全校朝会での「校長の話」は、人権問題について話すことにした。
12月は人権月間ということもある。
人権週間(12月4日〜12月10日)、北朝鮮人権侵害問題啓発週間(12月10日〜16日)も設定されている。
人権問題には、さまざまな問題があるが、今回は、北朝鮮拉致問題について扱うことにした。
理由は、子供達に十分には知られていない問題だからである。
時間はいつもよりやや長め(4分間)くらいになるが、次のような話をしようと考えている。
12月は「人権」を考える月間です。
「人権」とは何でしょうか?
それは、自分らしく生きる権利のことです。
今日は、その「人権」が奪われた人の話をします。
(横田めぐみさんの写真を見せる)
この「めぐみさん」は、新潟県で育ちました。
(日本と近隣国が書かれた地図を見せ、新潟県を指し示す)
中学1年生の時です。
めぐみさんは、夕方になっても家に帰ってきませんでした。
お父さんお母さんは必死で探しました。
警察の人も大勢で探しました。
それでも見つかりません。
お父さんお母さんはずっと探し続けました。
めぐみさんに似ている人がいれば、会いに行苦などして、手がかりがあればどんなところにも行きました。
めぐみさんが帰ってこない間も、ずっと食卓にはめぐみさんの分の食事も準備していたそうです。
20年たった時、「あること」が分かりました。
めぐみさんは北朝鮮という国にさらわれていたのです。
むりやりさらっていくことを「拉致」と言います。
北朝鮮は、この地図で言うと、この国です。(と言いながら、地図を指し示す)
拉致されたとき、船の倉庫に閉じ込められて2日間泣き続けていたそうです。「お母さん、お母さん」と言ってね。
今、めぐみさんは日本に帰ることができたでしょうか?
実は、まだ帰ることができていません。
13歳で拉致されて、今は58歳になっています。
実は、ほかにも大変なことが分かっています。
拉致された人は他にもいるのです。
(拉致被害者の写真を見せる)
このように、ほかにも拉致された人がいます。
(特定失踪者の写真を見せる。)
さらに、北朝鮮によって拉致された疑いのある人は、何百人もいます。
(拉致被害があった場所の地図)
この拉致というのは、日本のいろいろなところで起きています。
この宮崎県でも起きています。
原ただあきさんは、宮崎市の青島海岸で拉致されています。
ある時、中学生が横田めぐみさんのお母さんにたずねました。
「私たちにできることはなんですか?」
めぐみさんのお母さんはこう言いました。
「拉致されたままの人がいることを知ってほしい」
「この問題に関心を持ってほしい」・・・こう言ったんですね。
関心を持つとはどういうことでしょうか?
それは、
なぜ北朝鮮は拉致するのか?
どうすれば返してもらえるのか
北朝鮮とはどういう国なのか?
このような「ギモン」をいろいろと持って学ぶことです。
もし、あなたたちの大切な家族がいなくなったらどうしますか?
実際に、家族が突然いなくなった人たちが、この日本にはたくさんいます。
この〇〇小学校では、5・6年生になったら、拉致問題についてくわしく勉強します。
拉致問題にも関心を持って学んでほしいと思います。
人権とは、自分らしく生きる権利です。
みんなが持っている権利です。
いじめや差別も人権問題です。
これからも、一人一人の人権を大切する勉強をしていきましょう。
これで終わります。