中2の鎌田さん、最年少で女流棋士に 亡き母の思い胸に

2022年05月27日 10時51分39秒 | 社会・文化・政治・経済

2022/5/25 07:00 産経新聞
篠崎 理

将来の目標を掲げる現役最年少の女流棋士、鎌田美礼さん=取手市役所

茨城県取手市立戸頭(とがしら)中2年生の鎌田美礼(みれい)さん(13)が、1日付で日本将棋連盟の女流2級となり、同連盟の現役最年少の女流棋士となった。鎌田さんは、「プロ棋士になれてほっとしている。将来は女流タイトルに挑戦したい」と夢をふくらませている。

鎌田さんが将棋を始めたのは幼稚園年長だった6歳の時。父、敦胤(あつたね)さん(50)がパソコンの将棋ソフトで教えてくれたのがきっかけで、「最初は、ゲーム感覚で(将棋を)やっていた」と振り返る。

以来、自宅近くの子供将棋教室に通い、小学2年生から敦胤さんの勧めで、柏将棋センター(千葉県柏市)に移った。4年生から、日本将棋連盟が女流棋士を養成するための「研修会」に所属している。

プロを目指したのは中学1年生の時。小学6年生の時に病気で母親を亡くし、研修会では降級も経験するなど苦しい日が続いた。

もともと、「将棋はやらされている」という思いがあった。だが、母が生前言っていた、「女流棋士になってほしい」との言葉が頭を離れず、精神的に立ち直り、本格的に将棋に向かい合いプロを目指すようになった。

今年4月には、女流2級の資格を得られるB2クラスに昇級。今月1日付で念願だった女流2級への決定が日本将棋連盟から発表された。

将棋の魅力について「毎回違うのが面白い。相手によって戦い方が大きく変わる」と話す。自らの性格を「おとなしい」と分析するが、将棋となると「攻めまくって激しい勝負になる」と静かに語る。

学校では吹奏楽部に所属しパーカッションを担当。科目では数学が好きで、先を考えることや、たくさん考えて式を変形することなどが将棋と共通するという。

今年4月には、女流2級の資格を得られるB2クラスに昇級。今月1日付で念願だった女流2級への決定が日本将棋連盟から発表された。

将棋の魅力について「毎回違うのが面白い。相手によって戦い方が大きく変わる」と話す。自らの性格を「おとなしい」と分析するが、将棋となると「攻めまくって激しい勝負になる」と静かに語る。

学校では吹奏楽部に所属しパーカッションを担当。科目では数学が好きで、先を考えることや、たくさん考えて式を変形することなどが将棋と共通するという。

 

 


「巨人じつはマイナス…」「借金12の阪神、意外とヒドくない」「広島が圧倒的優位」セ・リーグ“交流戦まで”、得失点差が意外な数字に

2022年05月26日 14時12分18秒 | 野球

5/26(木) 11:06配信 Number Web

5月24日の交流戦ヤクルト対日本ハム。10回表、ヤクルト6番手・田口麗斗は無死満塁のピンチを20球無失点で切り抜けた photograph by Sankei Shimbun

 現在のプロ野球のカレンダーでは、交流戦突入までがひとつの区切り。

 セ・リーグの首位に立っているヤクルトの高津臣吾監督も、

【画像】意外な数字…交流戦までセ・リーグ得失点差を表で見る&巨人はこの選手の不在がイタい…一方でヤクルト好調を支える立役者まで(全5枚)

「これで節目というか、また新たな交流戦というステージに入っていくので、また、油断することなく、しっかりと気持ちを引き締めてグラウンドに立ちたい」

 と話している。

 各球団とも、シーズン143試合のうち3分の1を過ぎたあたりで、ようやくデータも出そろってきて、「傾向」が見えてきた。

 プロ野球に限らず、メジャーリーグにおいても私が重視するのは「得失点差」だ。プロは「平均」を競う世界であり、長いシーズンを戦っていくうえで、得失点差が順位につながっていく可能性が高くなる。

 さて、交流戦突入前のセ・リーグの順位、各球団の得失点差はこうなっている。

 この数字は、とても興味深い。それを列挙してみると……。

 ・得失点差で圧倒的優位を誇る広島が、実際は3位。

 ・2位の巨人は、最近になって得失点差がマイナスに転じた。

 ・このところ、阪神が得失点差を急激に改善し始めた。

 といったところだが、得失点差から見る各球団の特徴をまとめてみる。

【3位】広島「得失点差は“圧倒的”なのに…」
 広島は得失点差(+58)では圧倒的な強さを見せている。

 鈴木誠也が抜け、得点力が心配されていたカープだが、得点は202(1試合平均4.39)でトップだ。その中身が興味深い。本塁打数は24本、盗塁数は8個でこのふたつのカテゴリーではセ・リーグの最下位。反対に出塁率、犠打、犠飛の数はトップ。鈴木誠也が移籍したことで、「線」を意識した打線のつながりがいい。

 では、なぜ3位なのかといえば……7回以降に失点するケースが多いのだ。

 5月の8敗のうち、7試合で7回以降に失点をしているのだ。

 つまり、リリーフ陣の課題につながっていく。9回の栗林良吏は信頼度100%。しかし、8回の収まりがまだ悪い。このところ、勝ちパターンの試合では矢崎拓也を7回、8回に森浦大輔を起用したり、僅差の試合をケムナ誠、塹江敦哉でしのいでいる。

 序盤で大量リードを奪う余裕のある展開も今季のカープの持ち味ではあるが、交流戦では1点を争う試合で、どの順番でリリーフ陣の札を切るのか、佐々岡真司監督の腕の見せどころだ。

【2位】巨人「じつは得失点差マイナス」
 一方、得失点差マイナス(-5)ながら2位につけている巨人をどう考えたらいいだろうか? 

 3月から4月までの31試合、巨人の得失点差は+25(得点136、失点111)だった。

 ところが、5月に入ってからの18試合で、なんと-30と不振を極めている。

 これは主将の坂本勇人の離脱と、ちょうど時期が重なる。

 坂本が最後に出場したのは4月30日の阪神戦。5月に入ると大差で敗れる試合が増え、加えて吉川尚輝の離脱も重なって、弱り目に祟り目。この時期に得失点差がガクンと落ち込んだ。

 交流戦突入前の10試合は7勝3敗と持ち直しているが、7勝のうち3勝が1点差。実に際どい試合をモノにしている。このあたり、シーズン前半にもかかわらず、原辰徳監督の執念とも思える細かい継投が目立つが、クローザーの大勢がいかに勝利に貢献しているかが分かる。

 現在、巨人は2位につけてはいるが、得失点差で分かるように中身は心許ない。「坂本が戻ってくるまで」の期間、交流戦で原監督がどのような采配をふるうのか注目される。

【4位】中日「交流戦がチャンスか?」
 巨人はなんとか持ち直しているが、心配なのは中日(-24)とDeNAだ。

 開幕当初、中日は長年の課題とされてきた得点力に改善傾向が見られたが、この10試合は2勝8敗、得点32、失点51という状態で交流戦に突入した。

 中日は広いバンテリンドームと敵地とでは数値がガラリと変わる球団だが、5月に入ってからは打線が不調。バンテリンドームでは6試合戦ってわずか16点、敵地では12試合も37点と、得点プロデュース力が低下してきた。

 ただし、交流戦でDH制の恩恵を生かせそうなのが中日である。打数は少ないながらも、打率3割を超えているアリエル・マルティネスをパ・リーグの球場ではDHで使えるのが好材料。大島洋平も戻って、敵地での打線のつながりに注目したい。

【5位】DeNA「ワーストの要因は?」
 DeNAは得失点差がワースト(-48)。意外だったのは得点が139点でリーグ最下位だったこと。4番の牧秀悟は固定されているが、オースティンがまだ1試合もプレーしておらず、佐野恵太、ソト、宮崎敏郎も戦列を離れていた期間があり、得点力が安定しなかったことがその原因だろう。

 交流戦に入って佐野を1番に起用したり、三浦大輔監督はいろいろ工夫を凝らしているが、歯車が噛み合う打順を発見できるかがポイントになる。

 また、投手陣では先発が序盤に失点を重ねることが多く、6回自責点3点以内の「クオリティスタート(QS)」が少ない。

 ここ10試合でQSが達成されたのは、5月10日のロメロ、5月12日の大貫(7回2失点も敗戦)、5月17日の今永(完封勝利)の3試合だけ。先発がどう試合を作っていくかが得失点差を改善するカギになりそうだ。

【6位】阪神「借金12でも得失点差はわずか-3」
 阪神の数字は、ある意味で「カオス」である。

 交流戦突入前、借金は12。ところが、得失点差ではわずか-3にしか過ぎない。

 実は5月に入って、阪神の得失点差は著しく改善している。17試合を戦い、得点52に対し、失点は37。投手陣が充実し始め、なんと、1試合平均で2点ほどしか許していないのだ。ところが、この数字が勝ちに結びつくかというと話は別で、5月の月間成績は交流戦突入前までは、8勝9敗。

 問題は5月だけで完封負けが5試合あることで、相手先発投手を見ると、小川(ヤクルト)に2度。そして石川(ヤクルト)、大野雄(中日)、床田(広島)とサウスポー相手に苦戦を強いられていることが分かる。

 対左投手での改善が見られれば、一気に借金を返すのは無理にしても、徐々にチーム状態は改善してくるはずだ。

【1位】ヤクルト「去年とは違うチーム」
 そして日本一チームのヤクルトが、交流戦突入前に首位に立った。

 しかし、昨年のチームとはだいぶ様相が違う。

 まず、昨季は得点力がリーグトップで、打線が牽引した面も大きかった。ところが、今季は総得点が166点。1試合平均に直すと3.77で、昨季の4.37と比べると得点プロデュース力がかなり落ち込んでいるのが分かる。一方で、総失点は広島と並んでリーグ1位で、投手力で現在の地位を築いていることが分かる。

 得点力低下の原因を求めるのは簡単で、5番を打つサンタナの長期離脱、そして昨季は6番に固定されていた中村悠平が、開幕から1カ月以上にわたって出場できなかったのが大きい。

 中村は5月3日に復帰、現在は中村と2年目の内山壮真が1日おきに先発マスクをかぶる形になっているが、中村が戻ってきてからは11勝5敗1分と好調。得失点は65対39と、この17試合で+26を稼ぎ出している。

 中村の復帰は投手陣の安定につながっており、1試合あたり2点ほどしか許していない。中でもブルペンの5月の月間防御率は24日の時点では0点台前半で、クローザーのマクガフ、交流戦初戦で無死満塁のピンチを切り抜けた田口麗斗はいまだに自責点ゼロを継続中だ。

 交流戦の焦点は、対戦経験がほとんどない投手に対して、どう得点を作っていくかということだろう。高津臣吾監督は「打線ではまだ上手く行かないところも多い」と話しており、DHに誰を起用するかを含め、まだまだ模索が続きそうだ。

 例年、交流戦でガラッと戦いぶりがかわることもある。これまでの傾向がどのような変化を見せるのかが楽しみだ。

 

【関連記事】


明治時代の取手の写真

2022年05月26日 12時04分23秒 | 日記・断片

右端には、亀寿司の先代主人の生家の古い建物も見えるそうだ。(写真は取手駅側からの撮影)

月に1回の亀寿司での夜食。
取手地元の酒造メーカーの金門と田中酒造の日本酒を飲む。
お孫さんの様子などを話題にする。

この日は、団体客が10人ほど2階の座敷に来ていたので、出前の注文を受けていた忙しくて暖簾は出ていなかった。

 

 


自分を信じる者は救われる

2022年05月26日 11時51分25秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽心理学は、人間の弱い面や悪い面にばかり目を向けてきたのではないだろうか。
人間の良い面に目を向け、可能性を最大限に引き出すのことが期待される。

▽心理学は疑いをもとに人間を探求してきたと思われる。
「信」を基に人間を考えるべきだ。
つまり、人間の可能性を探求する「信」。

▽自分を信じる者は救われる。
幸福を生み出すための人格的な基盤が不可欠だ。


宗教は始めにして経済は終わりなり

2022年05月26日 11時49分17秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽経済の背後に政治あり、政治の背後に社会あり、社会の背後に道徳あり。
道徳の背後に宗教あり。
宗教は始めにして経済は終わりなり。
宗教の結果はついに経済において顕わる。
興隆しかり、負滅またしかり―内村鑑三

▽国の興亡のすべての原因を思想、宗教の影響のみに求めることはできない。
だが、歴史上、誤った思想、宗教が深く影響し、徐々に人々を狂わせ、果ては国をも滅ぼした例は数え切れない。

▽日本においては、国家神道が狂気の軍国主義の精神的な柱となり、非道な戦争を推し進め、日本とアジアの民衆の尊いあまたの命を奪った。


わかりあえない他者と生きる 差異と分断を乗り越える哲学

2022年05月25日 10時45分37秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
◆多様性が尊重される現代社会。その一方で、密かに広がる分断、同調圧力――。
◇私にとって「他者」とは何か、わかりあえない他者とともに生きることは可能か?
◆世界が注目する哲学界の旗手が示す「まったく新しい他者論」!


多様性の尊重が叫ばれると同時に、その背後で人々の分断が加速している現代社会。
誰もが自分とは異質な存在である「他者」と、共生することを強いられている――。

そんな現代社会を取り巻く「私と他者の関係」について、哲学者マルクス・ガブリエルは、
「他者がいなければ私たちは存在することさえできない」と喝破し、
さらに、「従来の哲学における他者認識は誤りだった」とまで語る。

ガブリエルの提唱する「新しい実在論」から見た「他者」とはいかなる存在なのか。
そして、わかりあえない他者とともに、我々はどう生きるべきなのか。
現代に生きる我々の「アイデンティティ」「家族」「愛」「宗教」「倫理」といった、
様々な課題に対する、新たな解決策を提示する1冊。

【本書の目次(項目一部抜粋)】
第I章 私にとって「他者」とは何か

〇従来の哲学における他者認識は、何が問題だったか
〇SNSは「アイデンティティ」を押し付けてくる
〇日本的同調圧力をどう見るか

第II章 我々はいかに「他者」とわかりあうべきか
〇話し合いは万能の解決策である
〇「対話できない相手」と話し合う方法とは?
〇ガブリエルが語る「民主主義」の意味

第III章 家族とは何か、愛とは何か
〇毒親とどう接するべきか
〇「私なんて、生まれない方がよかった」は真実か?
〇愛し方を学ぶ――現代における恋愛の意味

第IV章 自己の感情とどう向き合うか
〇社会的孤立と身体性、パンデミック
〇負の感情から抜け出す処方箋
〇「抱くべき怒り」とはどんなものか

第V章 宗教や倫理と他者の関係
〇宗教は「救いと対立」のいずれをもたらすか
〇なぜ利他主義は道徳と言えないのか
〇「無知の知」を乗り越えるために必要なこと
 

著者について

【著者略歴】
マルクス・ガブリエル[Markus Gabriel]

1980年生まれ。史上最年少の29歳で、200年以上の伝統を誇るボン大学の正教授に就任。西洋哲学の伝統に根ざしつつ、「新しい実在論」を提唱して世界的に注目される。著書『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)は世界中でベストセラーとなった。さらに「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に新たな概念を語る。NHK Eテレ『欲望の時代の哲学』等にも出演。他の著書に『世界史の針が巻き戻るとき』『つながり過ぎた世界の先に』(ともにPHP新書)など。

【インタビュー・編者略歴】
大野和基(おおの・かずもと)

1955年、兵庫県生まれ。大阪府立北野高校、東京外国語大学英米学科卒業。1979~97年渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。その後、現地でジャーナリストとして活動。97年に帰国後も取材のため、頻繁に渡航。世界的な識者への取材を精力的に行っている。著書に『代理出産 生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)、訳・編書に『世界史の針が巻き戻るとき』『つながり過ぎた世界の先に』(マルクス・ガブリエル著、ともにPHP新書)、『5000日後の世界』(ケヴィン・ケリー著、PHP新書)、『コロナ後の世界』(文春新書)など多数。

【訳者略歴】
月谷真紀(つきたに・まき)

翻訳家。主な訳書に、『Learn Better』(アーリック・ボーザー著、英治出版)、『不可能を可能にせよ!』(マーク・ランドルフ著、サンマーク出版)、『第三の支柱』(ラグラム・ラジャン著、みすず書房)など。
 
 

一読しました。筆者は「話し合えばわかり合える」という信条のようです。理解し合えない者とも、妥協点を探る、駆け引きをする、時間を掛ける、時には強硬に出るといったような具合です。勿論、教育によりそういった議論なり知的な解決を模索出来るような人物を育む必要があるとの主張。確かに理想はそうだなと思いました。
ただしかし、申し訳無いけれど、西ヨーロッパ人特有、また日本にも良くいますが、お勉強が出来るアタマの良い人達に良くある"理想"信奉の人達の、傲慢のようなものを感じてしまいました。私達ならならデキるぜ、みたいな。そしてそれをサイレントマジョリティーに押し付けるのです。
しかし共産主義と同様に、そんな理想は貧しい国も含め、信条や宗教や価値観の違う、国家間や社会で実現出来るのでしょうか。私は全くそう思いません。
いまウクライナでの残念な事がクローズアップされています。よく考えれば別にこの件でだけではなく、パレスチナを爆撃しているイスラエルなど、戦火はウクライナだけではないのです。彼らは話合いで解決するのでしょうか。仮にそうだとしてもどちらかが戦いに疲弊したあとでしょう。
争いには互いの理屈・理由があります。そもそもこの侵攻は英米EU、つまりそれらを牛耳る強欲なグローバリスト・巨大資本の連中がウクライナを通じて、ロシアを煽り続けた結果ともいえます。
その価値観の侵入をどうしても防ぎたいという者。どちらも正義、どちらも悪とも言える。背景は異なりますが、ABC包囲網で石油を止められ、手を出すように仕向けられたかつての日本も完全に悪党だったのでしょうか。
私にはそうは思えません。ただ、そういった政府のもとで、命を落とす普通の市民や仕方なく戦地に赴く兵士は本当に悲しいし、心から気の毒です。自分の家族や日本の同胞が同じ目にこの先も遭わないことを祈るし、そういう意志を代弁する政治家を選ぶ他ないでしょう。
そんな状況であるのに、一方的にウクライナの肩を持つような発言が日本のマスコミ、ソーシャルメディア、まあこれらは予定調和ですが、意外と保守系の論者にも多く見られ個人的には残念でした。
そもそも西欧と東欧の複雑な歴史や地政、状況をそういった方々は理解できているのか。
影響力がある方々が、いとも単純に一方の陣営に肩入れする発言をするのは疑問です。グローバリストの太鼓持ちなら勿論そうなるんでしょうけど。そもそも、日本人は高度成長期以後、グローバリストに何をされてきたかを理解をし、忘れない方が良いのではないでしょうか。
良くも悪くもこれだけ真面目に働く日本において、不況が三十年も続くのも不自然と思いませんか。巨大資本家、グローバリスト達に脅され、好き勝手にルールを変更され、家族との団欒を犠牲にしてまで働いた、日本人の努力の結晶をいとも簡単に奪われてきた背景があるのに、そういったデジタルな反応には理解できません。

こんな魑魅魍魎が跋扈する世界で、果たして筆者が云うような理想は、この地球上で実現するのでしょうか。話し合いだけではなく、差別をなくせ、ヘイトを許すな。そんな美辞麗句も、グローバリストにとって自分たちを正当化する事に使われています。
そもそも筆者のいう話し合いとは、どのレベルの話し合いなのでしょうか。国家の間の話し合いというならば、その場のルールは、突き詰めれば英米の上位1%の連中が提供しているのではないでしょうか。
国連では日本は未だに敵国条項に入る国です。そんなところにせっせと金を貢いでる日本は一体何なんですか?ウクライナを言うならもっという事をがありますよね。
世界から核兵器廃絶。
人類皆兄弟。国家間の争いの歴史や、綺麗事すら支配力強化のために利用するようなクズが支配している世界では、話し合いとやらのそんな理性の果へは、未来永劫到達できない、銀河の果のように思えます。いわば弥勒菩薩が外界に降るのを待つのと同じで、それは信仰に近いのではないかというのが読後の感想です。
 
 

一読しました。筆者は「話し合えばわかり合える」という信条のようです。理解し合えない者とも、妥協点を探る、駆け引きをする、時間を掛ける、時には強硬に出るといったような具合です。勿論、教育によりそういった議論なり知的な解決を模索出来るような人物を育む必要があるとの主張。確かに理想はそうだなと思いました。
ただしかし、申し訳無いけれど、西ヨーロッパ人特有、また日本にも良くいますが、お勉強が出来るアタマの良い人達に良くある"理想"信奉の人達の、傲慢のようなものを感じてしまいました。
私達ならならデキるぜ、みたいな。そしてそれをサイレントマジョリティーに押し付けるのです。
しかし共産主義と同様に、そんな理想は貧しい国も含め、信条や宗教や価値観の違う、国家間や社会で実現出来るのでしょうか。私は全くそう思いません。
いまウクライナでの残念な事がクローズアップされています。よく考えれば別にこの件でだけではなく、パレスチナを爆撃しているイスラエルなど、戦火はウクライナだけではないのです。
彼らは話合いで解決するのでしょうか。仮にそうだとしてもどちらかが戦いに疲弊したあとでしょう。
争いには互いの理屈・理由があります。そもそもこの侵攻は英米EU、つまりそれらを牛耳る強欲なグローバリスト・巨大資本の連中がウクライナを通じて、ロシアを煽り続けた結果ともいえます。
その価値観の侵入をどうしても防ぎたいという者。どちらも正義、どちらも悪とも言える。背景は異なりますが、ABC包囲網で石油を止められ、手を出すように仕向けられたかつての日本も完全に悪党だったのでしょうか。
私にはそうは思えません。ただ、そういった政府のもとで、命を落とす普通の市民や仕方なく戦地に赴く兵士は本当に悲しいし、心から気の毒です。自分の家族や日本の同胞が同じ目にこの先も遭わないことを祈るし、そういう意志を代弁する政治家を選ぶ他ないでしょう。
そんな状況であるのに、一方的にウクライナの肩を持つような発言が日本のマスコミ、ソーシャルメディア、まあこれらは予定調和ですが、意外と保守系の論者にも多く見られ個人的には残念でした。そもそも西欧と東欧の複雑な歴史や地政、状況をそういった方々は理解できているのか。
影響力がある方々が、いとも単純に一方の陣営に肩入れする発言をするのは疑問です。
グローバリストの太鼓持ちなら勿論そうなるんでしょうけど。そもそも、日本人は高度成長期以後、グローバリストに何をされてきたかを理解をし、忘れない方が良いのではないでしょうか。
良くも悪くもこれだけ真面目に働く日本において、不況が三十年も続くのも不自然と思いませんか。巨大資本家、グローバリスト達に脅され、好き勝手にルールを変更され、家族との団欒を犠牲にしてまで働いた、日本人の努力の結晶をいとも簡単に奪われてきた背景があるのに、そういったデジタルな反応には理解できません。

こんな魑魅魍魎が跋扈する世界で、果たして筆者が云うような理想は、この地球上で実現するのでしょうか。話し合いだけではなく、差別をなくせ、ヘイトを許すな。そんな美辞麗句も、グローバリストにとって自分たちを正当化する事に使われています。
そもそも筆者のいう話し合いとは、どのレベルの話し合いなのでしょうか。国家の間の話し合いというならば、その場のルールは、突き詰めれば英米の上位1%の連中が提供しているのではないでしょうか。
国連では日本は未だに敵国条項に入る国です。そんなところにせっせと金を貢いでる日本は一体何なんですか?ウクライナを言うならもっという事をがありますよね。
世界から核兵器廃絶。
人類皆兄弟。国家間の争いの歴史や、綺麗事すら支配力強化のために利用するようなクズが支配している世界では、話し合いとやらのそんな理性の果へは、未来永劫到達できない、銀河の果のように思えます。いわば弥勒菩薩が外界に降るのを待つのと同じで、それは信仰に近いのではないかというのが読後の感想です。
 
 
 

私は哲学について多くを語れるほどの知識も智恵も持っていませんが、本書は「新しい実存論」から
見た「他者」と捉えるのではなくて、「マルクス・ガブリエルという哲学者」が論じる「他者性」の
考察と考えた方が正当な理解のように感じました。

その手掛かりは編集部による『プロローグ』にあります。

 本書を読めば、あなたの中にある他者と自己の束縛は解き放たれ、「自由」を感じるだろう

『エピローグ』にも同様のことが書かれていることから、タイトルにある「他者」とは、単に「自分
以外の他の人」や、「自分とは違う(わかりあえない)他の人」よりも拡張して、自分の中に潜む
「他者性」までを取り扱っていると考えたいです。
そもそも、サブタイトルが『差異と分断を乗り越える哲学』となっているのは、ガブリエル氏を新実
存主義の旗手という画一的に捉えていることへのアイロニーなのかもしれません。

分けることの危険性を言いながら、分類することには理解を促進する面があるのは確かですので、
” 便宜上” 、本書の内容を自分の中の他者と生きること、わかりあえない他者と生きること、そして
わかりあえない社会と生きることの3つの視点で見ていきます。

■ 自分の中の他者と生きること

この本で扱っているテーマは広範囲にわたっているので、自分の中の「他者性」との向き合い方へ
の示唆はいろんな切り口からなされています。その要約抜粋は、次のとおりです。

 ・自由とは、正しい束縛を選ぶ自由だ 
  束縛の無い自由は、単なる放縦だ
  ただしそれは、正しい束縛でなければならない
  … 完全な自由は幻想に過ぎず、むしろそれは不自由に近いという思想には賛意しかないですが、
    正しい束縛とは何かがよくわからないし、本書にはその解も納得のいくヒントもありません。

 ・非効率的な活動をする余白を持ったほうが効率性は上がる
  … 知識社会や産業のサービス化と言われて久しいですが、効率性はある転換点からは、
    それ以上の過剰な効率性の追求は逆効果であることに、先駆者は気付き始めています。
    次の引用も同じ文脈で語られている警句です。
 ・何かをすべきでないタイミングがわかっているのは、たいていの人に欠けている大事なスキルだ

 ・現在主義と同様に、正義に寄与するのは、「欲望のレベルを下げる」という禅宗の考えだ
  … 「足るを知る」です。これがすべてではありませんが、持続可能性を考える時に不可欠です。

■わかりあえない他者と生きること

本書にこの部分の新機軸の提示を期待しているのなら、肩透かしを食らうかもしれません。

 ・誰もが普遍的価値の存在を信じているけれど、何が普遍的価値かを見出すには対話が必要だ
  … 対話(ダイアログ)や物語り(ナラティヴ)の詳細を知りたいなら、心理学や学際領域を扱う
   経営学関連図書を当たる方が良いと思います。

 ・新実存主義における「道徳」は、ふるまいが行為者自身の幸福になる点で、「利己主義」と重なる
  … 的を射た指摘ですが、アダム・グラント氏の『GIVE & TAKE』を読む方が内容は濃いです。

もしかすると、ガブリエル氏は紙幅の関係上、この切り口では深く言及しなかったのかもしれません。
言い換えると、自分の他者性およびわかりあえない社会と向き合うことを強調したいのだとも受け取
れます。

■わかりあえない社会と生きること

キーワードは「倫理」です。表現は、政治、民主主義、資本主義などが出てきますが、一言でいう
なら「社会」と捉えてよいと思います。

〔政治の移行プロセス〕アイデンティティ政治 → 違いにこだわる政治 → 違いにこだわらない政治

 ・まずは「違いにこだわる」段階を踏まなければならない
  ステレオタイプは非常に強風なので、一足飛びには次のステップに到達できないからだ
  この段階で、私たちは話し合う必要がある
  … わかりあえない他者と生きると同じく、対話の重要性を説くにとどまっています。

 ・相手が自分自身の人間性について違う解釈をしているという事実を見る、「違いにこだわらな
  い」が最終段階だ
  … ここでは、ジェンダーや民族などに対する偏見や差別の問題が取り上げられており、それをい
    かに発展的に解消するのかが描かれています。世界をリードしてきた米国に自国第一主義を唱
    える大統領が現れたかと思えば、新型コロナ感染症問題においては外国人排斥思想が出現し
   (本書では、東京オリンピック・パラリンピックの日本の対応を厳しく批判しています)、そし
    て今日時点では、20世紀の冷戦構造の亡霊のようにウクライナ問題が勃発しています。

 ・今私たちがやるべきは、倫理資本主義を創造することだ
  … 共産主義の破綻により顕在化したのは、資本主義の行き詰まりでした。
    この苦境からどう脱却するかを明確に提示しているリーダーや論客はおそらく出てきていませ
    んが、多くの賢人が共通して訴えているのは、「倫理」の重要性です。
    日本を例に取るなら、渋沢栄一の『論語と算盤』の精神です。
    社会システムがどのように変わるにせよ、「倫理」の欠落したシステムは持続可能ではないこ
    とを示唆しています。

最終章でガブリエル氏は、「利他主義は簡単だ。自分自身の利益を大事にするほうが実は道徳として
難易度が高い」と言い張っています。一見暴論に見えますが、一周回るならこの論理は正しいです。
ですが、日本に暮らす私たちだけでなく世界の多くの国の社会は、まだ第二段階の「違いにこだわる」
にすら辿り着いていません。

だから、『わかりあえない他者と生きる』ための「対話」であり、私たちの深層心理に根付いている
バイアスから「自由」になることが求められているんだな。

ほぼ妄想レベルの書評ですが、ガブリエル氏との「対話」を楽しみ、内省できる良書です。
 
 

①すべての動物が類として「共生」出来るように刷り込まれている事実に基づいて人間も他者と「共生」出来る存在だと言う。
しかし、これは人類学的知見であって、哲学的知見ではない。
②生き方も価値観・人生観も異なる他者と「共生」することが可能であると考えられる。他者とわかり合えることがなくても「共生」出来るのだ。
③しかし、人間社会は発展し、進化するものである。「共生」だけで生きていけるのか、「理解」が欠けているのではないか?
現象学的他者論を主張したレヴィナスは、他者を尊重・歓待する眼差し・顔を提起したのが参考になる。
④分断社会は克服できるのか?「共生」のみでは心もとない。ヤスパースが提起した「実存的交わり」は参考になる。理性的判断、愛しながらの闘いによる他者との真剣勝負である。そして最大の課題は他者との対話であろう。
⑤インタビュー記事を原稿にする手法は、分かりやすいが哲学的思考の展開、深みに欠ける欠点がある。このような本の出版・乱立はほどほどにして、論著で勝負したい。
お勧めの一冊だ。
 
 
 

話し合いは問題解決の上で最も重要なことは間違いないでしょう。
 また、エビデンスといった一見万能に見える科学的合理性や唯物論は、倫理や道徳を蔑ろにする最悪な思想である。要は倫理や道徳を最重要とする思想が基になければならない、という著者の基本的姿勢に異議はありません。
 更に、利他主義は利己主義と同様に反道徳的である。万人共通の道徳規範も存在しえない、という主張も合点が行きました。確かにこれらは、行き着くところ単なる善意や価値観の押し付けなのかもしれません。
 特に著者が子供とも先入観無く十分に話し合って、時には自分の間違いもはっきり認める、というスタンスは立派なものだと感じました。私自身、子供(学生も含む)の言い分を「屁理屈」「言い訳」などとろくに取り合ってくれない環境で生まれ育ち、自らもそのようにしがちなので、目から鱗でした。 

 しかしながら・・・
 話し合いは万能では無く、対話できない相手とは「自衛」するしかない、とも唱えていますが、その「自衛」こそが「問答無用!」という発想に至り、実力行使としての深刻な対立や争いを生むのではないでしょうか?

 また、偏見の解消のための社会的立場や思想が異なる者同士のミーティングを主張していますが、日々の生活に追われる者には、特定の抽象的テーマについて話し合おうと思う時間もエネルギーも無いと思います。
 しかも、ミーティングも、各自の社会的立場や影響力があれば、自由闊達な発言はできませんし、他者の尊重も利害関係があれば不可能かもしれません。

 「違いにこだわらない政治」を主張していますが、他者との違いが単純に性別・人種・嗜好自体に過ぎなければ苦労しません。逆に、性別や人種に関しては、「平等」の旗印の下、逆差別的な優遇措置が取られることも珍しくありません。
 しかも、性別・人種・嗜好・所属が自身のアイデンティティとなるから複雑になります。

 要は他者と生きることとは、他者と利害が生じることです。容易に喚起され、克服は極めて困難な利害対立だからこそ、この世に問題は尽きないのではないでしょうか。

 従って、著者の思想は目から鱗的な発想と着眼点に富んで面白くもありますが、一歩違えば荒唐無稽となります。また、現実的な泥臭さとは無縁であり、空想的理想論に陥りがちである、と思いました。
 

 
 

 

 

異文化に触れ、理解を深める

2022年05月25日 10時43分38秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽何ごとも中途半端にせず、徹してやることだ。
▽差異に学ぶ対話から、新たな信頼と友情が広がる。
新たな連帯が生まれ、新たな平和の創造へとつながっていく。
それは、多様性を破壊する最大の愚行である戦争をなくす道でもある。
▽長い歴史の中で、多くの人々の知恵と努力の結晶が連綿と受け継がれてきた人類の財産だ。
異文化に触れ、理解を深めることは、新たな創造の活力になるだろう。
▽昨今、世界では文化的相違を背景とした対立や外国人の排斥、ヘイトクライム(偏見や憎悪が動機の犯罪)gが増発する。


中国の歴史意識

2022年05月25日 08時54分52秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽足元から起こす運動から社会変革の波は起こる。
▽自らの信条として言語や人種、文化の違いを超えて人類は結ばれるべきだ。
▽一切の運命を我が身に受け止め、毅然としてたじろがない―一個の自立した人間像の構築は、困難な状況を乗り越えいく上で大切な姿だ。
▽正しい歴史認識は大切であるが、それ以上にどのような未来像を創るかが肝要である。
▽自分が歴史を創る主体者であるとの認識の上に立ち、歴史を学ぶ。
▽歴史がよりよき現在と未来のための、つまり「生」と「人間」のための糧としてきた中国伝統の歴史意識。
▽よい道徳があってこそ、国家は永遠におまるのである―孫文
▽五常-仁・義・礼・智・信のモットー。
仁―ヒューマニズム・人道への目覚めであり、広くは人類愛への目覚め。
義-エゴイズムの克服。
世界は、互いの主権を尊重しつつも、自国中心主義を乗り越えて「人類益」「人類主義」を志向していかなければならない転換期を迎えている。
礼-他者の存在を認め、敬意を払うこと。
世界は様々な民族・国家の集合体であり、それぞれが独自の文化を保ち、アイデンティティの核を形成している。
それを認め、異なる文化を理解し、尊重することは平和共存の基本である。
智-知恵こそ創造の泉といってもいい。
今、世界的に国際紛争が多発し、環境問題等の地球的問題群が山積している。
その解決には硬直化した発想を打破し、柔軟でみずみずしい知恵を湧現し、それを結集していく以外にない。
信―<誠実さ>である。
不信を信へ、反目を理解へ、憎悪を慈愛へ転じていく根本は<誠実さ>であることは論をまたない。
策や方法では、信頼という友誼の大地を耕すことはできない。
世界が互い心を開き合うためには「信」こそ絶対の要請となる。

 

 


地球規模で考え、地域で行動する

2022年05月25日 08時36分35秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽一つ一つの縁を大切にし、一人ひとりと信頼を育む。
▽たとえ、道がいかに遠く険しくとも、一人ひとりが今いる場所で信念の行動を起こすことが、地球全体を変えていく希望となる。
▽「地球規模で考え、地域で行動する」医学・細菌学者ルネ・デュボスが提唱。
▽何ごとであれ、原点を見失わない人は信念の道を踏み外すことはない。
▽政界は、権力と、野望と、駆け引きの魑魅魍魎(ちみもうりょうの意味・使い方。人に害を与える化け物の総称。また、私欲のために悪だくみをする者のたとえ)の世界だ。
初めは皆、新しい気持ちで張り切っているが、下手をすれば、すぐに精神が毒され、私利私欲をむさぼる者が出ないとも限らない。
▽社会的腐敗を正し、民衆が主役の時代を開くために、政治や教育、芸術などあらゆる分野に新しい優れた人材を送り込まなければならない。
▽人類にとって、普遍的価値である生命尊厳の理念を、社会に浸透させる必要がある。


オンラインカジノの違法性?

2022年05月24日 13時33分22秒 | 事件・事故

オンラインカジノ(英: Online casino)は、コンピュータネットワーク上で仮想的に開帳される賭博場(カジノ)である。
日本はアクセス数は2021年世界三位、2022年世界4位であるが、日本国内からの利用は賭博罪違反である。
利用者が違摘発された例もある。
インターネット上のギャンブルゲームは通常のカジノより、意識せずに負債がかさみやすく、家庭の崩壊につながる可能性を指摘されている。

オンラインカジノ(英: Online casino)は、コンピュータネットワーク上で仮想的に開帳される賭博場(カジノ)である。
日本はアクセス数は2021年世界三位、2022年世界4位であるが、日本国内からの利用は賭博罪違反である。
利用者が違摘発された例もある。
インターネット上のギャンブルゲームは通常のカジノより、意識せずに負債がかさみやすく、家庭の崩壊につながる可能性を指摘されている。

オンラインカジノは違法?賭博法や逮捕事例について解説

賭博が禁止されてる日本で、オンラインカジノをやっている人は一定数います。

しかし、オンラインカジノが明確に禁止となった情報はなく、実際に検挙された人も不起訴になっています。

今回は、そんなオンラインカジノの違法性について詳しく紹介していきます。

オンラインカジノの運営会社について
オンラインカジノを運営している企業の多くは株式上場している海外の企業です。

政府に認可されて運営している企業のみが存在しているので、信頼できる企業になっています。

オンラインカジノの企業のなかで、ウィリアムヒルという企業は世界で最も有名な企業です。

ロンドン証券取引所に上場している時価総額が大きい100社の内の一つなので、海外ではすでに一つのビジネスとして認められているといえます。

オンラインカジノのライセンスについて
政府が会社に運営許可証となるライセンスを発行すると、運営できるようになります。

このライセンスが発行されていない会社は、違法な運営会社です。

また政府の認可を受けるには、厳しい審査やライセンス料の支払いがあるため、発行されている会社は信頼できるといえます。

マルタ共和国やイギリス政府の認可を受けた会社は信頼性が高いと言われているので、プレイしてみたいカジノサイトが認可を受けて運営しているか、どこの国の政府のライセンスを所持しているかを確認してからプレイしてみるのも良いかもしれません。

オンラインカジノは合法でも違法でもない
日本でオンラインカジノは違法なのか気になるところですが、結論は違法ではありません。

しかしながら、様々な要因から、合法でも違法でもないとも捉えられるのが現状です。

オンラインカジノに関する法律は存在しない
現在日本には、オンラインカジノに対して明確に定められた法律は存在しません。

賭博法に関しても、利用者を取締ることを前提としていません。

また、合法的なオンラインカジノは政府の公認を受けて運営しているため、法律で裁くことができません。

法律が存在しないので、裁くことができないのです。

オンラインカジノ側の主張
運営会社の主張として、日本の法律と今後の方針に対して見解を出しています。

日本人ユーザーに人気の「ジパングカジノ」は

他のオンラインカジノ様でのご遊戯にて逮捕者が出ている事についてでございますが、公開されている情報を精査すると、特定方向への誘導も感じられる部分もあり、また逮捕=有罪(推定有罪)が全面的に押し出されている感があるかと存じます。
また現行法にて、オンラインカジノとして明確に定められていないと思われる状況下では、属人主義ではない賭博法の適用に疑問を感じるところであります。

この一連の件に総じて言えることでは有りますが、報道の文章から見る限り、現在日本の刑法で制定されている賭博法の解釈に当てはめる事は難しく、罪刑法定主義として禁じられている、類推解釈、拡大解釈の可能性があるかと考えております。

報道で出ているカジノが私どものブランドではない弊社として、今回行動を起こすことはできませんが、今後、弊社ブランドでの遊戯にて登録者が逮捕され、それが弊社ブランドと共に公表されることがあれば、貿易上の不公平を訴え、弊社保有ライセンス国を通じWTO(国際貿易機関)に問題提起することを考慮し、また名誉毀損にて当該国裁判所に向けて提訴する事も吝かではありません。

国際最高レベルの条件をクリアしている状況下、国際基準を無視して企業イメージを損なう行為があった場合法令に基づき対応を取る事も視野に入れなければならない状況になる可能性もございます。

引用 報道に関するジパングカジノの見解

と発表しています。

この声明を要約すると、「何件か起きたユーザーを検挙した事件は、警察の賭博法の解釈が違って起きたことであり、運営の立場からすると営業を妨害していると考えざるおえない。今後同じようなことが起きて営業を妨害していると判断した場合、貿易上の不公平で国際裁判所に訴える。」ということです。

つまり、運営側も違法ではないと主張しているため、明確な法律ができない限り違法性は無いといえます。

オンラインカジノと日本の賭博法の関係性
法律の本達

オンラインカジノに関して違法性は無いとわかりましたが、日本の賭博法を詳しく見ていくと関係性がわかってきます。

では、賭博法について見ていきましょう。

日本の賭博法について
日本の賭博法は4種類あり、

単純賭博罪
常習賭博罪
賭博開帳図利罪
組織犯罪処罰法
があります。

賭博を行った人を取締る法律は「単純賭博罪」「常習賭博罪」で、賭博場を開いた人を取締る法律は、「賭博開帳図利罪」「組織犯罪賭博法」になっています。

では、なぜ利用者は逮捕されないのでしょうか。

日本の賭博法は適応外
賭博法の内容を見る限り、オンラインカジノは違法のように見えますが、前提に「賭博犯の捜査は運営側の検挙を目的とする」というものがあります。

つまり、運営側を検挙しない限り賭博法が成立することはないということになります。

したがって、賭博法は適応外であると考えられます。

日本の賭博法の解釈
運営側の検挙を目的とした賭博法ですが、肝心の運営はライセンスを取得しているため合法的に運営していることになります。

なので、日本の法律で取締ることは難しいと考えられます。

また、「日本でカジノをしている」のか「海外で金銭のやり取りが行われているだけ」なのか判断が難しい状況にあります。

そのため、賭博法という刑法自体がオンラインカジノを想定して作られていないことや運営側を検挙できないことから、取締ることができないため、違法ではないといえます。

日本での逮捕事例について
2016年3月に、日本国内でオンラインカジノをした疑いで、3人が逮捕されるという事件が話題になりました。

2人は、争いたくないため略式起訴=罰金刑を受け入れましたが、残りの一人が不当な逮捕ということで裁判で争う形を取りました。

その結果、裁判は不起訴で終わったため、事実上罰せられることはないことが証明されました。

裁判では

賭博法は運営側を検挙することが前提にある
争点となったオンラインカジノは合法的に運営されている
賭博法は不完全な部分があり、オンラインカジノなどの新しくできたものにまで対応できるように作られていない
の3点から、違法性は無いことを主張し、不起訴を勝ち取りました。

オンラインカジノが違法になってしまうケース
モノポリーの牢屋

違法ではないということを逆手に取って、何でもかんでも手を出すことはおすすめしません。

ここではやってしまうと違法になってしまうことを紹介します。

オンラインカジノだと勘違いして、実際に逮捕されてしまった人はこれに当てはまる人が多いはずです。

利用したオンラインカジノがライセンスを取得していなかった
賭博法の適応外になる理由に、運営側が合法的に運営していて検挙できないことが前提にあります。

そのため、もし運営側がライセンスを取得していなかったことで検挙されると、それを利用した人も逮捕されてしまう可能性があります。

インカジ(インターネットカフェカジノ)を利用してしまう
インカジとは、インターネットカフェ近いものですが、中でインターネット上で遊べるカジノを提供して、その場で現金に換金できる店のことです。

俗に言う「裏カジノ」「闇カジノ」と同じです。

一見、オンライン上でやっているため合法なように見えますが、国内の店舗内でプレイから換金まで全て行っているため、立派な賭博開帳図利罪です。

賭博開帳図利罪ではプレイした人も逮捕されてしまうので気をつけましょう。

カジノ法案(IR法)について
契約書とサイン

ついに日本にも「カジノ法案」が成立したことでカジノが解禁になる未来も近づいてきました。

では、カジノ法案を受けて、オンラインカジノはどのように変化していくのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

カジノ法案(IR法案)とは
2016年12月にカジノ法案(IR推進法)、2018年7月にIR整備法が成立し、日本政府のカジノ解禁に向けての動きが本格化してきました。

IRとは統合型リゾートのことで、カジノ以外にも映画館、ショッピングモール、スポーツ施設、スパなど様々な人が楽しめる施設が集まったリゾート施設のことを指します。

統合型リゾートを作ることで、観光客を集めて財政難を改善させつつ、カジノを法律に則って運営していくという法案です。

なので、カジノを解禁するためだけの法案という訳ではなく、政府の日本経済の活性化に対する思惑もあるようです。

カジノ法案(IR法案)がオンラインカジノに与える影響
カジノ法案の中に、オンラインカジノに対して定められた内容はありません。

そのため、禁止になることはないと考えられます。

今後のオンラインカジノについて
仕事中のPC

カジノ法案が可決された今、カジノの存在が身近になってくるのは間違いありません。

しかし、カジノ法案の中にオンラインカジノに対する記載がないことから、違法性がない今の状態が続くのではないでしょうか。

合法化に向かって進んでいく?
カジノ法案の目的にも、財源確保や外貨の獲得があるため、欧州と同じように合法化して、財源確保に力を入れていく可能性もあるのではないかと考えられます。

いずれにしろ、カジノ法案が可決されたことにより、政府はカジノの合法化に前向きな姿勢を取っていることに間違いないでしょう。

オンラインカジノは違法ではない
太陽を後ろにした楽しい人々

今回はオンラインカジノの違法性について紹介しました。

「法律が存在しないこと」「賭博法の解釈・不完全さ」「不起訴の事例」という点から、違法ではないといえます。

しかし、カジノ法案が成立してから日本のカジノに対する法律は確実に進んでいきます。

それによって合法化される可能性は高いですが、今後の日本のカジノの法律の動向を確かめながら、一度遊んでみてはいかがでしょうか。

なお、おすすめのオンラインカジノについては以下で解説しているのでこちらも確認してみてください。

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オンラインカジノおすすめランキング
この記事を書いた人
EVERY TREND編集部

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<誰かのために>との利他の信念と行動

2022年05月24日 13時33分22秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人の心は刻々と変わる。
先入観にとらわれずにいたい。
▽人の輪をいかに理想的な形で実現すべきか。
▽人間を固定的な「存在」ではなく、動物、モノ、環境とのつながりから「生成」されるものと見る。
▽人間だけが、地球上で主人ではない。
モノや死者さえ含む生命=ライフの全体像。
▽レジリエンス(困難を乗り越える力)
逆境下における個人の精神的なレジリエンス。
▽<誰かのために>との利他の信念と行動は、翻って、自らの生きる力を強め、希望を生み出す源泉になる。
▽何があっても負けない。
忍耐強い人には、越えられない困難はないはず。

▽自分の幸福は当然のこととして、人生の目的は、人々の幸福と正義のために、生き抜くことだ。

▽戦い抜くことだ。そして、勝ことだ。

▽人生の苦境にあって、一歩も引かない。断じて負けない姿が、周囲の希望として輝くに違いない。


世界の難民、初の1億人超 ウクライナ侵攻で悪化

2022年05月24日 13時33分22秒 | 社会・文化・政治・経済

2022/5/23 

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は23日、紛争や迫害で自国外へ逃れた難民や難民申請者、自国内で居住地を追われた国内避難民などの総数が初めて1億人を超えたと発表した。
世界各地で紛争が続いている上、ロシアによるウクライナ侵攻で状況は一段と悪化。難民の増加に歯止めがかかっていない。

グランディ難民高等弁務官は「ウクライナから戦火を逃れた人々に対する国際社会の対応は、非常に好意的なものだった」と、受け入れに動いた各国の動きを称賛。「世界の全ての危機に対して同様の対応が必要だ」と、他の紛争地域からの難民も積極的に受け入れるよう各国に求めた。

グランディ氏は一方で「人道支援は一時しのぎでしかなく、解決策にはならない」と指摘。難民などの増加を食い止めるためには「平和と安定が唯一の答えだ」として、各地で続く紛争の終結や迫害の停止を求めた。(共同)

 


ドクターヘリを知るードクターヘリとは? いち早く救急現場へ

2022年05月24日 13時23分29秒 | 医科・歯科・介護
 
ドクターヘリとは、「医師をいち早く救急現場に連れていくヘリコプター」のこと。機内には初期治療に必要な医療機器や医薬品が装備・搭載してあり、基地病院の敷地内等で待機して出動要請に応えます。
現場に到着後は、傷病者に対しフライトドクターが速やかに治療を行い、適切な医療機関へ搬送します。 早期に治療を開始できることが、患者を医療機関に搬送することを目的としている救急車と大きく異なります。ちなみに、ドクターヘリ(Doctor-Heli)は和製英語です。英語ではAir Ambulance、あるいはHEMS(Helicopter Emergency Medical Service)といいます。

ドクターヘリの役割

フライトドクターとフライトナースを現場に送り込む
119番通報が消防本部指令室に入ると、救急車を現場に出動させる一方、ドクターヘリの出動を基地病院に要請します。フライトドクターとフライトナースを乗せたドクターヘリがランデブーポイント(※)に着陸すると、フライトドクターとフライトナースは救急車に乗り込み、直ちに患者に治療を開始します。学校の校庭や公園、空き地などの狭い場所にも着陸するため、ドクターヘリは小型のヘリコプターが使用されています。

ドクターヘリはこうした「現場出動」のほかに、医療機関から別の医療機関へ患者を運ぶ「施設間搬送」も行っています。その多くは、より高度な医療を実施している医療機関に患者を搬送するためです。

※ランデブーポイント:救急車とドクターヘリが合流する場所(地点)。各道府県の運航調整委員会が事前に選定した「場外離着陸場」のこと。校庭や駐車場、公園などが選定されているが、2017年3月末時点のHEM-Net調査では一基地病院当たり625か所となっている。
医療の地域格差をなくす
ドクターヘリは救急医療のためのヘリコプターなので、出動に当たっては「緊急性」が重要な基準となります。しかし、地方では医療機関の集約が進み、その結果、身近なところに医療機関がなくなりつつあります。そうした医療過疎の住民にとって、たとえ「緊急性」が乏しくても遠く離れた医療機関に行くための手段が必要です。現実には、こうした「地域医療」のためにもドクターヘリは活用されています。また、その延長線上の問題として、山間や離島などのへき地に医師を派遣する「ドクターデリバリーヘリ」的な運用も検討すべき課題となっています。
大規模災害時に活動する
ドクターヘリは、大規模災害時での活動も重要な任務の一つです。大規模災害時には多数の傷病者が発生しますが、そうした傷病者は被災地外に短時間に広域に分散して搬送することが必要です。今や全国で53機を数えるドクターヘリは、自衛隊ヘリや警察ヘリ、消防防災ヘリ、海上保安ヘリ等と連携して活動することが求められています。そのような連携を的確に行うためには、出動に当たっても、また、被災地での活動に当たっても、一定のルールが必要です。政府は「防災基本計画」に必要な事項を記載するとともに、厚生労働省において「大規模災害時におけるドクターヘリの運用体制構築に係る指針」を策定しています。また、災害時にドクターヘリが自由に被災地に離着陸できるよう、航空法施行規則第176条は航空法の規制を排除する特例を規定しています。

ひと目でわかるドクターヘリ

年間出動件数
2020年度の実績。
救急車との入院日数比較
2001年10月1日~2007年12月31日までの間に、日本医科大学千葉北総病院にドクターヘリあるいは救急車で搬送された交通事故患者のケース。健康保険の費用(入院時の保険点数)は、ドクターヘリが132,595点、救急車が248,720点。
導入都道府県数と配備機数
47都道府県に56機
2022年4月現在。47都道府県には、ドクターヘリを運営している関西広域連合に属す京都府を含む。
 
運航時間
基地病院によって異なる。日本と違い、スイスは24時間運航体制。
1機当たりの年間運営費
運営費の内訳は、機体賃借料、パイロット等拘束料、燃料費、保守料、航空保険料など。総配備数53機の年間総額は132.5億円。国民1人当たりわずか105円(132.5億円÷1億2600万人)。
飛行時速
渋滞などに関係なく一直線に飛べるところも、ドクターヘリの強み。ちなみに、救急車の制限速度は一般道で時速80km、高速道路で時速100km。
出動1件当たりの費用
1機当たりの年間運営費2億5000万円÷1機当たりの平均年間出動件数548件。

いざ、出動!その流れとは?

ドクターヘリは私たちが直接、要請することはできません。119番通報を受けた消防本部指令室が、通報内容(キーワード)から、あるいは出動した救急隊の報告からドクターヘリ出動の必要性を判断し、基地病院に出動要請します。具体的な出動の流れは次の通りです。なお、ドクターヘリを利用しても搬送代を支払う必要はありませんが、治療にかかった費用は支払う必要があります。
119番通報から搬送までの流れ
①119番通報
傷病者を知らせる119番通報が入る。
②ドクターヘリ要請
消防本部指令室がドクターヘリの出動が必要と判断した場合、救急車を現場に向かわせると同時に、
基地病院にドクターヘリの出動を要請。
③救急車出動
現場に到着後、救急隊員が、救命処置を施す。
④救急隊員からドクターヘリの出動要請
119番通報と同時にドクターヘリの出動を要請しなくても、現場で傷病者を見た救急隊員がドクターヘリを
必要と判断した場合は、消防本部指令室に報告。消防本部指令室から、出動を要請。基地病院によっては、救急隊員が直接要請することもある。
⑤ドクターヘリ出動
フライトドクター、フライトナース、パイロット、整備士がドクターヘリに乗り込み、指定された現場近くの
ランデブーポイント(※1)に向かう。フライトドクターとフライトナースは、無線で伝えられる患者情報
(年齢、性別、状態、意識レベルなど)をもとに、初期治療の準備をする。
⑥ランデブーポイントに搬送
救急車は患者を乗せ、ランデブーポイントに搬送。
⑦救急車と合流
ランデブーポイントに到着したドクターヘリは、傷病者を乗せてきた救急車と合流。フライトドクターは救急車の中で迅速に(※2)初期治療を開始する。
⑧搬送
初期治療を行った後は傷病者をドクターヘリに乗せ、治療を行いながら状態にあった適切な医療機関に搬送する。

※1 ランデブーポイント:救急車とドクターヘリが合流する場所(地点)。各道府県の運航調整委員会が事前に選定した「場外離着陸場」のこと。校庭や駐車場、公園などが選定されているが、2017年3月末時点のHEM-Net調査では一基地病院当たり625か所となっている。
※2 世界におけるドクターヘリ事業のモデルとなったドイツの多くの州では、『出動要請から15分以内に初期治療を行う』よう定めている。


救急車との違い
救急車の場合は、患者を病院に搬送してくるまでは、医師は待つことしかできませんが、ドクターヘリの場合は医師が患者の元にいくため、いち早く治療を開始できることが大きなメリットです。
また、治療を行う医師と看護師を救急現場に派遣するために緊急走行できる緊急自動車を「ドクターカー」といいます。夜間や悪天候時に運航ができないドクターヘリと違い、夜間にも、悪天候時にも活動ができる点が優れています。
消防防災ヘリコプターとの違い
消防防災ヘリは、病院ではなく、航空隊の基地があるヘリポートで待機をしているため、医師を運ぶ場合は、病院まで迎えにいく時間がかかります。消防防災ヘリは消火活動や救急活動、救助活動等を任務としており、救急活動は消防防災ヘリの活動の一部に過ぎません。道県が保有するヘリコプターと東京消防庁や政令指定都市等の消防機関が保有するヘリコプターに区分されます。2018年11月1日現在、44都道府県に75機が配備されています。活動の性質上、消防防災ヘリは中型または大型のヘリコプターであるのに対し、ドクターヘリは小型です。

2017年中の出動状況を見ると、全体で6,752件の出動のうち、救急活動が3,370件、救助活動が2,028件、消火活動が1,110件、その他が244件となっており、救急活動が約50%を占めています。また、消防防災ヘリは救助隊員が人を吊り上げて救助するための「ホイスト」を装備しています。山岳遭難の場合は、消防防災ヘリがホイストで救助した傷病者をドクターヘリのフライトドクターが治療し、病院に搬送するという連係プレイが行われます。

ドクターヘリに関わる人たち

ドクターヘリに乗組員(クルー)として搭乗するのは、ヘリコプターを操縦するパイロット(機長)のほか、フライトドクター、フライトナース、そして整備士の4人。それを地上でサポートするのがCS(Communication Specialist)です。それぞれのスペシャリストが高い専門性を持って関わっているのが、ドクターヘリなのです。

フライトドクター
救急医療に精通し、ドクターヘリでの活動訓練を受けた医師で、ドクターヘリに乗り込みいち早く現場に向かい、傷病者に治療を行います。幅広い医療知識と技術、決断力が求められます。
フライトナース
フライトドクターとともにドクターヘリに乗り込み、看護師として現場でフライトドクターのサポートをしたり、家族に付き添ったり、さまざまな仕事を行います。現場で必要な医療資機材が入った救急バックの管理も行います。
パイロット(機長)
フライトドクターやフライトナースを乗せたヘリを操縦して現場に向かい、治療を施した患者を医療機関まで運びます。急な天候の変化に対応しながら、ドクターヘリを安全に運航するという責任の大きな仕事です。
整備士
ヘリが安全に飛行できるよう機体を保守点検するだけでなく、出動したときは現場の消防隊と無線で連絡をとりあい、ランデブーポイントに降りる手配をします。また、ドクターヘリのストレッチャーを操作するなどして、フライトドクターやフライトナースをサポートします。
CS(Communication Specialist)
「通信の専門家」を意味するCS(Communication Specialist)。ドクターヘリの出動コールを当日のクルーに伝えたあとは、消防本部指令室とやりとりをしてランデブーポイントを調整し、ドクターヘリの動きを見守る専用の管制官で、ドクターヘリの「扇の要」の役割を担います。
 
 

理性は万能なのか

2022年05月24日 10時50分49秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人類が生き延びためには、科学とともに、どうしても宗教が必要である。
▽人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができる。
▽人類が直面する危機の克服へ、「宗教」について掘り下げる必要がある。
▽<人間の理性は果たして万能なのか>。
19世紀以降、科学技術の発達によって人々の生活が向上すると、人間のつかさどる理性が、さも真実であるかのような理解が広がっていった。
その分、それまで人々の生活の根幹にあった宗教が、重要視されなくなっていった。
▽18世紀の啓蒙思想家の哲学者デイヴィッド・ヒュームは、理性や科学の<傲慢さ。に批判的な立場を取り、「理性は情念の奴隷である」と指摘した。
▽理性はある目的を達成するための手段を教えてくれるが、目的そのものは人間の好き嫌いから生じじる。
ところが理性は、悪の奸計(悪だくみ)を立てることにも役立っている。
だヒュームは、「理性は情念の奴隷でなければならない」と指摘した。
こうした理性の働く範囲が限定されることによって、理性を宗教の両立が可能になる。
▽核兵器を巡る議論は、<理性は万能なのか>という問いを人類に突き付けた。
▽現在、地球上には、地球を何十回も破壊できるほどの核兵器が蓄えられている。
そして、その破壊力をもって平和を維持するという「核抑止論」が、それなりの正当性を得ている。
しかし、核兵器は何万発も保有することが、果たして合理的といえうのだろうか。
▽ウクライナ危機によって「核兵器使用の危険性」が高まる今、改めて、「核兵器は狂気・悪魔の兵器ではないか」とい問い掛けが求められている。
▽そこで、宗教は極めて大切な役割を担えるではないだろうか。
▽国家の安全保障から個人の生命尊重に至るまで、真に「人間らしさ」対策とは何かを見直す時期が来ていると言える。
▽「自己超克」こそが宗教の真髄であり、人類の危機を克服する方途である。
自己超克を成し遂げる力は全ての人に潜在的にそなわっている。
その自己変革を可能とする実践が宗教による「人間の変革」である。
▽自己超克といっても決して急進的なものではないはずだ。
自分自身の「人間のまっとうさ」を求め、確認するように粘り強い一歩一歩が必要である。
▽確かな理想を掲げながらも、常に自制心を持ち、現実的に行動を起こす。
そうした微妙なバランスが不可欠だろう。


「命のビザ」引き継いだ恩人 小辻節三氏、ユダヤ難民の日本滞在に尽力 イスラエル議員らが感謝状

2022年05月24日 08時09分33秒 | 新聞を読もう

 

イスラエル日本友好議員連盟会長のツビ・ハウザー議員とイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が22日、東京都内の介護施設を訪問し、第二次世界大戦時に危険を顧みず多くのユダヤ人難民の命を救ったとして、ヘブライ文化研究者・小辻節三(こつじせつぞう)氏の行動をたたえ、次女の暎子(てるこ)さん(91)に感謝状を贈呈した。

 第二次大戦中の1940年、欧州の多くのユダヤ人が外交官・杉原千畝の発給したビザを使って、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)から日本に逃れた。しかし短期ビザだったため、欧州へ強制送還される恐れがあった。

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ヘブライ文化研究者小辻節三

2019年ロサンゼルス講演:小辻節三を世界に

――「諸国民の中の正義の人」賞への挑戦 ――

 

広瀬佳司

「ユダヤ人」という言葉は日本人にはあまり馴染がないが、スピル

バーグ監督、画家マルク・シャガール、物理学者アインシュタインなど、ユダヤ人の名前は意外に知られている。

その八面六臂の活躍ぶりはノーベル賞受賞者数にも明らかで、世界人口の0.2%のユダヤ人がノーベル賞受賞者数では、ほぼすべての分野で2割を超えるから驚きだ。

その成功は主に教育重視という伝統に因る。この点では日本人と

も似ているかもしれない。「日本人はユダヤ人の子孫である」という言説が、まことしやかに囁かれた時もあった。

米国ユダヤ社会や、イスラエルにおいて日本人は好感を持たれてい

  るようだ。ユダヤ系アメリカ人の友人でも、日本人女性と結婚してい  る人が少なくない。日本は神道と仏教を同時に信仰する稀有な多神教 国家である。

そのために、異なる宗教文化も抵抗なく日本文化に取り 込んでしまう。例えば、キリスト教でもないのに、クリスマスやイースターを盛大に祝う。

   キリスト教国ではない日本では、ユダヤ人迫害が起こった歴史もなく、ユダヤ人に対する感情的なしこりもない。

歴史的に見れば、19世紀末から20世紀初頭までユダヤ人社会が長崎に存在していた。事実、 坂本国際墓地の一角にはヘブライ語で記されたユダヤ人墓石が並んでいる。

また、日露戦争(1904-05)で弱小国家日本の経済面を支えて  くれたのもユダヤ系・米国投資銀行のジェイコブ・シフである。シフは、その貢献が認められ、明治天皇から1906年に勲一等旭日大綬章 を授与された。

   それではユダヤ社会からみて、彼らに貢献した日本人は誰かといえ ば、最初に杉原千畝(1900-1986)(すぎはら・ちうね)の名前が挙がる。

杉原は、第二次世界大戦中に、ナチスに追われた多くのポーラン

  ド系ユダヤ難民に「命のビザ」を発行し、結果的に多くのユダヤ人を 救った。今では、米国のどのホロコースト記念館にも、杉原の功績を  展示するコーナーが設けられている。だが、杉原の日本通過ビザだけ で多くのユダヤ難民が救われたわけではない。

ユダヤ難民救助の鍵を握るのが小辻節三博士(1889-1973)であった。

京都下賀茂神社の宮司の子孫として生まれた小辻は、十日間有効の

 日本通過ビザを携え来日した4600人を超えるユダヤ難民の日本

  通過ビザを、当時の外務大臣(松岡洋右)の助言を受け数か月にも延  長した。そればかりか、ユダヤ難民を経済的にも援助し、ほぼすべての難民を希望する国々へ送る支援をしたのが小辻であった。

まだ、日 本ではほとんど知られていないこの稀有なヘブライ語学者の貢献と その情熱は注目に値する。

 

   2019年3月22日に成田を発ち、日本航空のビジネスクラスでロサンゼルスへ飛んだ。今回は在ロサンゼルス日本総領事館主催、サイモン・ヴィーゼンタール・センターと日米文化会館が協賛して、寛容博物館で実施されたビッグイベントである講演会「AFTER SUGIHARA: SETSUZO KOTSUJI’S AID TO JEWISH REFUGEES」(27日)に講師として招かれ、貧乏学者が経験する初めてのビジネスクラスの旅である。確かに座席は広く食事もよい。夜はゆったりと横になって寝られるからあまり腰痛もなくロサン

ゼルスに到着できた。講演までに体調を整えようと公式行事が始まる4日前に私的にロサンゼルスへ向かった。予定通り旧友がロサンゼルス空港で出迎えてくれた。

   カルフォルニア州が全米でも日本人人口はトップの26万人(米2010年国勢調査)で、ロサンゼルスの日本人人口は2010年では10万人を超えていたが、次第に減少し現在は9万人(2017年10月現在)前後であるが、ロサンゼルスがアメリカで日本人の最も多い都市であることは間違いない。

民的なニュー・ガーディナ・ホテルは、日本人が多い地区に立っている。ゆったりとした部屋で海外初のウォシュレット付日系ホテルだ。欧米ではどんな高級ホテルでもウォシュレットは付いていない。

ただ、一つ困ったことは、ポットも湯沸かし器もないことだ。おまけにペットボトルの水もない。友人が気を利かして炭酸水を何本も持ってきてくれた。

   ニュー・ガーディナ・ホテルの周りには日本人向けの小さなショッピングモールがあり、日本人が多い。朝から日本食ばかりである。欧米社会に身を置き、日本文化の中で生活したのはこれが初めてで少し奇妙に感じたが、日本料理屋さんで出された信州蕎麦がとてもおいしかった。

蕎麦定食は15ドルほどなので、アメリカでは手ごろな価格である。ホテルのフロントで働く人々もほとんど日本人で日本語しか聞こえてこない。

ガーディナ地区はその昔、日本からの移民たちが庭師をしていたのでついた名前のようだ。

   友人と蕎麦屋で食事を終えて帰ろうとすると、「広瀬先生」と後ろから追って出てきた若い女性が声を掛けてきた。振り向むくと十数年前にノートルダム清心女子大学を卒業した私の元ゼミ生であるから驚きだ。

偶然というのはあるものだ。本当に世界は狭い。ひとしきり話してから、今回の講演会の事も話すと是非参加させていただきたいという。永住権を既に取得し、日本人向けの塾を経営しているようだ。

    あっという間に22日~26日までの快適なロサンゼルス日本社会での日々が過ぎた。26日午後にガーディナ・ホテルを後にして日本領事館が予約してくれたロサンゼルス中心街の豪華なホテルへ移動である。ホテルに入ると日本人の姿は全くない。

少数の富裕層の中国人らしき人以外は金髪碧眼の白人世界なのだ。アメリカ社会独特な住み分けかもしれない。

   前日、領事館の小林大和(やまと)領事から連絡が入り、詳細な講演会当日のスケジュールが届いた。明日は文字通り分刻みのスケジュールが組まれている。

作るのも大変だろうと思う。やはり、公的な講演会は綿密に計算されたプログラムである。ロサンゼルスに在住の世界で講演活動をしているピアニスト平田真希子さんの演奏で会が始まる。私の講演前には、1分刻みの挨拶が続く。

明日はどれほどの人たちが訪れるのかはわからないが大変な催しになるのは理解できた。それと共に私の緊張感も高まる。

   インターコンチネンタル・ロサンゼルス・センチュリーシティに着いて2時間ほど休むと、領事館の車が迎えに来てくれて27日の講演会のリハーサルのために会場へ向かう。

ここで、数時間前に到着したばかりのもう一人の演者である俳優であり、小辻節三の研究家でもある山田純大さんと合流した。

まだ若い純大さんもさすがにお疲れの様子。映画の撮影を終えてすぐに日本を発ったようだ。

講演では私がまず杉原千畝・小辻節三に関係する歴史的、思想・宗教的な背景を説明し、今までの解釈では不十分な点を指摘し、ユダヤ人救助者である二人の日本人の接点をまとめて講演する。

純大さんは小辻家との個人的な関係を紹介することになっていた。

   サイモン・ヴィーゼンタール・センターが運営する寛容博物館内の大型シアターでパワーポイントの資料を実際に映し出してセンターの技師と事前調整をした。さすがにプロ中のプロはお手並みが素晴らしい。そこで、当日の司会をされる館長のリーベ・ゲフト氏とも打ち合わせをする。

1時間ほどのリハーサルが終わり、総領事官邸の歓迎晩さん会に向かった。

   千葉明総領事ご夫妻の住む官邸は閑静な高級住宅地にある大きな邸宅であった。日本国の威信を示す場所でもあるので当然かもしれない。裏庭にはプールもあり、広い庭園ではガーデンパーティもしばしば開かれるとのことであった。

その夜は、総領事ご夫妻と、ピアニストの平田さん、山田さん、領事の小林さんと私であった。お刺身料理から始まる豪華な日本食で

あった。私などには、日本でもいただけない高級料理である。

なんでもカルフォルニアで有名な日本料理人が準備してくれたものであるらしい。

   料理もさることながら、今回のテーマであるユダヤ人社会の特質や、イディッシュ語ユーモアなどの話が中心になり、ご夫妻も興味深く微笑を浮かべながら私の話に耳を傾けてくれた。

日本総領事館でも初めての話題であったと思う。私も主賓として皆さんに何か喜んで頂けることが話せてよかったかなとも考える。奥様である裕子さんの話だと、官邸の周辺には正統派のユダヤ人のコミュニティがあり、しばしば黒装束の人々の姿が見受けられるという。

つまり、富裕なユダヤ人たちが住む安全な一角であるということだ。

純大さんの話だと、イスラエル政府が小辻節三の「諸国民の中の正義の人」賞授与へ積極的に動いているようだ。また純大さんも個人として、そのための資料を色々とイスラエル大使館に提供しているとの話であった。

日本においては、純大さんが小辻節三の研究の第一人者である。忙しい俳優業をしながらも、そうした研究や運動を推進している彼の情熱には頭が下がる。

小辻の長女である高齢のメアリーさんも純大さんに小辻の残したものをすべて譲っているという。絶対的な信頼を得ているのが山田純大という人物である。

その純大さんの話だと、この名誉ある賞を与える「ヤド・ヴァシェム」(ホロコースト記念館)は審査が非常に厳しく、小辻さんの推薦は過去3回退けられたという。単なる名誉の賞ではないらしい。「危険に身をさらし、ユダヤ人を救済した」ことが証明されないと認められないのだ。

外務省は、そうした状況を踏まえて今回の大きなイベントを企画したのだろう。

   美味しいお酒もいただき、部屋の全員が思い思いの話を披露し、とても和やかで楽しいひと時であった。しかし、純大さんと私に与えられた使命の重さを考えると、嵐の前の静けさとでもいうべきかもしれない。

私も、純大さんも明日の講演の事を考えやや緊張していたのは事実だ。

27日当日はあまり寝られず、2時間ごとに目が覚め、結局朝の4時にはベッドを出て原稿の最後の仕上げをした。また予想される質問への答えも 入念に準備し直した。朝食もとらず水だけを飲み、ホテルへ迎えに来てくれる総領事館の公用車の到着を待った。純大さんもお疲れの様子だったが約束の時間には姿を現した。11時から再度会場での打ち合わせをする。

   講演会は開場が午後6時30分であった。それまでに最終チェックを終えて 昼食の予定だった。ところが、私に一つ困ったことが起きた。当初、原稿を  持ちながらのスタイルで準備していたが、パワーポントを使用するために会 場の灯りが落とされていて、演台のテーブルには小さなライトのみである。

  そのために、純大さんのようにコンピューター原稿をそのまま読む方法に切り替える必要性がでてきた。結局、昼食を急いで終えてホテルへ戻り、2時 間ほどコンピューター上の原稿を発表用に整理をし直した。

その作業が終わる頃には午後5時近くなり、仮眠の時間などない。目薬を用意していたのがせめてもの救いであった。

そのまま会場入りをした。不安なのは、準備の 段階で紙媒体の原稿に色々とメモをしておいたのが、コンピューター上にはそれがない。かなり焦る自分があったが、もうこれはどうしようもない。

  いよいよ開演である。平田さんのピアノの演奏(ショパン:「エオリアンハープ」)で講演会が厳かな雰囲気で始まった。日本総領事の千葉氏の挨拶、 日米文化会館・最高責任者である日系の望戸(もおこ)リキオ・ダレン氏の挨拶、それからサイモン・ヴィーゼンタール・センターの副館長であるラビ・クーパー氏の挨拶と続いた。

     その後で、いよいよ私の講演の順である。呼び出しを受けて、高い演台 講演が始まると少しずつ落ち着いた。準備していたイディッシュ語ジョークもきちっと決まって、220余名の聴衆からも大爆笑を誘った。

この笑いが大きな波となり、私を最後まで運んでくれた。講演後もしばらく拍手が鳴りやま なかった。演壇を降りると、ラビ・クーパー氏が満面の笑顔で私を迎え、「素  晴らしい講演でした!」と強く手を握った。

私の後で演台に向かう純大さんの表情にも緊張が見て取れた。海外では 初めての講演であるという。

    始まると、小辻本人や小辻が二人の娘と写った個人的な写真がスクリーンに映し出され、小辻家と親しくないとできない思い出話が披露された。

そのために、会場の人々もとても和やかな雰囲気になっていくのが感じられた。

    演台を降りてきた純大さんの表情にも満足感が浮かんでいた。そんな彼と私は固く握手を交わした。こうなると二人は戦友である。

二人の講演が終わり、再び平田氏のピアノ演奏で会場は少し緊張がほぐれた様子である。その後で、寛容博物館のリーベ・ゲフト館長に続いて、私と山田氏、それに山田氏の通訳者が舞台に戻った。少し気がかりな質疑応答の時間だ。最初に、ゲフト氏は私たち二人が、いかにして小辻のテーマにたどり着いたのかを尋ねた。

私はホロコースト研究の一部としてユダヤ人救助者の研究に入ったことを述べた。いわばユダヤ人側からのアプローチである。

山田氏は、ペパーダイン大学(ロサンゼルス)の学生の時に杉原千畝の話に興味を抱き、進めていくうちに小辻節三にぶち当たり、それから小辻のお嬢さん方にコンタクトを取り研究に入ったということを詳細に説明した。

 このあとで会場から様々な質問が出たが、そのうち二つほど答えに窮するものがあった。一つは、杉原にビザを発行してもらい、団体で日本に来た350

  人のミール・イシヴァー(ラビ養成神学校)の学生はいつ、どうやって上海に移って行ったのかということである。

      大まかには41年に神戸を去り、上海へ移り、そこからアメリカやイスラエルへ移ったことはわかっているが、諸説があり純大さんも答えづらかったと思う。

すべてユダヤ難民の口述証言によるために個々人により異なる場合

 が多い。

もう一つは、かなり意地悪な政治的な質問である。純大さんが当時の様子を伝えるために日本軍が行進する写真を何枚か画像に挿入していたことに関している。

中年の男性が、「日本人はユダヤ人問題では功績は認められるが、他の民族への対処の仕方はどうだったのですか?」と質問してきた。明らかにアジア諸国での日本軍の残虐行為への批判を込めている質問である。

まとも に応えればさらに厄介な質問が飛んでくるだろう。そのことが想定できたので、これは私が受けて立った。

「今回は、ユダヤ難民の救助者の話をしていますが、それはたまたま私がユダヤ人問題を専門にしているからです。なぜそこに焦点を当てることが大 切かということは、民族間の偏見をなくすためには深くお互いの民族を知ることが大切だからです。

私には他の民族間の問題は専門にしていないので無責任な分析はできません。しかし、偏見をなくすためには、具体例を示すことが非常に大切だと私は思います。

そうした意味で今回は日本人とユダヤ人の関係に絞ってお話をしているのです。だからと言って他の問題があることを否定するという意図はありません。

アメリカを始め、今多くの国々で人種間の偏見から大きな問題が起きています。この講演会が、そうした問題を考える一助になれば幸いです」と答えると、質問者はそれ以上何も言わなかった。

     30分ほどの質疑応答後、二人が深々と頭を下げると聴衆から私たちにスタンディング・オベーションが送られた。ありがたい喜びの瞬間であった。

 演会の終了後に催されたレセプションで、千葉総領事が私のところに来ら れて、「やはり、先生が昨日言われていたような意地悪な質問が出ましたね。

   先生のお陰でうまく行きました。本当にありがとうございました」とお礼を述べられた。総領事も気になった質問だったのであろう。しかし、毎回思うことだが、海外での講演会での醍醐味は、そんな質問がきたときに質問者の意図を的確に捉え、瞬時に判断しうまく対処することである。

緊張はするが、 一種楽しみでもある。日本では決して味わえない真剣勝負のようなものかもしれない。

   翌日28日、昼過ぎに帰国する私の便に合わせて総領事館の公用車が8時に迎えに来てくれることになっていた。しかし、空腹で、早朝から目が覚めてしまっていた。

昨夜は、講演会が終わってからも日本とアメリカの新聞記者の方が10人ほど来てくれて、その対応で40分ほどの時間を費やした。

私たちの講演に強い興味を抱いてくれたようだ。そのためにレセプションが終わる20分前にしかレセプション会場に行くことができず、会場に行った時には食べ物は180人ほどの客たちによってきれいになくなっていた。

チーズひとかけらも残っていない。しかし、私のゼミの卒業生や千葉総領事と話せたことは意義深かった。

7時30分にはチェックアウトを済ませ、ロビーで公用車を待っていると後ろから「おはようございます!」という声が聞こえた。純大さんだ。風邪をひかれている様子で、「先生、近づかないでください」と手のひらを見せた。

大さんは、もう一日当地に留まり、翌日の便で帰国予定なので早朝から起きる必要はなかったが、義理堅く挨拶だけはと来られたのだ。芸能界という、上下関係の厳しい世界に身を置かれているせいかもしれない。

しかし、それだけでなく、躾の行き届いた方である。そこで昨夜の反省事項を二人で話した。例の政治的な質問に対する対処の仕方なども話した。

これから純大さんはアメリカで講演をすることが多くなるであろう。老婆心からのアドバイスである。純大さんは、深くうなずきながら黙って私の話を聞いてくれた。

   本当に素直で思慮深い人だ。これからも、彼の様に信念を持ち、世界で活躍してくれる若い日本人が増えてくれることを心から望んでいる。

この講演会を機に、数度の打ち合わせを通して山田純大さんのような若い方と知友  になれたことは、このイベントで得た私の財産でもある