日本統治下の台湾先住民蜂起「霧社事件」から90年 許しても、忘れぬ 傷抱える子孫、伝承へ歩み

2020年12月01日 06時56分06秒 | 事件・事故

毎日新聞2020年11月30日 東京朝刊

マホン・パワンさん。後方は映画「セデック・バレ」に出演した時の様子。セデック族はかつて、成人の証しとして顔に入れ墨を施す習慣があった=台湾中部・南投県仁愛郷で10月、福岡静哉撮影
 日本統治時代の台湾で1930年10月、中部のある集落で先住民が抗日を訴えて蜂起する「霧社事件」が起きた。約1000人もの犠牲者を出し、日本統治時代に起きた先住民による最も大規模な抗日事件といわれる。それから90年が過ぎた。子孫たちは今、事件そのものや日本に対してどんな思いを抱いているのか。現場を訪ねた。【南投県(台湾中部)で福岡静哉】

 ♪私の夫よ あなたと共に行くべきだった 残された子供たちと 耐え忍ぶしかない 私はとてもつらい

「許してもいい。忘れてはならない」
セデック族には「恨む」という概念がない。
このため清流では、誰一人として「日本人を恨め」とは教えていないのだという。

「歴史の中で起きたことにとどまり続けるのではなく、未来を見据えることが大切だ。同時に、先祖っちが勇敢に抵抗し、耐え忍び、生き残ったことも忘れてはならない」


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