雨過天晴

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興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

さよなら妖精

2016-02-10 | 

久しぶりに読書感想を。

好きな作家の一人、米澤穂信の『さよなら妖精』。

 

さよなら妖精 (創元推理文庫)
米澤 穂信
東京創元社

 

米澤穂信作品はだいぶ読み込んでいますが、なかなか手が伸びなかった一冊。

というのも主人公が高校生ということもあって、以前読んだ『古典部シリーズ』(感想はアップしていませんが)の延長線なのかな、と勝手に思い込んでて後回しにしたせいです(実際本作は古典部シリーズとして発表される予定だったらしいのですが、出版社との都合で全面改稿になったそうです)。

では、なぜ今更読もうと思ったかというと、『さよなら妖精』の登場人物 大刀洗万智が登場する『王とサーカス』が昨年の「このミステリーがすごい!」「週刊文春」「ミステリが読みたい」の3冠達成したので、では『王とサーカス』を読む前に『さよなら妖精』を読んでおかねば、と思った次第です。

 

王とサーカス
米澤 穂信
東京創元社

 

ちなみに以前紹介した『満願』も上記3冠を受賞しています。

 

満願
米澤 穂信
新潮社

 

さて、『さよなら妖精』に話を戻します。

 

本作の舞台は1991年 日本の地方都市 藤柴市。

主人公は大刀洗万智の友人の守屋路行。

彼と大刀洗が学校の帰り道に出会ったのはユーゴスラビアから来たマーヤという少女。

行き先がないマーヤにおせっかいをやくことになった彼らを含む4人の高校生と、マーヤの交流を描いたものです。

マーヤが不思議だと感じる日本での生活の謎解きと、マーヤが帰国した足取りを追っていくところがミステリー要素になります。

 

守屋や大刀洗は当時の私と同じくらいの年齢で、それだけで私にはより身近に感じました。

ユーゴスラビア紛争について、当時の私には単語として聞いたことがあるだけで、関心事ではありませんでした。

当時の記憶を呼び戻しつつ、新たに知識を仕入れることになりました。

 

マーヤは、6つの共和国で成り立つユーゴスラビアの共和国それぞれの文化・歴史を踏まえつつも、新たな7つ目の文化・歴史を作っていくのは自分たちである、との使命感を持っている。

そしてそのようなマーヤに対して、守屋はある種の憧れを見出す。

同じ年代でありながら、守屋にはマーヤのように熱く感じるものをもっていなかった。

それゆえ、今や戦地となったユーゴスラビアへ自分も行きたいと申し出るが、マーヤに断られてしまう。

その後、守屋は彼なりに熟慮を重ね、あらためてユーゴスラビアへ向かうべく、そしてマーヤと会うべく、彼女の足取りをたどっていく・・・。

 

ミステリーとしての側面よりも、若者の焦燥感や見えない世界へのあこがれといった側面が強く、とても共感できる部分があります。

そして『王とサーカス』で主人公となる大刀洗が、なぜ大刀洗たるのか理解する上で、本作は必要だと思います。

王とサーカス』のあとがきで、米澤穂信本人は『さよなら妖精』と『王とサーカス』の間にストーリーの内容に連続性はないから支障ない旨語っていますが、読んだ私からすると読んでおいたほうが、『王とサーカス』の大刀洗の行動をより理解できると思います。

 

もうほぼほぼ『王とサーカス』を読み終えつつありますが、これも面白いです。

 

 

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梅の香り

2016-02-10 | そのほか

今日もプラプラ歩いていましたら、風が何かの香りを運んでいる。

こりゃ梅だな。

 

と周囲を見回していると、梅の木が花を咲かしていました。

おー、ようやく梅の花が咲き始めたか。

 

 

私のHNのumekouも当て字をすれば「梅香」(こじつけ)。

もうすぐ春がやってきますね。

 

 

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