今日の「 お気に入り 」は 、山本夏彦さん ( 1915-2002 ) のコラム集から 。
「 明治の人を崇拝したがるのは昭和の人より格段すぐれていると思うから
だろうが 、むろん誤りである 。明治の人というのは 近衛文麿であり
真崎甚三郎であり 東條英機である 。私たちの父の時代の人で 、大事なときに
国をあやまる人々である 。私たちが 明治の人というのは 実は封建の人で 、
漱石鷗外あたりが その『 しんがり 』である 。」
「 老人はむかし自分は戦争の渦中にあったから 、戦争を経験したというが怪しい 。
その渦中にあっても人は多く経験しない 。経験はついに才能の一種か 。」
「 教育は十年で人間を変える 。ヒットラーユーゲントは十年である 。
( わが軍国少年も )紅衛兵も十年である 。共に目は澄んでいたといわれる 。」
( 山本夏彦著「 良心的 」所収 )
厳冬のピョンヤンの中心街で繰り広げられている十万人規模の一糸乱れぬ
デモ行進 、テレビでみるその光景は異様ですか 。何十年この方 、赤の広場
で 、ブランデンブルク門や天安門広場で 、見慣れた風景ではありませんか 。
それらの国々をお手本に 、この国を変えようとしていた人々が沢山いました
し 、今もいます 。まさか「 朝鮮民主主義人民共和国 」を 我がイデオロギー
を体現する同志国家であるとは言えませんもの 、同じ口をぬぐって別のこと
を言っているのです 。