今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「孔孟の子は孔孟でない、ただの赤ん坊である。ひとたび蒸気機関ができてしまえば蒸気機関から出発できる。汽車のない時代には戻らない。これを文明開化という。これ以上開花すれば世界は破滅すると言っても聞くものはないから、言うだけヤボである。『蒸気機関に目がくらみ』のひと言で、電光のように分るものには分る、分らぬものには千万言を費やしても分るまいから万事は休したのである。」
(山本夏彦著「一寸さきはヤミがいい」新潮社刊 所収)
「孔孟の子は孔孟でない、ただの赤ん坊である。ひとたび蒸気機関ができてしまえば蒸気機関から出発できる。汽車のない時代には戻らない。これを文明開化という。これ以上開花すれば世界は破滅すると言っても聞くものはないから、言うだけヤボである。『蒸気機関に目がくらみ』のひと言で、電光のように分るものには分る、分らぬものには千万言を費やしても分るまいから万事は休したのである。」
(山本夏彦著「一寸さきはヤミがいい」新潮社刊 所収)