乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

125; 『吉村作治の 世界博物探検記』 吉村作治 著  集英社

2009-08-25 | 読書全般(古典など以外の一般書)





 記録だけ  2009年度 125冊目          



    『吉村作治の 世界博物探検記』

       
            


 吉村作治 著

 1998年7月10日 初版

 集英社

 159ページ 1800円+税  



 本日の四冊目は『吉村作治の 世界博物探検記』

 とにかく楽しい。

 自分が旅をしている感じ。

 エジプト学者ということもあってかどうだか、視点が興味深い。



 イランの項目では懐かしく読んだ。

 ペルセポリスは吉村作治の見方で回ると一週間はかかると書かれていた。

 連日一週間ともなると、ちょい!大げさな感じもしないわけでもないが、主婦の私でさえペルセポリスは見応えがあると感じる。

 いくら見ても見る所が多い。



 ペルセポリス右外壁に彫られた古文書は、『吉村作治の 世界博物探検記』に写真を載せられていた。

 でも、ペルセポリスの◯側◯のペルセポリス部分の◯◯には秘密がいっぱい。

 誰も余り行かない所だから、多分、見てられないんだろうな。

 夫とて、私が教えてあげたものがあるんだ。

 これは内緒だよ。



 香辛料屋さん前で乾燥イチジクの袋を持っている吉村作治さんを見て、思わず、
「ずる~い。」
と叫んでしまった。


 
 イランの入国が厳しくなった。

 だが、吉村作治さんの用な経験は一度もない。

 何事もなく通過できることが多い。

 一度は夫がスールケースを開かされたことがあった。

 イランでは男女別。

 早々に通過の私は男性用の方に向かう。

「バッッテリー。バッテリー。」
と私は笑っていた。

 係員も、
「いい旅を。」
と笑う。

 なんだかんだのクレームを付けられたことはない。



『吉村作治の 世界博物探検記』を読んで行きたくなる所がいっぱいあった。

 ナスカが気になりペルーは注目しているが、思った通り 高山病は怖いようだ。

 やはり無理であると悟った。





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124; 『イスラームを知ろう』  清水芳見 著  岩波ジュニア新書

2009-08-25 | 読書全般(古典など以外の一般書)




 記録だけ  2009年度 124冊目          



    『イスラームを知ろう』

       
            


 清水芳見 著

 2003年4月18日 初版

 岩波ジュニア新書 430

 194ページ 780円+税  



 本日の三冊目は岩波ジュニア新書の『イスラームを知ろう』

 岩波ジュニア新書破時々楽しむけれど、結構満足の行くものが多い。

 今回の『イスラームを知ろう』は良かった。

 知らないことが多い。

 生活習慣や風習なども細やかに書かれているので、比較民族学的な立場から見ても面白い。

 大人が読んでも満足のいく一冊だった。


 清水芳見先生って名前は知っているんだ。

 どこで見たんだろう。

 何を読んだんだろう。

 記憶力の悪さは天下一品。


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123; 『サライ 「能・狂言」幽玄なるこころの旅』 今こそ目指したい日本人の美意識の原点

2009-08-25 | 読書全般(古典など以外の一般書)



 記録だけ  2009年度 123冊目          



    『サライ 「能・狂言」幽玄なるこころの旅』

      一冊丸ごと大特集  易しい解説で、敷居がぐっと低くなる

      今こそ目指したい日本人の美意識の原点

    
      
  

 2009年3月5日

 166ページ 500円



 今年123冊目は雑誌。

 雑誌といえども、ばかにする事なかれ。

『サライ 「能・狂言」有限なるこころの旅』とあって、能楽満載。

 それにしても【今こそ目指したい印本陣の美意識の原点】とはえらくたいそうな雰囲気。



 きれいだわ、面白いわ、時間を忘れるわ。

 三拍子そろったサライの能楽特集。

 サライはもともと好きだが、今回はグッド!

 すごくいい。

 


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122; 『腕くらべ』 永井荷風 著  『集英社に本文学全集 20』

2009-08-25 | 読書全般(古典など以外の一般書)




記録だけ


  2009年度 122冊目


    『腕くらべ』

                                      

 

 永井荷風 著

 大正5・8~6・10

『集英社に本文学全集 20』 より

 2段 120ページ  ?円





 永井荷風の『腕くらべを読む。』 

 冒頭部分からいきなり帝国劇場。

 話は歌舞伎の幕間から始まる。

 腕くらべの【一】破その名の通り、幕あい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 幕間に散歩する人たちで帝国劇場の廊下はどこもかしこも押し合うような混雑。ちょうど表の階段をば下から昇ろうとする一人の芸者、上から降りて来る一人の紳士に危くぶつかろうとして顔を見合わせお互いにびっくりした調子。
「あら、吉岡さん」
「おやお前は」
「何てお久しぶりなんでしょう」
「お前、芸者をしていたのか」
「去年の暮から……また出ました」
「そうか。何しろ久しぶりだ」
「あれからちょうど七年ばかり引いていました」
「そうか、もう七年になるかな」
 幕のあく知らせの電鈴が鳴る。各自の席へと先を争う散歩の人で廊下はひとしきり一層の混雑。そのためかえって人目に立たないのを幸いと思ってか、芸者は紳士の方へちょっと身を寄せながら顔を見上げて、
「ちっともお変わりになりませんね」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(文のとおり)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
から始まる芸者の駒代と吉岡との再開。

 帝国劇場のようすと二人の再会のようすが目に浮かぶ、美しい出だし。



 主人公の駒代は元芸者として出ていた。

 十代終わりに結婚したものの夫が早くに亡くなり、夫の里には居辛い。

 今は、新橋に戻ってまた芸者。



 芸者の頃に海外留学のために別れた元の馴染みの吉岡と,帝国劇場で再会。

 二人はまた深い仲となる。



 駒代は役者の瀬川とも深い仲に。

 ほほう。この辺りが達者だ。

 ただ、役者との恋。

 駒代に踊りの振付けなどから濃いに陥った。

 瀬川は、自分自身も役者なのだから本来ならひたすら芸と人情を尊ぶ役者気質をこそ重んじるべきであるという。

 だが、愛情よりも金銭を選ぶ。

 馴染みの駒代を捨て、莫大な遺産を持っているという金持ち芸者君竜のもとへ。



 一方吉岡は、はじめは駒代を引かせて自分だけのものにしようとする。

 彼女が瀬川とも深い仲であることを知って駒代を捨てる。

 当てつけにか、菊千代を引かせて店を持たせる。 

 そして吉岡は淫乱で肉体だけを売り物とする菊千代に溺れ、駒代を捨てて菊千代を妾にする。       



 永井荷風のユニークな部分はt頃どころ話のアクセントになる。

 例えば芸者同士の会話。

芸者「吉岡さんはきれいです。(要約)」
駒代「そんなにきれいですか?私は仁丹の絵みたいに見えますけど。(要約)」
といった具合。


 付いたり離れたり計算したり云々。

 想像するような芝居がかった花柳会を垣間みた感じ。

 この小説は、古風な芸者気質をわずかに残している駒代と、現代感覚の芸者菊千と、金持芸者君竜との腕の比べが読みどころ。






 写真は大坂のえべっさんで見た、きれいな芸者さん。

 小説とは無関係の美しい方です。


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