雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

笑うハーレキン

2016-02-22 | 

今日ボウズで行ったところ、皆から

「すっきりしましたね~」「さっぱりして!」

とか、まーまー好評だったのですが、一部からは

「umekouさん、怖いですよ・・・」

とも。

・・・好意的な意見だけ採用することにしました。

 

さて、最近本を読むペースが早いのですが、道尾秀介の『笑うハーレキン』を読了しました。

 

笑うハーレキン (中公文庫)
道尾 秀介
中央公論新社

 

ハーレキンとは「道化師」のことだそうです。

初めタイトルを見て、高校時代に同級生(♀)が「ハーレクイン・ロマンス」を愛読していたことを思い出しましたが、関係ないですね。

 

主人公は子供を事故で亡くし、妻にも離婚された、家具職人の東口。

元は家具会社を経営していたのだが、会社は破綻してしまい、今やトラックの荷台で寝泊まりするホームレス。

川沿いの空き地でホームレス仲間と生活している彼には助手席に「疫病神」と名付けた謎の老人がいつも囁いてくる。

ある日図書館に新聞を読みに行った帰り、彼のトラックには謎の女が座っている。

彼女曰く「弟子にして下さい」。

 

以前読んだ透明カメレオン』やカラスの親指』のように仲間同士が集まって何かを始める、というスタイルになっています。

社会的弱者であるホームレスの心の内にも踏み込み、普段は言えない彼らの叫びを掘り起こす。

心に闇を抱えていても、素顔を出せずに仮面を被って生活している「道化師」たち。

運命を受け入れ、現実を受け止め、その中でようやく差し込むささやかな光に気付いていく・・・。

 

ホームレスという自分自身の立場を受け入れられない東口に大いに共感する部分もあり、あっという間に読み終えました。

私もそうですが、現状を変えたい、前に進みたいと思っている人には背中を押してくれる作品ではないでしょうか。

少し勇気づけられました。

 

 

 

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