十勝管内の大手食品スーパー福原(帯広、福原郁治社長)が経営する「フクハラ西5条店」(帯広市西5北2)で昨年、外国産豚肉を北海道産と産地を偽装して販売していたことが15日、明らかになった。同社は調査委員会を設置してチェック態勢を強化する方針を示しているが、買い物客からは憤りや驚きの声が相次いだ。

 西5条店で少なくとも昨年2月18日から10月10日までの間に販売された「北海道産豚肉(肩)切り落とし」1300パック(約270キロ)のうち、1~2割が米国産かカナダ産だった。道は15日、福原に全食品の表示点検を求めるなどの指示をしたことを発表した。

 産地偽装の豚肉を買った市内の男性会社員(57)は福原から連絡を受け、ポイントカードのポイントで返金を受けた。「国産しか買わないようにしている。店側は『申し訳ない』と話していたが、消費者は表示を信じるしかない」と厳しい表情で語った。

 店は平常通り営業しており15日、仕事帰りに立ち寄った市内の女性会社員(52)は「家族が食べる食品には気を使っており、不正はあり得ない。約束事をきちんと守ってほしい」と注文した。近くに住む女性会社員(51)は「道産品を仕入れていると思っていた」と驚いた様子だった。

 道によると、産地偽装したのは別の店に勤務する食肉担当の社員。売れ残りの外国産肉を2割程度高い道産のラベルに貼り替え、翌日に店頭に出していたという。社員は道などの調査に「作業の簡便化を図ろうとやってしまった」と説明。道は個人の判断で偽装が行われたとみているが、福原に対しても「食品表示の認識の著しい欠如と、管理体制に不備がある」と厳しく指摘した。

 同社は再発防止策として、産地表示の点検を強化する方針。2014年10月~15年10月10日の間に購入した対象商品の返金も行っている。購入記録が残るポイントカードの返金はほぼ終え、現金の場合はレシートが必要になる。(小森美香、池田大地)