日本「ワクチン接種後死亡者1300人余り…接種中断する理由はない」

2021年11月19日 22時33分04秒 | 医科・歯科・介護

11/15(月) 8:01配信 中央日報日本語版


日本で新型コロナウイルスワクチン接種後に発生した死亡事例は1300件余りであることがわかった。

日本で新型コロナウイルスワクチン接種後に発生した死亡事例は1300件余りであることがわかった。だが日本当局はまだ死亡と接種の因果関係が確認されていないとし、接種を中断する理由はないという立場だ。

【写真】ワクチン接種を準備する神戸の医療従事者

NHKによると、厚生労働省は12日に開かれた異常反応と関連した専門家部会で、新型コロナウイルスワクチ接種後に死亡したと医療機関から報告された事例が先月24日基準で1325人だと明らかにした。

このうちモデルナのワクチンを打った24歳の男性と27歳の男性は心臓の筋肉に炎症が起きる心筋炎を起こして死亡していた。だが専門家部会に参加した専門家らは現時点で死亡と接種の因果関係は確認できていないという立場だとNHKは報道した。

厚生労働省は先月から10~20代の男性にはモデルナのワクチンに代わりファイザーのワクチンを接種できるよう案内している。一方、死亡者1325人の中にはファイザーのワクチンを打った10代も4人含まれた。このうち3人は心筋炎以外の症状で死亡し、1人は死因を調査中だ。

厚生省は「死亡例の報告について注視する必要はあるものの、現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」として引き続き接種を進める方針を明らかにした。

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ワクチン接種後に1325人死亡 因果関係「99%評価不能」はなぜか

2021年11月19日 22時24分51秒 | 新聞を読もう

深掘り 矢澤秀範 中島昭浩 

毎日新聞 2021/11/17 20:22(最終更新 11/18 12:03)
新型コロナワクチンと死亡との因果関係について「評価不能」であること表す「γ(ガンマ)」の文字が並ぶ厚生労働省専門部会の資料。上から2列目は岡本裕之さんに対する評価とみられる=東京都千代田区で
新型コロナワクチンと死亡との因果関係について「評価不能」であること表す「γ(ガンマ)」の文字が並ぶ厚生労働省専門部会の資料。上から2列目は岡本裕之さんに対する評価とみられる=東京都千代田区で
 新型コロナウイルスのワクチンを巡っては、全国民の約7割が接種を完了したが、10月24日現在、接種後に1325人が死亡している。厚生労働省によると、このうち99%の1317人がワクチン接種との因果関係を評価できないという。真相を求める遺族の声は根強いが、なぜ突き止められないのか。【矢澤秀範、中島昭浩】

84%が高齢者 遺族「きちんと結論を」
 「『評価不能』ではなく、きちんと結論を出してほしい。リスクを説明できなければ、国はより安全なワクチン接種を進められないはずだ」。新型コロナウイルスのワクチン接種について、米モデルナ製の2回目接種を受けた後、8月に亡くなった岡本裕之さん(当時30歳)=東広島市=の父、裕二さん(63)はこう訴える。死亡と接種との因果関係を厚労省に問い合わせたものの、依然として納得する回答は得られていない。

 

 


隠蔽されるワクチン接種被害?!

2021年11月19日 22時19分35秒 | 医科・歯科・介護

副作用や死亡報告が怖い…「ワクチンを打たない」と決めた人を悩ますワクハラの現実

10/10(日) 13:01配信

週刊女性PRIME
新型コロナウイルス、ワクチン接種の様子

《私も打ちました》
《副反応のほとんどは数日で回復します》
《あなたとあなたの大切な人を守るためにも》

【写真】ワクチン摂取後に死亡者の多発した原因を分析するとーー

 日々、テレビを中心に流れる政府や地方自治体による、新型コロナウイルスのワクチン接種“お願い”のコマーシャル。10月4日、政府は2回目のワクチン接種を終えた人の割合が、全国民の60.9%に達したと発表した。

 しかし、現時点でも2回目どころか、1回も接種せず、“打たない”と決めた人も少なからずいる。

 その“理由”で、やむを得ないのは以下になるだろう。

「ワクチン接種後に起こる、急激で重いアレルギー反応を『アナフィラキシー』と呼ぶことは、広く知られるようになりました。急速に血圧低下や呼吸困難が生じて、放置すれば死に至るというものです」

 そう話すのは、新潟大学名誉教授で医療統計の第一人者と呼ばれる医学博士の岡田正彦先生。アナフィラキシーだけでなく、接種後は、接種部位の腫れや痛み、発熱や倦怠感といった“副反応”が高頻度で起こることが報告されている。

「医療の結末には、効果と副作用の2つしかありません。“副反応”と、耳ざわりの良い言葉が意図的に使われており、“副作用”と呼ぶのが正しいと私は考えます」(岡田先生、以下同)

“ワクハラ”に悩む人たち
 医師である岡田先生の元には、ワクチン接種についてのさまざまな悩みがメールなどで届くという。そのほとんどは、それぞれの理由で「ワクチンを打たない」と考えている人からだ。

【ワクチンを受けたくないが、職場で強要されている】

【アレルギー体質だと言っても、信じてくれない】

【組織の中で受けていないのは自分だけで、周りの目が恐ろしい】

【もし集団感染が起こったらお前のせいだ、と言われた】

【医療人として失格だとなじられた】

【周囲の目が急によそよそしくなった】

【毎日、上司から人格を否定するような言葉を投げかけられている】

【接種を拒否することは許されない、との指示書が回ってきた】

 これらはその一部。その“ハラスメント”は、勤務先などの“外”ではなく、“内”でも起こっている。

【祖父母から、孫のために早く打つように言われていて、ノイローゼになりそう】

【会社でワクチンを接種した夫から、強く“打て”と責められる】

【自分は打ちたくないし、もちろん子どもにも打たせたくない。しかし、このままでは子どもが学校でいじめを受けるのではないか】

【授乳中だけれど、接種後、赤ちゃんに本当に影響はないのか正しい情報が知りたい。テレビで言っていることは、あまりに一方的で信用できない】

【自分が感染してしまうと、子どもの面倒を見てくれる人がいない。でも、ワクチンの副作用で何日も寝込んだり、出血が止まらなくなったという人の話も聞いていて、まるで究極の選択を迫られているよう。どうしたらいいかわからない】

副作用のリスクのほうが高い人も
「私のところに届くワクチンに関しての悩みは、1つが“打とうか打たまいか”悩んでいる。出来て間もないワクチンだということは皆さん知っていますから、副作用が心配でどうしたらいいのかわからない。もう1つは、自分は“打たない”と決めているけど、周りからの同調圧力が強くて悩んでいる。これは意外と家庭内のものも少なくありません。あとは授乳中であったり子育て中のママさんから悩みも多いです」(岡田先生)

 ワクチン接種に悩む人に、どのような言葉をかけるのか。

「前提として、医療相談というのは法律的にやってはいけない行為。対面で診察をしていないと判断やアドバイスをしてはいけません。 “ワクチンを打つべきかやべるべきか”という質問に対しては、“どうしなさい”ということは決して言わないことにしています。

 打つことのメリット、打たないことのメリットはそれぞれ自分の体質や環境によってまるで違う。住んでいる市区町村によって感染者数はまったく違う。そういったことをもろもろ考えた上で、打ったほうがプラスになるのか、打たないほうがプラスになるのかは、占いのようなもので、第三者にはわからないこと。

 そのため“ご自分でご判断ください”という言い方に統一しています。メールや電話だけでなく患者さんからも同じようなことを聞かれますが、同じ答えをしています。あくまで法律上任意ですから、第三者が言うべきではないということはご理解くださいと」

 欧米では参考になるような研究やデータが発表されているという。

「8月31日付けで発表されたアメリカの論文があります。“過去にアナフィラキシーを起こしたことがある”、“複数の薬に対してあきらかなアレルギーがある”、“蕁麻疹(じんましん)や喘息など複数の異なるタイプのアレルギー疾患がある”などを満たす429人に、ワクチンを接種してもらい、追跡調査を行ったものです。倫理委員会の許可を取り、もちろん参加者に同意をもらった上でのものです。日本ではこういった研究はまったくと言っていいほどありません。

 この結果2回ワクチンを接種した人の3人にアナフィラキシーが起こった。割合にして0.7%です。これを多いと見るか少ないと見るか……」

 ワクチンの接種に関して、“たまに重症のアナフィラキシーが起こるけど、ごく稀なものだから心配いらない。それよりコロナのほうが怖いでしょ?”という意見・論理の人が多い。

「確かに母数が、“過去にアナフィラキシーの経験がある”というような特殊な人たちなので、そのわりに0.7%は少ないんじゃないかとも言えます。ただ、多いか少ないかは第三者が言うべきことではなく、もしかしたら自分がその1人かもしれない。この試験では、専門医がそばに控え、万全の処置ができる態勢を整えていたことから幸い亡くなった人はいなかったですが、アナフィラキシーとは大変危険な状態です。私はこの数字は多いと考えます。

 コロナの感染は、ほぼ同居家族以外との飲食で起こっていることがわかっています。つまり、それをしていない人の感染リスクは限りなくゼロに近い。一方ワクチンを受けることのリスクは、1つ1つは稀ですが、さまざまなリスクを全部合わせると決して稀ではないことがわかっている。そのリスクと天秤にかけて自分で判断すべきだと思いますが、感染するリスクが極めて低いような人は、ワクチンによる副作用のほうが大きいと考えます」

ワクチン接種は安全と言いきれない
 岡田先生によれば上記とは別の調査で、ワクチンでアナフィラキシーを起こした人は、“過去にも同じ症状があったとは限らない”ことがわかっているという。

「つまり、アナフィラキシーの経験が一度もないのに、起こってしまった人もいるということ。こうなると予測不可能です。ワクチンは個人の判断です。しかし、こういった事実もあり、ワクチン接種は“安全だ”と言いきっちゃいけないのではないかというのが私の意見です。

 また、身体的なリスクもさることながら、人間の行動をものすごく決めつけてしまっているような状況も問題です。ワクチンを打ちたくないという人は、このご時世なかなかその声を上げられません。しかし、私がホームページで海外の研究などの情報を発信していたら、かなりの人からそのような声が届けられました。打たないという“判断”をした人の心が傷つけられたりと、社会の分断が起こっている。

 国などの体制側が一方的な判断を押しつけるようなことは、太平洋戦争以来と言っていいのではないでしょうか。少しでもアレルギー体質などがあってワクチンを受けたくない人は、そう申告すべきであり、それを認めない職場の責任者や担当医は、人命を脅かす罪を負ったことになるのではないでしょうか」

 打つも打たないもその人の自由。しかし、一択しか選べない、その一択を選ばなければ迫害されるような二択は、まったく自由ではないだろう。

 

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あわや「第二の薬害エイズ」! 厚労省の隠蔽体質

2021年11月19日 22時18分00秒 | 医科・歯科・介護

2009/03/15 15:00

PRESIDENT 2009年3月30日号
上 昌広

医療ガバナンス研究所理事長・医師

昨年12月19日、バクスタージャパン社(以下、バクスター)は、骨髄移植に用いるフィルター(商品名:ボーンマロウコレクションキット)が欠品になる可能性をホームページで公開し、営業担当者を通じて全国の医師に通知した。翌日にはこれを読売新聞が報じ、あわてた厚生労働省に呼び出された同社は30日、国内在庫が493個であることを公開。骨髄移植は国内で毎月百数十例が行われており、早ければ2009年3月までに在庫がなくなることが明らかとなった。

写真提供=バクスタージャパン写真提供=バクスタージャパン
骨髄移植は進行した血液がん患者に残された唯一の根治療法だ。患者・家族に強い衝撃が走っただけでなく、厚労省が情報を開示しなかったために、救える命をみすみす失った恐れもあるのだ。

今回の騒動の発端は金融危機だった。「100年に一度」の不況に突入した影響から、ボーンマロウコレクションキットの製造元である米国バクスター社も、事業の大幅な見直し・縮小を迫られた。07年3月、同社は骨髄移植フィルター製造事業部を投資会社に売却。この投資会社は経費節減を目的に、製造工場を人件費の安いドミニカに移した。ところが新会社の経験不足のためかアメリカ食品医薬品局(FDA)への申請が予定より大幅にずれ込み、現時点では生産再開の目処すらたっていない。

ボーンマロウコレクションキットの供給停止は日米とも同じ状況だが、米国では大騒ぎにはなっていない。バイオアクセス社というボルチモアのベンチャー企業がわずかながら製造・販売している同様のキットで代用し、危機的状況を回避しているからだ。

「患者の命」より「制度維持」が優先なのか
供給停止に際し、課題は2つあった。まずバイオアクセス社製のキットの確保。ついで確保したキットを遅滞なく患者のもとに届けることだ。前者については、骨髄移植推進財団が直接交渉し、600個のキットを確保した。問題は後者だ。

その時点でバイオアクセス社のキットは、わが国で未承認であった。最も簡単な解決法は、厚労省保険局が、特例として未承認キットと保険診療の併用を認めることだ。でなければ患者は骨髄移植の費用全額(1000万円程度)を自費負担しなければならず、非現実的だ。ところが保険局は「混合診療禁止」の方針を貫き、解釈を変えなかった。

残された手段は製薬企業による治験だけ。バイオアクセス社には日本法人がないため、厚労省はバクスターに圧力をかけ、ライバル製品を同社が販売する方向で調整した。だが、このような強権的な手法を用いれば医薬品市場のあり方がゆがみ、国際的な信頼を損ねかねない。また審査には日数がかかる。厚労省は「迅速な承認審査」を理由に、特例として書面だけの審査を進めた。結果的には2月26日に申請後1カ月という異例の早さで承認されたが、これでは綱渡りだ。

しかも厚労省は、その結論に至るまでに相当手間取った。複数の部局が責任を押し付け合い、まるで、「患者の命」よりも「自らが創設した制度の維持」を重視しているようだった。せっかくキットが確保できたのに、医療現場に届くまでに随分と時間がかかってしまった。

さらなる問題は、厚労省が患者や医療現場へ全く情報を開示していないことだ。厚労省が初めて公式の場で見解を表明したのは、新聞報道から1カ月以上が経過した、1月23日になってから。しかもこの会見は、「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」の尾辻秀久会長らの訪問を受けた舛添要一厚労大臣が主導したもので、官僚が自発的に動いたわけではない。

厚労省が黙だんまりを決め込んでいた間、メディアや患者に情報を伝えていたのは骨髄移植推進財団と日本造血細胞移植学会だった。しかしながら両者の発表には現場の不安を和らげる効果はなかった。具体的な供給方法は明示されず、「行政と連携しながら問題解決を目指している」という抽象的な内容に終始したからだ。

余談だが、骨髄移植推進財団は厚労省の外郭団体であり、唯一の常任理事は厚労省の天下りキャリア官僚だ。また学会も、研究費の配分や政府委員会の人選を通じて厚労省にコントロールされているのは有名な話である。

厚労省の迷走ぶりは目に余る。2月10日発売の「女性自身」は、3月に予定されている骨髄移植のフィルターが手配できていないこと、2月の骨髄移植が例年より減少していることを報じた。骨髄移植推進財団は2月13日のマンスリーリポートで、記事に反応するように、「移植件数の減少はフィルター供給の影響ではない」と主張。厚労省を弁護した。

2月17日の閣議後記者会見では、舛添大臣が「骨髄移植予定件数とキットの確認状況」に関する資料を配布。在庫数のデータが初めて公表された。これは関係者が当初から知りたがっていた情報だ。メディアが騒いだ途端に情報を出す厚労省の姿勢にはあきれるばかりだ。

この事態は示唆に富む。冒頭でも触れたとおり、厚労省が情報を開示しないために、救える命をみすみす失った恐れがあるのだ。2月の移植件数の減少の原因は、フィルターの確保が不透明であるために、多くの医師が2月の移植を延期したと考えるのが妥当だろう。骨髄移植を受ける患者は進行したがん患者だ。この1カ月が生死を分けたかもしれない。

 

 


ワクチン接種に「選択の自由を」 薬害被害者、厚労相に要望

2021年11月19日 22時03分18秒 | 医科・歯科・介護

8/24(火) 18:23配信 共同通信

薬害の再発防止をうたう「誓いの碑」の前で田村厚労相(右)に要望書を手渡す全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍代表世話人=24日午後、厚労省

 全国薬害被害者団体連絡協議会は24日、新型コロナワクチンに関し、接種後の死亡や心筋炎などの症例が報告されているとして「危険性の情報を分かりやすく国民に提供し、接種するかどうかを選択する自由を保障してほしい」などと求める要望書を田村憲久厚生労働相に出した。

 要望書では、若者に心筋炎が起こりやすく、重大なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックも多数報告されているとして、子どもや若者への接種を推奨しないよう求めた。

 厚労省によると、アナフィラキシーは既に300件以上が確認され、他に40代未満の男性を中心に心筋炎や心膜炎の症状も報告されている。

 


すぐそばにある薬害問題。「薬害根絶デー」に考える薬害被害について

2021年11月19日 22時03分18秒 | 医科・歯科・介護

newsmedia
OTEMON VIEW編集部 

こころとからだ

蘭 由岐子 (あららぎ ゆきこ)
追手門学院大学 社会学部 社会学科
教授 博士(学術)

8月24日は「薬害根絶デー」です。昨年は、全国薬害被害者団体連絡協議会から厚労省へ、子宮頸がんワクチンの副作用についての調査や薬剤師の役割強化を求める内容の要望書が提出されるなど、薬害被害防止に向けた取り組みが実施されました。

そもそも、「薬害」とは一体どのような被害なのか。そして、私たちは薬害問題とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
今回は、薬害エイズの薬害被害者や遺族、処方した医師を実際にインタビュー調査し、多面的に研究されている社会学部の蘭由岐子先生に話を聞きました。

「薬害根絶デー」ができるまでの背景
(編集部)8月24日は「薬害根絶デー」ですが、この日が制定された背景を教えてください。

(蘭先生)1999年8月24日に厚生労働省前庭に薬害根絶「誓いの碑」が建立されたことが機になって、8月24日が「薬害根絶デー」となりました。

この碑は、患者・遺族が受けた薬害被害を、個人の苦しみや哀しみに終わらせるのではなく、社会的な痛み、人類の教訓として、薬害根絶につなげてほしいという被害者の願いから建てられたものです。

そもそもは、1996年に「薬害エイズ訴訟」が和解したとき、遺族たちは慰霊碑ではなく、「国は二度と悲惨な薬害を起こさないことを国民に対して誓う薬害根絶の碑を建ててほしい」と要求し、粘り強い交渉の結果建てられたものです。

(参考:薬害エイズ資料館「きみの歩いた道」https://www.osakayakugaihiv.org/)

毎年8月24日の「薬害根絶デー」には、薬被連(※1)が薬害根絶「誓いの碑」の前で薬害根絶を誓い、厚生労働省及び文部科学省と交渉を行います。将来、子どもたちを薬害の被害者にも加害者にもしないために、義務教育および医療専門職養成課程での「薬害教育」を進めるよう求めています。

(※1)全国薬害被害者団体連絡協議会の略称。薬害根絶を訴えて、毎年、厚生労働省や文部科学省と交渉するほか、薬害教育の講師を大学等に派遣する事業なども行っている。

そもそも「薬害」とは?
(編集部)そもそも「薬害」はなぜ起こるのでしょうか?

(蘭先生)「薬害」を広い意味でとらえると、「医薬品を使った際にもたらされる有効性よりも、有害性が上回った場合の問題状況」をいいます。

行政や企業の過失による健康被害は、薬害事件という社会問題に発展します。また、保健医療社会学の観点では、健康被害のみならず、周囲からの偏見や差別といった生活全般にわたる被害も薬害になります。

カタカナで「クスリ」と書いてそれを逆さに読むと「リスク」になるとはよく言われています。どんな薬にも副作用があり、そこから薬害が起こる危険性があるということです。

薬害被害者の苦痛と医師側の責任とは?

薬害被害者が望むこと
(編集部)薬害による被害者の身体的負担、精神的苦痛とはどのようなものでしょうか?

(蘭先生)「薬害」と一言で表しても、病名も症状も被害者によって異なりますが、いずれも何らかの健康被害がもたらされ、今までの生活が困難になります。

1960年代初頭、妊娠初期に市販もしくは医師の処方をうけた睡眠薬や胃腸薬を服用したことで障害児が生まれた「サリドマイド薬害」(※2)では、四肢や耳、さらには内臓の障害が報告されました。

下痢止めの薬として用いられたキノホルムが原因の「薬害スモン」(※3)では、歩行困難や目が見えなくなるなどの薬害被害が確認されました。日常生活を困難にする障害を持った被害者とその家族は、大きな身体的負担の上に、周囲からの差別的なまなざしに精神的苦痛を深く感じました。

近年では、1980年代後半の「エイズ・パニック」(※4)以降、薬害エイズ(※5)患者の精神的苦痛が増大したほか、2000年代に起きた「子宮頸がんワクチン薬害」では、被害を受けた少女たちが症状を訴えても、医師から「詐病」扱いされるという事態も発生しました。

多くは自らの身にもたらされた健康被害を訴え、その被害からの回復のための補償を得るべく、国や企業に訴訟を提起しています。

しかし、その健康被害は、なかなか回復するものではありません。彼らが本当に望むのは、被害は自分たちで最後にしてほしい、もう二度と薬害は起こしてほしくないということに尽きると思います。

(※2)1950年代末~60年代初、サリドマイドという医薬品の副作用により、世界で約1万人の胎児が被害を受けた薬害事件。この薬には、妊娠初期に服用すると胎児の発達を阻害する副作用があり、被害児の多くは死産等で命を奪われ、あるいは四肢、聴覚、内臓などに障害を負って生まれた。
(※3)1955年頃から、整腸剤キノホルムを服用することによる神経障害患者が多数発生した薬害事件。薬の副作用で中枢神経が麻痺し、歩行困難や失明となる患者が相次いだ。

患者の多くは、1960年代特に後半、日本国内でのみ異常に多く(1万人以上)発生し、当時は感染説やウイルス説が流布され、患者と家族は差別に苦しんだ。
(※4)1980年代後半、日本で初めての女性エイズ患者が神戸市で確認されたという報道を受けて起きた、デマや口コミによるパニック。

当時、エイズは同性間の性交渉で感染するといわれていたため、同性愛者ではない患者が出たことが分かり、感染を疑った人たちからの電話が保健所や医療機関に殺到した。
(※5)1980年代、血友病患者に対し、加熱処理をせずウイルスの不活性化を行わなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した事件。日本では国や製薬企業の不作為により血友病患者の約4割にあたる約1500名がHIVに感染した。

医師側の責任と苦悩
(編集部)薬害エイズ問題に関し、先生は薬を投薬した医師に何度もインタビューをされていますが、医師側はどうだったのでしょうか。

(蘭先生)医師が裁判の被告になることはなかったものの、当時のマスコミ報道は医師を悪者扱いしました。

薬害エイズは、血友病(止血に必要な凝固因子が不足しているため、出血した場合に止まりにくい病気)患者の治療に使用する血液製剤の中にエイズウイルス(HIV)が混入していたことによる薬害被害です。

当然、医師がその薬の投与を担ったという点で「道義的責任」があったことは間違いありません。

しかし、エイズという病気が発生した当時、それは原因もわからない「未知の病気」だったのです。

そのような状況下で新しい病気の危険性を模索しつつ、医師は目の前の患者さんの症状をやわらげ、痛みをとること、脳内出血のような死に至る要素をとりのぞくことに注力しました。

当時、エイズを根本的に治す薬は存在せず、医師は治療法がない病気については患者に伝えないことが一般的でした。

地域によっては、検査の結果を患者には言ってはならないとする箝口令をしいたところもあり、二次感染の点からすれば誤った決断をした医師たちもいました。血友病の患者が手の施しようのない病気にかかっているとわかったとき、カウンセリングという手法を試みた医師たちもいました。

その過程で、医師たちは治癒することのない新しいウイルスとの戦いに、患者との関わり方を見つめ直す機会を得ることになりました。なお、現在は、HIVに感染していても服薬でエイズの発症が予防できるようになっていることを申し添えておきます。

薬害という社会問題について語るとき、被害者の身体的・精神的苦痛があることはもちろんのことですが、医師側にもさまざまな苦悩や葛藤があったことがわかります。

コロナ予防のワクチンと私たちにできること

(写真:PIXTA)
新薬のリスクと補償
(編集部)新型コロナウイルスのワクチン開発が注目されています。現在、国がおこなっている薬害防止の取り組みや制度改正にはどのようなものがあるのでしょうか?

(蘭先生)新型コロナウイルス感染症に関しては、同じく未知の病気であったエイズのときとは比べものにならないほどのスピードでウイルスや病気の実態が明らかにされています。世界中の英知が集められて研究が推進されていることを実感します。

ついこの前までワクチンの開発には少なくとも2年はかかると言われていましたが、来年早々にも実用化されるというニュースも飛び込んできました。くれぐれも安全性を万全にしてからの導入を望みたいところですが、薬には副作用がつきものです。新薬のため、これまでにない薬害のリスクがある可能性も否定できません。さらにいえば、これまでに積み上げられてきた安全な薬を承認する仕組みが、新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンについては緊急性ゆえに適用されていない状況があります。果たして、これは望ましいことなのでしょうか。

ワクチンのような予防接種については、「予防接種健康被害救済制度」が設けられています。今回の新型コロナウイルス感染予防ワクチンに関しては、実用化後に副反応の被害をめぐって訴訟が起きた場合、国が製薬企業の訴訟費用や賠償金を肩代わりするという法整備へ向けた動きも見られます。医薬品については「医薬品副作用被害救済制度」が設けられており、国は、一応、薬害被害への補償の仕組みを準備してはいます。

医師との対話でリスクを抑える
(編集部)薬害問題に対し、私たちはどう向き合っていくべきでしょうか?

(蘭先生)「クスリはリスク」とお話した通り、医薬品は危険性を含んでいるということを前提に、用法・用量を守り、適切に使うことが必要だと思います。

とはいえ、薬の世界は専門性が高く、素人である私たち患者が薬の効果や起こりうる副作用を完全に把握することはできません。そのため、専門家である薬剤師、医師に相談することが必要不可欠です。

ただ、どの専門家であってもすべての薬に通じる人はいませんし、新薬であればあるほど未知のリスクがある可能性も否定できません。要は、患者は基本的な薬に関する知識を身につけた上で、使用時の体調異変をモニターし、わからないことや不安なことを率直に医師や薬剤師に聞くこと。そして、双方が対話することが最も重要であると思います。

薬を使わないで生きていくことがむずかしい今日、私たちも被害にあう可能性があります。過去の薬害被害を受けた人たちの経験や生活に目を向けることが必要ではないでしょうか。

まとめ
コロナウイルスが猛威を振るっている今、ワクチンの実用化を心待ちにしている人も多いはずです。しかし、蘭先生が話すように、薬には必ずリスクが伴います。まずはしっかりと薬のことを理解し、専門家である医師との対話を通して、薬を服用・接種する際の正しい判断を心がけたいですね。

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プロフィール
蘭 由岐子
蘭 由岐子 (あららぎ ゆきこ)
追手門学院大学 社会学部 社会学科
教授 博士(学術)
専門:社会学、医療、病い、社会問題
2005年~ 神戸市看護大学 看護学部看護学科 助教授・准教授

2012年~ 追手門学院大学 社会学部 社会学科 教授

2014年~ 現追手門学院大学 大学院 現代社会文化研究科 現代社会学専攻 教授 

主な著書に『「病いの経験」を聞き取る―ハンセン病者のライフヒストリー[新版]』(単著、生活書院、2017)、『医師と患者のライフストーリー―輸入血液製剤によるHIV感染問題調査研究 最終報告書』(分担執筆、ネットワーク医療と人権、2009)、『薬害と現代社会』(分担執筆、ミネルヴァ書房、近刊)など


自分から積極的に働きかける人間関係

2021年11月19日 13時56分24秒 | 新聞を読もう

▼「察し型」では話は通じにくい。
「表現型」「発信型」「分からせ型」への移行が早期に求められている。
今の時代に求められている姿の基本は、結果をいたずらに先取りせず「自分から積極的に働き掛ける」というものだ。
しかし、初対面や苦手な人と話したり聞いたりするときは、誰でも勇気が要るものだ。
▼「心配からは何も生まれない」
「勇気は言う気」なのだ。
そして、忘れてはならないのは、最初から人と接する自信がある人は存在しないということだ。
「勇気は自信に先行する」という言葉がある。
▼自分が変えていことと違う反応や結果が出たときこそ、一歩でも踏み出して確認し、質問するチャンスと受け取りたいものだ。
▼対人関係の「心配からは何も生まれない!」
「勇気は言う気!」と自分に言い聞かせたいものだ。


自分から積極的に働きかける人間関係

2021年11月19日 13時56分24秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼「察し型」では話は通じにくい。
「表現型」「発信型」「分からせ型」への移行が早期に求められている。
今の時代に求められている姿の基本は、結果をいたずらに先取りせず「自分から積極的に働き掛ける」というものだ。
しかし、初対面や苦手な人と話したり聞いたりするときは、誰でも勇気が要るものだ。
▼「心配からは何も生まれない」
「勇気は言う気」なのだ。
そして、忘れてはならないのは、最初から人と接する自信がある人は存在しないということだ。
「勇気は自信に先行する」という言葉がある。
▼自分が変えたいことと違う反応や結果が出たときこそ、一歩でも踏み出して確認し、質問するチャンスと受け取りたいものだ。
▼対人関係の「心配からは何も生まれない!」
「勇気は言う気!」と自分に言い聞かせたいものだ。


性 虐待そのあと・親から離れた私の願い

2021年11月19日 13時56分24秒 | 新聞を読もう

見えない傷/上 知られたくない でも気づいて

言えなかった義父からの「性被害」
 

毎日新聞 2021/11/18 東京朝刊 

女性は中学時代の大半を精神科病院と児童心理治療施設の中で過ごした=2021年3月、内藤絵美撮影

性的虐待から逃れて児童相談所に保護された中学1年の少女は、職員の対応に恐怖を覚え、心を閉ざしてしまった――。2020年度に全国の児相が認知した虐待のうち、性的虐待は約1%にあたる約2300件。この数字は全体像ではない。被害を打ち明けられない子どもがいるからだ。

 ●義父に奪われた声

 20歳になったその女性は、東日本の大学に通い、医師を目指している。今年3月、待ち合わせ場所で記者と顔を合わせるなり、無言でスマートフォンに文字を打ち込んだ。

 

 


後悔とは向上の異名

2021年11月19日 13時25分19秒 | その気になる言葉

▼充実して生きる人と後悔ばかりの人がいる。
その差はどこからくるのか。
▼人は良い事と悪い事を同じくらい人生で経験しているが、悪い出来事の捉え方が違っていた。
自身の人生に納得していない人は、悪い出来事としか思っていない。
反対に良い人生を送った人は、悪い出来事があったらこそ「人の温かみを知った」「弱い立場の人の気持ちがわかるようになった」などと人生を肯定的に捉えていたのだ。
▼「過去の成功や失敗が問題なのではなく、それを解釈する現在の自分がどうであるのか、言い換えれば自分が今をどう生きるか、それが重要なのです」心理学博士の榎本博明さんが述べている。

▼後悔そのものは悪いことではない。
大事なのは、後悔の後、どうするか。
自分の弱さに負け、あきらめるのか。
「次はこうしよう」と向上へのバネにするか。

人生は後悔の連続であっても、後悔と挑戦を繰り返す人生でありたいものだ。


創作 サラ金地獄 3

2021年11月19日 10時31分39秒 | 創作欄

サラ金の50万円の借金のうち、5万円は、馬券が的中し、1週間で返済できた。
「うまくゆくな」と島田真治は調子に乗ってしまう。
だが、競馬の負けが込んできて、45万円のサラ金の借金が38万円に減るまで、6か月余りもかった。
この間の金利は15万円ほど。
つまり45万円の借金のために、23万円くらい払ったことになる。
利子がなければ22万円の残金であるはずだが、まだ38万円の借金である。
「何と高い利子を払い続けてきたのか!」とため息をつく。
利子は日割り1775円であろうか。計算に弱い島田だから、そんな高利に甘んじていたのだ。
重い足取りになって水道橋駅を降りると目の前の、ド派手な赤い看板を見上げる。
それは悪夢そのものに見える。
駅に隣接するピルの3階にそのサラ金があったのだ。
午前10時にサラ金から電話が入る。
「島田さんに、ワールドの峯田さんからお電話よ」女子事務員の香川咲月の明るい声が実に皮肉に聞こえた。
島田は屈辱を抑えて、電話に出た。
「ハイ、島田ですが・・・」
「島田様ですね。だいぶ、支払いが遅れてますが、今日はおいでください。12万円までの枠がありますから、利子の方もグーントお安くなっております」と言う。
「ちくしょう!サラ金の奴、何で別の社名を使う配慮がないのか」島田は怒りが込み上げてきた。
耳を赤く染めて歯ぎしりをする。
狭い事務所のことだ。
島田がサラ金を利用していることを社内に明かされてしまう。
「ワールドて何?」と新入社員の小坂真実(まみ)が古参(45歳)社員の菅田みよ子に聞いていた。
「水道橋駅の近くにあるでしょ。あれよ」みよ子は皮肉な笑みを浮かべる。
この会話は、島田がトイレ内で怒りをしずめている間のものだった。
やけくそ気味になった島田は、その日、金利が払えず、再度、誘いにのって追加の融資をうけたことで、38万円の借金が45万円に逆戻りする。
「病気といつまでも、たわむれてはいけない。絶対に健康になって、社会のために役立つのだという強い一念が大切です」師の教えがよみがえる。
競馬狂という現代病が癒えない島田は師の諭(さとし)が痛く胸に刺さった。
一方、ファッションマッサージなど、当時流行のポルノ産業が蔓延しているなかで、22歳の身近な女が「月100万円は欲しいの。1年続けて、あとは普通の生活に戻るつもりよ」と胸を張るのである。
「詩織(しおり)には、女の武器あっていいな」それは金に窮した島田の本音だった。
島田と詩織と出会ったのは、神田駅ガード下のバー「パドック」だった。
ママが競馬好きで、客の大半が競馬狂。
店の壁には、馬の蹄鉄が星の形で3個掲げてあった。
鞭も2本V字形に。
詩織は半年でバーを辞めて、ファッションマッサージ嬢に変身したのだ。
24歳の島田は、32歳のママの加奈に惚れこむんだが、「私など、相手にしたら、島田さんが腐ってしまうわ」と体よくかわされていた。