


現在も変わらない日米の認識のずれに驚かされる。
「日本陸軍の大陸政策が、私の最初の本のテーマでした。次に、それに強く反対したアメリカの中国政策を理解したいと思い、アメリカに留学しました。その時に考えたのは、利害だけでは国の行動を説明できないということ。どんな価値観によるかで物事は違って見えます。アメリカには、日本を知らずに議論しているところがあります」
一方、日本の知識人を扱った後半の章は、日本もアメリカを理解していないという思いから生まれた。
「歴史には人類の偉大さから卑小まで詰まっている。それをどう引き出すかたわれわれの課題です。アメリカの理念を読んでいけば、衝突を避けつつノーと言える場合も少なくないのです」
政治学者・国際協力機構(JICA)理事長・北岡伸一さん

