(写真は桂林。市場のあるとおりを曲がりくねった通りの出口に張られていた、求人広告です。)
桂林 夜の市場
バスの中で、ミスター桂林ガイドが、
「雑技団に行きたい方はいませんか?」
とたずねて下さった。
なんていい人・・・
「私たち三人も、行きます。」
と即答。
ミスター桂林はバレエ的な要素の濃い雑技団で、お勧めだと笑っていた。
劇場行きは夕食後。
行かない人たちをホテルに送り、観る人はバスの中に残る。
劇場は結構近かった。
開場まで少し時間があるということで、ミスター桂林は夜の市場に連れて行ってくれた。
公設市場はしまっていた。
周りの店や道も思いのほか暗く、ほとんどの店が閉まっている。
満州点心の店(売り専門)や果物屋、肉屋、菓子屋などが点在して、灯をともしていた。
店も前の中国らしさの感じられるパンダの乗り物(デパートの屋上などにある子供用の乗り物)があったので、フラッシュ無しで写真を撮ろうとしたが、店主が睨みつけて店の外に飛び出してきた。
何でも写真に収めようとする私もいけなかったのだが、怖かった・・・・・・
これがきっかけとなり、以降夜は、カメラを持たずに出歩くことにした。
道は暗く、ほのかな匂いも漂い、豪快なゴミ箱のような通りもあった。
道には、ごみやビニールや練炭の灰が、潔く投げ捨ててあった。
初めてこの光景を見たならば、きっと閉口していたと思うくらいの量のごみの道だった。
いかにせん、この光景は賀州でも見かけたことがある。
中国では練炭の灰などは店の前に投げ捨てて、朝に掃除をするといったところも多いようだ。
ただ、賀州の店の前は練炭の灰だけが投げ捨てられていたので、違和感は無かった。
ミスター桂林ガイドは頭の良い方だった。
バスの内外を問わず、彼が度々言っていたことばがある。
「中国の本当の姿をみて下さい。」
この市場も上のことばを付け加えて、つれてくださった。
本当に貴重な経験をさせて頂いた。
ただ、この光景も中国人ガイドが案内できる範囲の中国であるといったことが、何冊かの岩波新書を読んで感じ始めている。
中国は深い。
私たちが想像を絶するくらい素晴らしく、またいろいろな顔も持つ国なんだな・・・・・・
練炭の 灰投げ捨てる 深き闇