利根輪太郎は、昨日も競輪場の甘酒を買ってから食堂の「さかえや」へ行く。
甘酒に菊水の酒を注いで飲むのだ。
辻さんは何時もの4人がけのテーブル席にいる。
日本酒と料理。
「自炊なんで、家で食べないマミーの料理を食べているや」
「だんなさんは、ええな、奥さんの料理たべられて、ホンマうらやましな」和歌山の人なので、関西弁だ。
「クリスマスの日、ケンタッキー・フライド・チキンこうて下妻まで、行くで」
「クリスマスの日、家にいないかもしれないよ」ママさんが小学5年生の孫のことを言うのだ。
「いくだけ、いってみる、顔みたいねん」
辻さんのスマホの待ち受け画面には、その可愛いママの孫の映像がある。
200坪の土地に70坪の家、それは亡き旦那さんが結婚する娘と共に住むたに家として建てたのに、娘さんは一人息子の家へ嫁いだのだ。
皮肉なものだ。
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