグダニー」「パラゴン」「ピーター!肉体から出ていけ!」という謎の言葉を投げかける。するとピーターは次の授業で、自ら机に顔をぶつけるなど奇怪な行動に走り始めた……。

ピーターがピンチに陥る中、アニーは自宅の屋根裏部屋にエレンの首なし死体があることを知ってしまう。ピーターの一件により学校から連絡があり、早急に帰宅したスティーブにそれを説明するも、彼は半信半疑。ペイモンの件もなかなか受け入れてもらえない。妻が精神的に不安定になっているとしか思っていないのだ。

降霊術には死者の持ち物を使うことが鉄則で、チャーリーが絵を書いていたノートを使用した。なのでこれを処分すればペイモンの降臨は抑えられると考えたアニーは、暖炉の中にノートを投げ込むよう夫へ指示。以前自分で行った時は自身に火が燃え移ったため、彼がやれば成功すると考えていたためだ。

しかしながら信じず実行しない夫にしびれをきらし、自分で投げ入れるアニー。すると自分ではなく、スティーブの体が炎に包まれ、焼死してしまうのだった……。そしてピーターは目を覚ましてリビングへ向かうも、亡くなった父を見かけて発狂する。そこへエレンの遺体が襲い掛かってくるも、屋根裏部屋へ急いで隠れ、大騒ぎに。屋根裏部屋ではアニーが自分の首を切っており、更に驚いたピーターはガラスを破って外へ出た。

助かったかと思えば、彼の体にはある光が宿る。そして庭の小屋に向かうと、ペイモンの崇拝者たちが集まっており、復活の時を待っていたのだ。ピーターの頭に王冠を被せ、見事にペイモンは復活を遂げてしまった――。

映画『ヘレディタリー/継承』のキャラクター・キャスト

アニー/トニ・コレット

ヘレディタリー/継承 アニー
映画『ヘレディタリー/継承』公式サイト

序盤は母親との関係を複雑に思っているアニー。エレンの死から不可解なことが次々と起こり、精神を不安定にさせていきます。彼女が中盤以降、人が変わったように叫ぶ、興奮する姿はまるで多重人格者。人間が追い詰められていく様子がとてもリアルで、エレンよりアニーが怖いなんて声もありました(笑)

そんな難しい役どころであるアニー役を演じるのは、トニ・コレット。絶叫した時や怒りに満ちた時の表情は、一度見たら忘れられませんよね。エレンに振り回され、悲惨な最期を終えるキャラクターですが、力強い彼女の演技には脱帽です。1991年から活動しているベテラン女優で、実はミュージシャンとしての一面も持っているのですよ!

ヘレディタリー/継承 スティーブ
映画『ヘレディタリー/継承』公式インスタグラム

どんなことが起きても終始冷静さを見失わなかったスティーブ。この手の作品って旦那が分からず屋でイライラ……なんてケースもよくありますが、彼は最後まで落ち着いた雰囲気を見せていましたね。インパクトは強くありませんが、一家の大黒柱であることがよく感じられるキャラクターでしょう。

知性的であるスティーブを演じるのはガブリエル・バーン。元教師といった珍しい肩書きを持ち、役者を目指したのは29歳からと遅咲きの俳優です。70歳になった現在も活動を行っており、ブロードウェイの舞台にも登場。何歳になっても元気に活躍していて欲しいですね!

ピーター役/アレックス・ウルフ

ヘレディタリー/継承 ピーター

映画『ヘレディタリー/継承』公式サイト

グラハム家の長男、ピーター。彼に悪気は全くなかったのですが、妹を亡くしてしまった悲しみからどんどん様子がおかしくなっていきます。アニーにチャーリーの死を責められるシーンは、いたたまれないものがありましたね……。最終的にはペイモンを受け入れる「器」となってしまい、彼も悲惨なエンディングを迎えてしまいました。

重要なピーター役は『ジュマンジ』シリーズでお馴染みのアレックス・ウルフ。まだ22歳という若さながら芸歴は16年とベテラン!6歳の頃からこの世界に入り、様々な役を演じてきました。吹き替えにも挑戦しているため、今後が楽しみな俳優さんですね。

ヘレディタリー


九十三年

2021年11月29日 14時07分16秒 | 社会・文化・政治・経済

ヴィクトル・ユゴー (著)

内容(「BOOK」データベースより)

1793年、バスティーユは陥落し、国王ルイ16世は残忍なる「ギロンチン」によって処刑された。共和国政府による恐怖政治に反発し、国王復活をもくろむ王党派。両陣営の激しい憎悪の惨劇が全国を覆う。暴虐に対する人間愛の勝利。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

辻/昶
1916年東京生まれ。2000年5月死去。東京大学仏文科卒。東京教育大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
ビクトルユゴーはレ・ミゼラブルぐらいしか読んだことがありませんでしたが、名作でした。
内容はフィクションですがノンフィクションかと思って読んでしまいます。
ユゴー作品に見られる、無駄に細かい描写が延々と続くところはありますが、それを差し引いても、伏線の張りかた、物語の展開、そして何よりも人の描写や人として何が大切なのか?を教えてくれます。
ぐいぐい引き込まれる内容です。ぜひ読んでみてください。
文字もそれなりに大きくて読みやすかったです。
 
 
ドラマチック。多分、生涯読む本の中でも印象的な5冊に入るでしょう。
是非、読む事をお勧めします。
 
「ゴォヴァンは話しつづけた。『女性についてはいかがですか?女性をどう扱われるおつもりですか?』 シムゥルダンが答えた。『いまとおなじさ。男性の召使いだよ。』『そうです。
ただし一つの条件づきで。』『どんな条件だ?』『男性が女性の召使いになるという条件です。『「本気でそう思うのか?』と、シムゥルダンが叫んだ。『男が召使いだと!とんでもない。男は主人だ。
わしが認める王政はただ一つ、家庭という王政だけだ。男は家庭では王なのだ。』『そうです。ただ一つの条件づきで。』『どんな条件だ?』『女性が家庭の女王になるという条件です。』『つまり、きみが望んでいるのは、男女間の・・・』『平等です。』『平等だと!本気で言っているのか?男と女は別のものだ』」。
この二人の会話で、共和派の革命軍の指導的立場にあったシムゥルダンの言葉は、佛国革命当日、単に「人」と言った場合は女性を含まないのが普通であったことを象徴しています。 また、佛国革命の人権宣言の「平等」は「成人の白人男性」だけに限られていました。
 
 
 
 

日本翻訳史概観 木村 毅著

2021年11月29日 13時27分57秒 | 新聞を読もう

板垣退助が、フランスで晩年のビクトル・ユゴーに尋ねた。

「日本のような後進国の国民に広く自由民権の思想を普及するには、どうしたらいいでしょう」

「それは適当な小説を読ませるのが一番」

板垣がこのユゴーの発言に面食らっていると、自身の最後の小説「九十三年」を薦めた。

板垣が帰国した時、船の荷物には西洋の小説が大量に積まれていた。

日本翻訳史概観 木村 毅著

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木村 毅(きむら き、1894年2月12日 - 1979年9月18日)は、文学評論家、明治文化史の研究家、小説家。

経歴
岡山県勝南郡勝間田村(現勝田郡勝央町)に生まれる。少年時代から文士を志し、『少年世界』『文章世界』に投稿する。高等小学校卒業後の3年間独学、その後早稲田大学英文科に入学し、1917年卒業。

隆文館、次いで早稲田で同級だった植村宗一(直木三十五)らの設立した春秋社に入社し、トルストイ全集の編集を手がけ、植村退社後も宮崎安右衛門『乞食桃水』、西田天香『懺悔の生活』などのベストセラーを企画した。1921年に、『都新聞』に連載されその後私家版で書き継がれていた中里介山『大菩薩峠』を知り、出版を社長に提案し、宮崎安右衛門の紹介で介山と交渉して刊行したところ、大評判となった。関東大震災を機に春秋社をやめて評論、翻訳活動を行う。

『小説研究十六講』(1924年)は好評となり、川端康成に影響を与え、松本清張はこれを読んで小説家志望の念を固めた。

また改造社の社長山本実彦の依頼で『現代日本文学全集』(1926年)を編集し、その後ブームとなる円本の嚆矢となった。

明治文化研究会同人となり、のち第3代会長も務める。1928年ヨーロッパへ渡り、デュマの遺跡探訪や、改造社の依頼でコナン・ドイルの翻訳権交渉なども行った。

小説、実録、評論のほか、明治文化・文学を研究し多数の著作を残す一方、日本フェビアン協会、労農党に参加。社会運動にも挺身した。

『文藝東西南北』(1926年)からの明治・大正文学の研究は大きな業績で、この序文で内田魯庵は「木村君は東西古今に亘る多読家を以って知らる。

就中明治文化に就いては夙に潜思して博渉最も力む。日に古書肆を採訪して露店までも漁って倦まず、往々意外の逸書を掘出して忘れられたる資料を捜り当てるあて第六感を持つてをる」と評された。

また尾崎秀樹は「明治・大正文学研究をそれぞれの時代状況や社会の推移と照応させ、明治文化の全体像の中に位置付けようとした」「東西文化・文学との比較研究」「資料渉猟に基づく実証主義的な研究態度」「文学の社会的研究」をその評価、特色として

的研究」をその評価、特色として挙げている。

早稲田大学百年史編纂委員、神戸松蔭女子学院大学教授を勤める。1978年に菊池寛賞受賞。1979年、目黒の東邦大学付属大橋病院にて死去。文学博士。

小説家の阿部知二とはいとこ同士にあたる。


苦悩を突き抜けて歓喜に至れ!

2021年11月29日 12時50分39秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼「確信」こそが、人生の要諦。
▼見方によっては、不幸な出来事でさえ、最大の幸福の出来事にもなることも。
▼ヒューマニズム(人間主義)の確立において、転換期となることも。
▼困難に行き詰った時は<確信が問われている>のだ。
▼<もうダメだ>という状況から勝負は始まるのだ。
▼苦悩を突き抜けて歓喜に至れ!
▼世の中から歓喜を拒まれたその人間がみずから歓喜を造り出す―それを世界に贈りものとするために。
彼は自分の不幸を用いて歓喜を鍛えだす―ロマン・ロラン(ベートーヴェンの生涯)
▼「自分がいる限り、何の心配もいらない」との気概で、この人生を強く生き抜くことだ。
▼大切なのは真剣な一人であり、必死の一人の存在だ。
▼世界が困難に直面している今こそ、人々は「生命尊厳」の精神と行動を、いやまして求めている。


とことんやるとマネできないものになる

2021年11月29日 12時47分10秒 | 新聞を読もう

▼現場で知恵を出すことが必要だ。
▼独創性とオリジナリティー。
▼一点の突破の原理、爆竹の勢いで状況打開を起こすことができる。
▼「なぜ、どうして、どうすれば」
「行う、やってみる」
▼中途半端にやると他人のマネになる。
とことんやるとマネできないものになる。
▼己の価値や生きがをいかに見出すか。
▼「読書」は、他者の生活や思考を内面的に共にすることであり、より大きな自分を築きたいという要求を満たすものだ。
▼「心の思いを響かして」希望をともす励ましを!


変化に応じて成功体験を捨てよ

2021年11月29日 10時35分25秒 | 新聞を読もう

日本とアメリカは国力があまりに違っていたのに、なぜ開戦に踏み切ったのか?

どんなにがんばってもアメリカに勝てないことは、当時の軍部指導者もみな知っていた。
しかし「負けないでいることはできる。持ちていればアメリカはいずれ戦争をやる気をなくすだろう」と考えた。
日本はアメリカの本当の力を見抜けなかった。
当時、海軍では戦艦が主役であった。
日本の機動部隊が、真珠湾奇襲で米太平洋艦隊に大きな打撃を与えた。
しかし米軍はこの被害に学んだ。これからの主力は航空機であり、それを運ぶ航空母艦だと悟った。
また軍艦を造るのは時間がかかるが、航空機はそれほどでもない。
日本の終戦構想は、今から見るとあまりにもずさんだ。
日独伊三国同盟を結んでいたドイツがイギリスを屈服させると、イギリスの同盟国のアメリカが戦意をなくし講和に応じる、という内容だった。
結局、ドイツはイギリスを攻略できず、新たにソ連と戦争を始め、破滅へと向かった。
それでも日本陸軍を中心にドイツに過剰に期待してしまった。
日本は当時、ドイツを含む欧州の情勢に高い関心を寄せ、その情報収集に努力を注いでいた。
しかし情報の量は多かったが、その分析を間違えた。
コロナ対策で失敗を挙げるなら、非常時にどう対応するかを平時に考えてこなかった。
今回は、日ごろの準備を省いてきたことが露呈した。
ワクチンは外国で生産したものを買った方が安くすむ。
経済的には合理性だが、安全保障とのバランスが必要だ。
非常時や最悪事態に備えることは、お金もかかるし、人も回さなければならない。
保健所を減らしてたことが裏目にもでた。
コストを考えると国がためらうのは分かる。
常に非常時のことを考えて、それを平時にも生かすことができるような工夫が必要だ。
あいまいな戦略目的と責任の所在、長期展望の欠如。
あるいは情報収集能力の不足などが問われる。
日本軍の例からみて重要なのは、学習棄却の能力だ。
日本軍は、日露戦争で大きな成功体験をした。
陸軍で言えば銃剣突撃主義の白兵戦で、強力なロシア陸軍を破ったと考え、海軍では巨大な大砲を持ってた戦艦を持った戦艦を中心とした艦隊決戦でバリチック艦隊を撃滅した。
陸海軍は日露戦争から40年近くたって始めた対米英戦を、その成功体験のまま進めてきた。
実際は日露戦争から兵器も戦術も大きく変化した。
組織は環境の変化に応じて既存の知識を捨てることが必要だ。
成功体験を持ってそれに適応しすぎてしまうと、環境の変化に対応できなくなってしまう。
状況に応じた変革ができているか、自ら確認することが必要だ。

毎日新聞「森健の現代をみる」から引用

ゲスト:戸部良一さん(防衛大学名誉教授)