父の遺言 戦争は人間を狂気にする

2022年05月23日 21時44分53秒 | 社会・文化・政治・経済

伊東 秀子 (著)

推薦の言葉 澤地久枝
44名の中国人を731細菌部隊に送ったと懺悔した父の人生を辿ることは
昭和史を血の通う生きたものとして見直すことであった―――
若い人たちへの痛切なメッセージである。


戦争における「加害」の傷痕
人間にとって戦争とは何か
人が人として生きるとは、どういうことか

七三一部隊に多くの中国抗日活動家を送った罪で特別軍事法廷で裁かれた父――上坪鉄一
日中戦争の戦犯たちの「認罪」の記録は今を生きる我々に何を物語っているのか

●主な目次
I 1945年8月15日敗戦
II 日本人戦犯たちの中国撫順での処遇と教育
III 日本人戦犯たちの「認剤」
IV 中国から帰った戦犯たちのその後―「中帰連」の活動
V 日本軍が「満州国」で行ったこと
VI 特高警察と憲兵の支配した「満州国」―関東憲兵隊
VII 七三一部隊
VIII 「三光作戦」
IX 父の行った戦争犯罪

出版社からのコメント

日中戦争の時は憲兵隊長として、戦後は償いに生きた父
「人間にとって戦争とは何か」を問い続けた娘の心の旅


澤地久枝先生から推薦を賜りました!

「陸軍憲兵中佐上坪鉄一は、陸士第三十八期出身。同期に二・二六事件で銃殺刑の安藤輝三、磯部浅一がいる。憲兵になるのは宿命めいている。
憲兵特にその隊長とは、おそるべき残忍な存在であった。ソ満国境の東安憲兵隊長のあと一家は通化で敗戦。上坪は行方不明になる。のち撫順の戦犯収容所で罪状を認め、四十四名の中国人を七三一細菌部隊に送ったと懺悔した。父の生前、語ろうとするのを遮った娘はいま、中国との友好を訴える。父の生まの“証言"は消えたままだ。
『水子の譜』を書いた上坪隆は兄であり、著者は五人兄弟の末っ子。父は遺言書に「絶対に戦争を起こさないように」と、書いている。父の人生を辿ることは昭和史を血の通う生きたものとして見直すことであった。舞台は「満州」。
若い人たちへの痛切なメッセージである。

内容(「BOOK」データベースより)

七三一部隊に多くの中国抗日活動家を送った罪で特別軍事法廷で裁かれた父―上坪鉄一。日中戦争の戦犯たちの「認罪」の記録は今を生きる我々に何を物語っているのか。戦争における「加害」の傷痕。人間にとって戦争とは何か。人が人として生きるとは、どういうことか。

著者について

伊東 秀子(イトウ ヒデコ)

1943年満州(現中国東北地方)生まれ。
1966年東京大学文学部卒業後、東京家庭裁判所調査官を経て、3人の子育てをしながら1979年司法試験合格。
1981年弁護士登録。
1990~95年まで衆議院議員2期を務める。
1995年に弁護士業を再開し、恵庭OL殺人事件や櫻井忠などの弁護を担当。また、医療過誤・行政・労災事件等多くの民事事件に取り組んでいる。
著書に、『めぐりくる季節』、『ひとりから、ひとりでも』(以上花伝社)、『佐川急便事件の真相』(岩波ブックレット)、『恵庭OL殺人事件:こうして「犯人」は作られた』(日本評論社)など。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊東/秀子
1943年満州(現中国東北地方)生まれ。1966年東京大学文学部卒業後、東京家庭裁判所調査官を経て、3人の子育てをしながら1979年司法試験合格。1981年弁護士登録。
1990~95年まで衆議院議員2期を務める。1995年に弁護士業を再開し、恵庭OL殺人事件などの刑事弁護、医療過誤・行政・労災事件等多くの民事事件に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 

撫順戦犯管理所のことを書いた本は何冊か読み、そんなすごく素晴らしいことがあったのか!中国は歴史に残るすごいことをしたのに知らない人が多すぎる。これこそ映画にすべき!友人に広めたい話だ、と思いました。
しかし、中国に嫌悪感を持つ人はきっと「過去」のことと思うかも、とも思いました。
この本は、作者の亡くなったお父さんの言葉から、作者や甥子さんまでが関わっている「今」の本です。
撫順戦犯管理所にいた多くの方々は故人となっています。この素晴らしい話は語り継がれなければなりません。
一人でも多くの人に読んでほしい。映画になって欲しい。この本に出会えて良かったです。
本の状態も良かったです。
 
 

簡単に著者の略歴を書いておくと、
東大入学後日本共産党に入党するも、結婚し北海道移住弁護士開業後、旧社会党から衆議院議員に立候補し当選。
で、今度は自民党の推薦を受けて北海道知事に立候補するも落選、2009年の衆議院選挙では国民新党から出馬するも落選、現在は政界からは引退した状態である。
実兄は「
 水子の譜(うた)―ドキュメント引揚孤児と女たち 」著者の上坪隆氏。

本書は、上で書いた著者の経歴の前後、東大入学前と政界引退後にあたる話が主である。
父親は元憲兵中佐で満州に赴任、戦争後は戦争犯罪人としてソ連、中国に抑留、裁判を受け、終戦後10年以上経ってから帰国。
一方、残された著者の一家は極貧の生活の中でも希望の大学に進学する。

著者は冤罪とされる事件も担当した弁護士なのだから、公開された起訴状や父親の証言を見て長期間の拘留・待遇見直しによる「学習」の効果を疑わなかったのか?という不自然さを感じたが、
それだけ著者の父が戦時中731部隊に捕虜を何人も送り死亡させたことを知った時の衝撃が大きかったということなのだろう。

日本を戦争する国にしてはいけない、日本と中国は絶対に武力ではなく対話しなければいけないんだという主張を見ると、著者の父親だけではなく、その娘である著者自信も「認罪」したのだろうと考えずにはいられない。
 
 
 
 
 

ロシア軍兵士に終身刑、ウクライナで初の戦争犯罪裁判

2022年05月23日 21時42分37秒 | 社会・文化・政治・経済

5/23(月) 19:46配信 ロイター

 5月23日、ウクライナの裁判所は、ロシアの侵攻に伴う初の戦争犯罪裁判で、非武装の民間人を殺害した罪に問われたロシア軍兵士(写真)に終身刑を言い渡した。キーウで23日撮影(2022年 ロイター/Viacheslav Ratynskyi)

[キーウ 23日 ロイター] -     ウクライナの裁判所は23日、ロシアの侵攻に伴う初の戦争犯罪裁判で、非武装の民間人を殺害した罪に問われたロシア軍兵士に終身刑を言い渡した。

戦車指揮官のバディム・シシマリン被告(21)は、2月28日にウクライナ北東部のチュパキフカ村で62歳の民間人を射殺したとする罪を認めていた。判事は被告が上官による「犯罪命令」を実行したと述べた。

ウクライナは、1万件以上の戦争犯罪疑惑を把握しているとしている。

ロシア大統領府からは今のところ今回の判決についてコメントを得られていない。

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人類の普遍性を深く志向する

2022年05月23日 21時21分40秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人間とはいかなる存在であるのか。
人間の探求-「人間の人間らしいまっとうさとは」。
▽変化の激しい時代だからこそ、人間が本来持っている善性について深堀りする。
▽「なぜ戦争が起きるのか」
「どうすれば戦争を防ぐことができるのか」と問い掛ける。
▽人類の普遍性を深く志向する。
▽誰も先を見通せない時代である。
人類の危機的状況にあり、実際に何ができるかを模索する。