在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

7 rossi; Pepe, Marchesi di Grey, Conterno ecc. 赤ワイン7種、エミディオ・ペペ、グレジ、コンテルノ他

2016-03-18 09:35:39 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d’Abruzzo 2012 Emidio Pepe
Le Serre Nuove dell’Ornallaia 2013 Ornellaia
Taurasi Radici 2010 Mastroberardino
Barbaresco Martinenga 2009 Marchese di Gresy
Rosso del Conte 2007 Tasca d’Almerita
Aglianico del Vulture Serra del Prete 2012 Musto Carmelitano
Barbera d’Alba Francia 2012 Conterno



友人ルカの主宰する試飲会。
ブラインドではない場合とブラインドの場合があるが、今回のは完全なブラインドだった。
わかっているのは赤ワインであること、イタリアワイン、そして金額が24-32ユーロということだけだった。

ルカの試飲会は、彼がポケットマネーで買うワインというのがコンセプトなので、例外を除いて、ワイナリーから提供を受けたワインではない。
利益のためにやっているわけではないので、参加費も安いし、ワインも比較的エコノミカル、高級なワインは少なく、たまにブラインドですごく安いワインを混ぜたりして面白い。
つまり、10から15ユーロ程度のワインをベースに、少し高いワインと安いワインを混ぜるということが多いのだが、今回は、全てが24から32ユーロというかなりバジェットの高いものだった。

まず、基本となるワイン、つまり通常の値段のワイン(10ユーロ程度)を1本。
ルカが自家消費用に買っているドルチェット。(別ページ参照)
そして、7本の順番はくじ引きで決めるというこりよう。
ただし、ボトルには「印」が付けてあるので、ルカだけは順番がどうなってもワインが何かわかっている。



Montepulciano d’Abruzzo 2012 Emidio Pepe
最初、素晴らしく素敵だった。すぐにビオとわかる香り、しかし、臭みが強いわけではなく、エレガントで、デリテートで余韻が長く続き、タンニンも繊細。しかし、最初のワインだったこともあり、1時間後には残念ながら臭みだけが出てきて、良さがほとんど消えていた。最初++++(+)最後+++

Le Serre Nuove dell’Ornallaia 2013 Ornellaia
すぐにカベルネが入っているとわかる。偶然だがガラッと変わって、太さ、強さがあり、作られたワインだとわかる。タンニンはまろやか、持続性もよく、フィニッシュにも存在感が残る。30分後にはチョコ、カラメル、カカオなどで出てきていた。良いワインだとわかるが、個人的にはちょっと作られた感が強すぎ、が印象。+++(+)
ラベルをオープンにすると、なるほど。なお、これだけバジェット以上のワイン。


Taurasi Radici 2010 Mastroberardino
灰の香り、私はキノコ系、そして、しばらくしてクミンなど、意外な香りが続出。アニマル系、ビオ系の臭みとは違う。酸があり、持続性はまずまず。塩味がかなり印象に残る。+++(+)

Barbaresco Martinenga 2009 Marchese di Gresy
色がかなり薄く、外観ではピノ・ネーロかと思ったが、香りは違う。ネッビオーロ。花の香り、野いちごなどとてもきれいで、エレガント。タンニンが繊細で持続性も申し分ない。+++++

Rosso del Conte 2007 Tasca d’Almerita
これはアニマルの臭みがある。ふくよかさがあり、その中にミント風の香りも混じり、アルコールがやや上がってくる。味は野菜のブロード、ゆで卵の香り。。。(ごめんなさい)持続性は悪くないし、ふくよかさと、太さ、存在感はある。++++


Aglianico del Vulture Serra del Prete 2012 Musto Carmelitano
鉄、ミネラル、バルサミコ、革、オレンジ、酸もあるのだが、その直後まろやかさも出ていて、しかしタンニンもしっかりある。持続性も悪くなく、余韻に小豆を感じたり。複雑というわけではないのに、悪くない印象。++++
これは実はバジェット以下のワイン。

Barbera d’Alba Francia 2012 Conterno
花、フルーツ、ミネラル、血の香り、複雑でとても良い。酸がきれい、しかし強くはなく、タンニンが繊細、持続性がよく、かなり好み。+++++
と思ったらバルベーラだった。それもコンテルノ。好きなわけだ。

完全なブラインドで、全く何かわからない状態でワインを飲むと、いろいろな香りが出てくる。
つまり、わかっていると、この香りがあるはずという先入観が働くので、それをヒントに頭が動くが、「無」からは面白いものがたくさん出てくる。

Dolcetto d'Alba Piano delli Perdoni 2014 Mossio ドルチェット 2014 モシオ

2016-03-18 09:15:50 | Piemonte ピエモンテ
Dolcetto d’Alba Piano delli Perdoni 2014 Mossio
ドルチェット・ダルバ ピアーノ・デッリ・ペルドーニ 2014 モシオ



ルカの主宰する試飲会は、試飲するワインの前にパラメーターとなるワインを出すことが多い。

これは、完全ブラインドのワインの順番をクジで決めるので、一番最初に当たったワインはたいてい部が悪い、と思っていることからある。
確かに、試飲会では一般に(ブラインドではない)、最初は軽いワイン、つまりたいていの場合安いワインでもあり(その後のに比べての意味)、品質の劣る(同じくその後より)ワインであることが多いので、そういったイメージも自然と働くのだと思う。
ただし、2本のワインをブラインドで試飲させると、1本目の方が美味しいという人が多いという逆の心理も働く。。。

だから、あってもなくても、とは私の個人的見解だが、ともかく、その試飲会のベースとなるワインを最初に出すというのが彼のやり方。
今回は、完全なブラインドで、24から32ユーロという、彼の試飲会にしては高級なワインが出るという趣向だったので(別ページを参照)それをいきなりではなく、とにかくいつもの価格帯10ユーロ程度のものを1本飲んでから、ということだった。

選んだのは、彼が年間数ケース買って自宅消費用にしているドルチェット。
(なお、これだけはブラインドではない)
ドルチェットは、昔、好きで飲んでいたのだが、ワインの勉強を始め、嫌いだったベルベーラを好きになったころから、好きだったドルチェットが好きではなくなった。そこで、今はどちらかというと避け、進んで飲むことはしないのだが、このドルチェットはドルチェットらしからぬところが美味しい。

実はこのワインは、今回はブラインドではなかったが、以前、ルカにブラインドで出され、ドルチェットだとは思わなかったドルチェットである。

チェリーがきれいで、そこにステンレス風、やや、血を思わせる香りが混じるところがドルチェットらしくない。香りがだいぶスッキリしている。しばらくして、ドルチェットらしいふくよかな感じが出てくるが、ぼってっとしてた重たさがない。そして、ほろ苦さが上がってくる。
酸がきれいに出ているのもドルチェットのイメージとは違う。重たくなく、持続性も程よく、最後にほろ苦さが残る。
いたってシンプルだが、心地よく、飲んでいて飽きないワイン。
合わせられる食事も、肉系、野菜系の料理なら大抵のものに大丈夫、というタイプ。

なお、試飲会で出たブラインドの7ワインについてはこれから。。。。