今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「名士というものは、ジャーナリズムに招集されて、そこに登場してはじめて名士である。招集されなければ、そもそも名士ではないから、名士は新聞雑誌が望むことを察して発言する。
(中略)
名声を得ようとするものは、目下流行している言論と同じことを言う。違うことを言うと『村八分』になりはしないかと恐れる。」
(山本夏彦著「笑わぬでもなし」所収)
この一週間、フジテレピ、ニッポン放送による、ニュース番組、傘下メディア、出入り芸人・タレント・従業員を総動員しての「ライブドア叩き」の露骨なキャンペーンを見せつけられてきました。右寄り、左寄りならぬ「下寄り」で、個人々々の放言を我田引水で編集して、普段お題目のように唱えている「報道の公平性・中立性」もクソもへったくれもない有り様です。誰しも「自分のこととなると目がみえなくなる」ものだということを感じさせられる今日この頃です。