「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2005・07・02

2005-07-02 05:50:00 | Weblog
 今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。

 「人は分別ある存在ではない。(海へ)二百万人も出たか、それなら行くまいと、分別があれば思うはずなのに、思うのはつむじ曲りで、それなら行こうと勇みたつ。人はまねする動物で人が集まる所へ集まって、集まらない所へは寄りつかない。」

  (山本夏彦著「毒言独語」所収)


 「私の頭上には二種のつむじがあって、一つは考え方を、一つは感じ方を支配して、それぞれ曲っているようなのである。」

 「私のつむじは、曲るべくして曲っているのである。こんな世の中に生れて、生きて、これを礼讃せよ、謳歌せよと言われても、私はことわる。少年のころから、私はことわり続けてきた。」

  (山本夏彦著「日常茶飯事」所収)


 「私が信用できるかできないかは最も私が知る私は私を信じない困れば何をしでかすか分らない存在だと思っている幸い困らなかっただけである。」

  (山本夏彦著「恋に似たもの」所収)


 「こうして生きているのは死ぬまでのひまつぶしだ。」

  (山本夏彦著「『戦前』という時代」所収) 
コメント
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