(10:47 ~ 11:06 厚生労働省内会見室)
【広報室】
会見の詳細
《閣議等について》
(大臣)
おはようございます。私の方からは2点ございます。まず、抗菌薬などが効かなくなる薬剤耐性、いわゆるAMRの問題について御報告したいと思います。
近年、薬剤耐性、いわゆるAMRが我が国をはじめ世界的に広がっている一方で、新たな抗菌薬の研究開発は停滞しております。このままではこの問題が、公衆衛生上の重大な危機となるとの国際的な認識が高まっており、今年5月のWHO(世界保健機関)の総会においては、薬剤耐性に関するグローバルアクションプランを採択いたしました。加盟国ごとにアクションプランの策定を求めたのがWHOの総会での採択でございました。
また、今年6月のドイツのエルマウ・サミットの際にもWHOの方針が確認され、10月のベルリンでのG7保健大臣会合でも、さらに深い議論がなされたところでございます。薬剤耐性対策は、厚生労働省のみならず、いわゆるワンヘルスアプローチの視点に基づいて、農水省をはじめとした他省庁と連携し、政府一丸となって取り組む必要があるわけでして、この度、内閣官房に薬剤耐性に関する検討調整会議を設けることにいたしました。この会議で、精力的な議論を行い、年度内に薬剤耐性対策に関する我が国のアクションプランをとりまとめてまいりたいと思います。 また、来年4月15、16日に薬剤耐性に関するアジア太平洋地域閣僚会合を、WHOと連携して開催することとしておりまして、来年5月の伊勢志摩でのG7サミットにおいても、我が国が議長国としてリーダーシップを取りながら、薬剤耐性の問題を議論してまいりたいと考えているところでございます。
次に、化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)の問題でございます。今回の化血研の事件は、長期にわたり、また、周到な組織的欺罔(ぎもう)・隠蔽行為によるものでございまして、薬事制度の根幹を揺るがす事態であり、医薬品に対する国民の信頼を失墜させるものでありました。事務方には、私から厳正な対処を指示しております。
まず、昨日、事務方より、化血研に対して、本事案の原因及び責任の所在を徹底解明しつつ、組織形態の変更等を含めたガバナンス体制、コンプライアンス体制の抜本的見直しを検討するよう求めたところでございます。同時に、化血研が製造しております血液製剤、ワクチンは、国民の健康確保や医療に不可欠なものもありまして、こうした血液製剤、ワクチンについては、品質、安全性等を勘案した上で、現場の製造事業自体は適切に継続・実施できるように、あわせて対処させるよう、事務方に指示を私から行ったところでございます。また、今般の化血研における事案を契機として明らかになった、血液製剤、ワクチンの安定的な供給に関する課題に対処するために、ワクチン・血液製剤産業のあり方を含めた抜本的な対応を検討するとともに、事務次官を本部長といたします「ワクチン・血液製剤産業タスクフォース」、これは仮称でありますが、このタスクフォースを立ち上げて、省を挙げて今後の対応を検討していくことといたしました。このタスクフォースは、副本部長に医政局長、健康局長、医薬・生活衛生局長を充てたいと思っております。ワクチン等の供給及び安全性について、国民、医療現場での不安を解消すべく、万全を図ってまいりたいと思っているところでございます。以上、私からの御報告でございました。
《質疑》
(記者)
児童扶養手当についてうかがいます。一億総活躍の緊急対策で児童手当の機能の充実を図ると明記されました。一部報道で、第二子以降の支給額を倍増するというものがありましたが、現在の検討状況と児童扶養手当増額の意義について教えてください。
(大臣)
一億総活躍国民会議のまとめの中で、児童扶養手当も対象として検討することは決められたわけでありますけれども、支給額を引き上げる方針の中身自体を決定したという事実はございません。ひとり親家庭の支援について、年末に政策パッケージをまとめるということは、総理からの指示でもございまして、それに向けて就労支援や現金給付など様々な支援策を今検討しておりまして、児童扶養手当の拡充、額の引上げについても、財源確保を含めて、引き続き検討を進めてまいるというスタンスでございます。
(記者)
「(女性の活躍促進に向けた)配偶者手当の在り方に関する検討会」が今日から始まりました。民間企業の配偶者手当は労使間で決定するという性質上、政府がどこまで提言できるかということが注目されていますが、この検討会の意義を改めて教えてください。
(大臣)
以前にも申し上げましたけれども、中立的な働き方、男性、女性が同じように働けるようにしていくために、配偶者手当というものをどう考えるのかを御検討いただくということを民間の方々にお願いするということでありまして、民間企業がお決めになる手当でありますので、よく議論をしていただいてお決めいただきたいと思います。これから子育てと仕事の両立をちゃんと図っていくことができるようにするためにはどうしたらいいのかということで、働き方を考えるという意味において、手当についてもしっかりと御議論いただくということが大事なのではないかと思います。就労抑制が起きるというときに、国の制度だけではなくて、民間の手当がほぼ国の130万、106万、103万とよく言われていましたが、このようないわゆる「壁」を、民間の方も作っていることもあるということでありますので、それについてよく御議論いただいて、御判断いただければありがたいと思いますが、政府としての方向性も十分考慮に入れた上で、御議論とその結論を出していただきたいと思います。
(記者)
今日、今年の漢字が発表されるんですが、大臣にとって今年を表す漢字と、その理由をお願いします。
(大臣)
急に言われても、次までに考えます。
(記者)
先ほどの化血研の関係でいくつか関連なんですが、ワクチンと血液製剤の産業のあり方を見直すということだったんですけれども、今回の第三者委員会でも業界のシェアの高さが不正の背景にあったというような見方を示していますけれども、大臣御自身はワクチンと血液製剤の産業の、今寡占状態にあるわけですけれども、そういう状況と今回の不正との関係についてどのようにお考えですか。
(大臣)
今回、さっき申し上げたように「ワクチン・血液製剤産業タスクフォース」というのを設けようということにしておりまして、事務次官をヘッド、そして三局長を副本部長とするということでありますが、当然、私どもとしてはアドバイザー的に、役所の人以外にも入っていただこうと考えております。それは、やはり今回御指摘がいくつかありましたけれども、ワクチン、血液製剤の産業は特色があるところがあって、寡占という話がありましたけれども、私たちにとって大事なのは、ワクチンにしても血液製剤にしても安定的にきちっと供給される体制が何が起きても、つまりパンデミックが起きても大丈夫なようにしておくということです。今、一つのメーカーしか作っていないワクチンもありますし、そういうことも含めて私たちは考えないといけないと思いますし、今回のようなことが起きる余地というのは一体なんだろうか、つまりガバナンスもコンプライアンスも利かないということをどう考えるのか、それは産業なのか、個々の会社なのか、それからワクチン、血液製剤の有効性とか安全性の確保をどうやっていくのかということ、それから安定供給の確保に加えて、一部の血液製剤や抗毒素など使用が限定される製剤の取扱いというようなものが専門的にいくつかございます。さらに善意の献血に基づく血液製剤に関して、国内自給の原則というのもあります。適正使用の推進が求められるわけでありますので、これが供給として安定的になされるかどうかということについても考えなければいけませんし、ワクチンはいろいろあって、ワクチンの産業自体があまり大きくない、これで国民を守ることはできるのかということもありまして、予防接種法上の予防接種については、公費の投入が行われて接種が行われるので、やはり手頃な価格で、そして安定的に供給されなければならないし、危機管理の観点から緊急的な確保もしなければいけない。それから国際展開をどう考えるのか。もちろん、大きなメーカーでやっているのは外国のメーカーの例でありまして、日本は大変規模が小さいところがやっているということで、国民の命を守りきることができ、なおかつ国際的にも貢献できるようになるのかというようなこと、様々ありますので、こういったところでしっかりと議論してもらって、省内的にも考え方を整理していくことが大事だと思っています。
(記者)
来年の通常国会に提出される予定の児童福祉法の改正案について、おうかがいします。大臣は先日京都の視察の時にも発言されているように、児童福祉法の改正は子どもの貧困対策の一環としてとらえられていらっしゃるようなんですけれども、今回の改正は児童虐待防止法と一緒に改正することで、主に虐待の防止とか、虐待を受けた子どもの保護、養育の強化というのがメインになっています。子どもの貧困対策、虐待対策というのは直接結びつかないような気がするんですけれども、大臣の中ではどういう整理になっていらっしゃるんでしょうか。
(大臣)
これはいくつかの例を見ればすぐ分かりますけれども、やはりひとり親の方の、言ってみれば貧困の中で、こういった虐待事案が起きていることは頻繁に起きているわけであります。親による適切な養育を受けられないというのが何によってもたらされるのかということの中に、ひとり親の貧困状態というのがあり得るわけでありますので、それは密接に関連していることがあるということだと私は認識しているわけであります。いずれにしても、親による適切な養育を受けられないという子どもたちを社会全体としてどう守っていくのか、あるいはそういう養育を受ける権利を子どもが持つべきであるにも関わらず、それが提供されないということについてどう考えるのかということで、それについて法案の提出を見通しつつ、検討を深めているというところでございます。もちろん、今回の新・三本の矢の第二番目の中には、総理の指示の中にも、虐待、そしてまた子どもの貧困ということも明確に触れていたと思っております。今、専門委員会で支援を要する子どもたち、あるいはいわゆる「特定妊婦」と呼ばれている妊産婦の方々への支援、親子関係の再統合の支援、あるいは児童養護施設を卒業した後の児童の、子どもたちの自立支援、そういうようなことをしっかり議論していただいているわけでありまして、この取組による家庭における養育環境の向上、あるいは児童の自立に向けた支援というのは、子どもの貧困対策にも資すると思っていますので、密接につながるケースが多々あるという認識でございます。
(記者)
化血研の問題で、組織体制の変更を含めた、ということなんですが、ガバナンスが働くためには、例えば外部の目が入るような、理事会で決まらない、例えば株主が入るような形もあり得ると思うんですが、大臣は現段階でどのようにお考えかをお聞かせください。
(大臣)
どういう組織形態でやることがコンプライアンスとガバナンスをしっかりさせることにつながるのかということを考えてもらいたいというのは、今回コンプライアンス意識も極めて希薄、存在しなかったというくらい組織的に厚労省を騙してきたわけでありますから、そういうことがあるわけで、ガバナンスも利かない。この原因はどこにあったのかということを徹底的に考えてもらう中で、このコンプライアンス体制、ガバナンス体制の強化というものが見えてくるのだろうと思いますので、一般財団法人である現在の組織のコンプライアンス、ガバナンス体制をやっぱり見直すことがまず第一歩であると思いますので、血液製剤、ワクチン等の安定供給、安全性についても国民が不安を持たないような体制をどうするかということをよく考えてもらいたいということを事務方から行政指導として伝えた、こういうことでございますので、何が良いのかということは、それはこれからの議論でありますし、当然厚生労働省とは緊密に情報を提供しながら検討を進めるようという指示もしているところでございます。
【広報室】
会見の詳細
《閣議等について》
(大臣)
おはようございます。私の方からは2点ございます。まず、抗菌薬などが効かなくなる薬剤耐性、いわゆるAMRの問題について御報告したいと思います。
近年、薬剤耐性、いわゆるAMRが我が国をはじめ世界的に広がっている一方で、新たな抗菌薬の研究開発は停滞しております。このままではこの問題が、公衆衛生上の重大な危機となるとの国際的な認識が高まっており、今年5月のWHO(世界保健機関)の総会においては、薬剤耐性に関するグローバルアクションプランを採択いたしました。加盟国ごとにアクションプランの策定を求めたのがWHOの総会での採択でございました。
また、今年6月のドイツのエルマウ・サミットの際にもWHOの方針が確認され、10月のベルリンでのG7保健大臣会合でも、さらに深い議論がなされたところでございます。薬剤耐性対策は、厚生労働省のみならず、いわゆるワンヘルスアプローチの視点に基づいて、農水省をはじめとした他省庁と連携し、政府一丸となって取り組む必要があるわけでして、この度、内閣官房に薬剤耐性に関する検討調整会議を設けることにいたしました。この会議で、精力的な議論を行い、年度内に薬剤耐性対策に関する我が国のアクションプランをとりまとめてまいりたいと思います。 また、来年4月15、16日に薬剤耐性に関するアジア太平洋地域閣僚会合を、WHOと連携して開催することとしておりまして、来年5月の伊勢志摩でのG7サミットにおいても、我が国が議長国としてリーダーシップを取りながら、薬剤耐性の問題を議論してまいりたいと考えているところでございます。
次に、化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)の問題でございます。今回の化血研の事件は、長期にわたり、また、周到な組織的欺罔(ぎもう)・隠蔽行為によるものでございまして、薬事制度の根幹を揺るがす事態であり、医薬品に対する国民の信頼を失墜させるものでありました。事務方には、私から厳正な対処を指示しております。
まず、昨日、事務方より、化血研に対して、本事案の原因及び責任の所在を徹底解明しつつ、組織形態の変更等を含めたガバナンス体制、コンプライアンス体制の抜本的見直しを検討するよう求めたところでございます。同時に、化血研が製造しております血液製剤、ワクチンは、国民の健康確保や医療に不可欠なものもありまして、こうした血液製剤、ワクチンについては、品質、安全性等を勘案した上で、現場の製造事業自体は適切に継続・実施できるように、あわせて対処させるよう、事務方に指示を私から行ったところでございます。また、今般の化血研における事案を契機として明らかになった、血液製剤、ワクチンの安定的な供給に関する課題に対処するために、ワクチン・血液製剤産業のあり方を含めた抜本的な対応を検討するとともに、事務次官を本部長といたします「ワクチン・血液製剤産業タスクフォース」、これは仮称でありますが、このタスクフォースを立ち上げて、省を挙げて今後の対応を検討していくことといたしました。このタスクフォースは、副本部長に医政局長、健康局長、医薬・生活衛生局長を充てたいと思っております。ワクチン等の供給及び安全性について、国民、医療現場での不安を解消すべく、万全を図ってまいりたいと思っているところでございます。以上、私からの御報告でございました。
《質疑》
(記者)
児童扶養手当についてうかがいます。一億総活躍の緊急対策で児童手当の機能の充実を図ると明記されました。一部報道で、第二子以降の支給額を倍増するというものがありましたが、現在の検討状況と児童扶養手当増額の意義について教えてください。
(大臣)
一億総活躍国民会議のまとめの中で、児童扶養手当も対象として検討することは決められたわけでありますけれども、支給額を引き上げる方針の中身自体を決定したという事実はございません。ひとり親家庭の支援について、年末に政策パッケージをまとめるということは、総理からの指示でもございまして、それに向けて就労支援や現金給付など様々な支援策を今検討しておりまして、児童扶養手当の拡充、額の引上げについても、財源確保を含めて、引き続き検討を進めてまいるというスタンスでございます。
(記者)
「(女性の活躍促進に向けた)配偶者手当の在り方に関する検討会」が今日から始まりました。民間企業の配偶者手当は労使間で決定するという性質上、政府がどこまで提言できるかということが注目されていますが、この検討会の意義を改めて教えてください。
(大臣)
以前にも申し上げましたけれども、中立的な働き方、男性、女性が同じように働けるようにしていくために、配偶者手当というものをどう考えるのかを御検討いただくということを民間の方々にお願いするということでありまして、民間企業がお決めになる手当でありますので、よく議論をしていただいてお決めいただきたいと思います。これから子育てと仕事の両立をちゃんと図っていくことができるようにするためにはどうしたらいいのかということで、働き方を考えるという意味において、手当についてもしっかりと御議論いただくということが大事なのではないかと思います。就労抑制が起きるというときに、国の制度だけではなくて、民間の手当がほぼ国の130万、106万、103万とよく言われていましたが、このようないわゆる「壁」を、民間の方も作っていることもあるということでありますので、それについてよく御議論いただいて、御判断いただければありがたいと思いますが、政府としての方向性も十分考慮に入れた上で、御議論とその結論を出していただきたいと思います。
(記者)
今日、今年の漢字が発表されるんですが、大臣にとって今年を表す漢字と、その理由をお願いします。
(大臣)
急に言われても、次までに考えます。
(記者)
先ほどの化血研の関係でいくつか関連なんですが、ワクチンと血液製剤の産業のあり方を見直すということだったんですけれども、今回の第三者委員会でも業界のシェアの高さが不正の背景にあったというような見方を示していますけれども、大臣御自身はワクチンと血液製剤の産業の、今寡占状態にあるわけですけれども、そういう状況と今回の不正との関係についてどのようにお考えですか。
(大臣)
今回、さっき申し上げたように「ワクチン・血液製剤産業タスクフォース」というのを設けようということにしておりまして、事務次官をヘッド、そして三局長を副本部長とするということでありますが、当然、私どもとしてはアドバイザー的に、役所の人以外にも入っていただこうと考えております。それは、やはり今回御指摘がいくつかありましたけれども、ワクチン、血液製剤の産業は特色があるところがあって、寡占という話がありましたけれども、私たちにとって大事なのは、ワクチンにしても血液製剤にしても安定的にきちっと供給される体制が何が起きても、つまりパンデミックが起きても大丈夫なようにしておくということです。今、一つのメーカーしか作っていないワクチンもありますし、そういうことも含めて私たちは考えないといけないと思いますし、今回のようなことが起きる余地というのは一体なんだろうか、つまりガバナンスもコンプライアンスも利かないということをどう考えるのか、それは産業なのか、個々の会社なのか、それからワクチン、血液製剤の有効性とか安全性の確保をどうやっていくのかということ、それから安定供給の確保に加えて、一部の血液製剤や抗毒素など使用が限定される製剤の取扱いというようなものが専門的にいくつかございます。さらに善意の献血に基づく血液製剤に関して、国内自給の原則というのもあります。適正使用の推進が求められるわけでありますので、これが供給として安定的になされるかどうかということについても考えなければいけませんし、ワクチンはいろいろあって、ワクチンの産業自体があまり大きくない、これで国民を守ることはできるのかということもありまして、予防接種法上の予防接種については、公費の投入が行われて接種が行われるので、やはり手頃な価格で、そして安定的に供給されなければならないし、危機管理の観点から緊急的な確保もしなければいけない。それから国際展開をどう考えるのか。もちろん、大きなメーカーでやっているのは外国のメーカーの例でありまして、日本は大変規模が小さいところがやっているということで、国民の命を守りきることができ、なおかつ国際的にも貢献できるようになるのかというようなこと、様々ありますので、こういったところでしっかりと議論してもらって、省内的にも考え方を整理していくことが大事だと思っています。
(記者)
来年の通常国会に提出される予定の児童福祉法の改正案について、おうかがいします。大臣は先日京都の視察の時にも発言されているように、児童福祉法の改正は子どもの貧困対策の一環としてとらえられていらっしゃるようなんですけれども、今回の改正は児童虐待防止法と一緒に改正することで、主に虐待の防止とか、虐待を受けた子どもの保護、養育の強化というのがメインになっています。子どもの貧困対策、虐待対策というのは直接結びつかないような気がするんですけれども、大臣の中ではどういう整理になっていらっしゃるんでしょうか。
(大臣)
これはいくつかの例を見ればすぐ分かりますけれども、やはりひとり親の方の、言ってみれば貧困の中で、こういった虐待事案が起きていることは頻繁に起きているわけであります。親による適切な養育を受けられないというのが何によってもたらされるのかということの中に、ひとり親の貧困状態というのがあり得るわけでありますので、それは密接に関連していることがあるということだと私は認識しているわけであります。いずれにしても、親による適切な養育を受けられないという子どもたちを社会全体としてどう守っていくのか、あるいはそういう養育を受ける権利を子どもが持つべきであるにも関わらず、それが提供されないということについてどう考えるのかということで、それについて法案の提出を見通しつつ、検討を深めているというところでございます。もちろん、今回の新・三本の矢の第二番目の中には、総理の指示の中にも、虐待、そしてまた子どもの貧困ということも明確に触れていたと思っております。今、専門委員会で支援を要する子どもたち、あるいはいわゆる「特定妊婦」と呼ばれている妊産婦の方々への支援、親子関係の再統合の支援、あるいは児童養護施設を卒業した後の児童の、子どもたちの自立支援、そういうようなことをしっかり議論していただいているわけでありまして、この取組による家庭における養育環境の向上、あるいは児童の自立に向けた支援というのは、子どもの貧困対策にも資すると思っていますので、密接につながるケースが多々あるという認識でございます。
(記者)
化血研の問題で、組織体制の変更を含めた、ということなんですが、ガバナンスが働くためには、例えば外部の目が入るような、理事会で決まらない、例えば株主が入るような形もあり得ると思うんですが、大臣は現段階でどのようにお考えかをお聞かせください。
(大臣)
どういう組織形態でやることがコンプライアンスとガバナンスをしっかりさせることにつながるのかということを考えてもらいたいというのは、今回コンプライアンス意識も極めて希薄、存在しなかったというくらい組織的に厚労省を騙してきたわけでありますから、そういうことがあるわけで、ガバナンスも利かない。この原因はどこにあったのかということを徹底的に考えてもらう中で、このコンプライアンス体制、ガバナンス体制の強化というものが見えてくるのだろうと思いますので、一般財団法人である現在の組織のコンプライアンス、ガバナンス体制をやっぱり見直すことがまず第一歩であると思いますので、血液製剤、ワクチン等の安定供給、安全性についても国民が不安を持たないような体制をどうするかということをよく考えてもらいたいということを事務方から行政指導として伝えた、こういうことでございますので、何が良いのかということは、それはこれからの議論でありますし、当然厚生労働省とは緊密に情報を提供しながら検討を進めるようという指示もしているところでございます。
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