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書評というほど大層なものではないが、大いに感心した本がある。タイトルにも
あるように、『聞く力~心をひらく35のヒント(阿川佐和子著)』は名著である。
先日亡くなったゴルフの杉原輝夫さんのゴルフ指南書と同様、役に立つし面白い
(杉原さんの本の説明は割愛)。なぜ阿川さんのこの本を誉めちぎるかというと、
実践に基づいた指南書、いってみれば宮本武蔵の『五輪書』のような輝きを持っ
ているからである。土曜日だか、日曜日だかの朝7:30からの対談で聞き手をやっ
ていらっしゃる。最高のインタヴューアーだと確信した。そんな中、件の本で知
ったのだが、その対談でお相手したのが千人近いとか………だからなんだと納得
もし、いまは完成された名人芸を見せていただいているのだと納得をした。
わたしは森山良子さんの回を見たのだが、色々な話を引き出し、とどまるところ
を知らない。途中ではプロの歌手の前で歌を歌う。かってジュリーアンドリュー
スの前で許可出たので延々と歌ったら不機嫌な顔をされたらしい。ジュリーを知
らないのでどんな性格かわからないが、天使のようなジュリーが舌打ちをした
(阿川さんは舌打ちをしたとはいっていない)らしい。二回目はキング・カズこと
三浦知良の時であった。カズファンの妻が録画したのを一緒に見たのである。私
の話はいっこうに聞こうとしない妻に阿川さんとその番組がいかに素晴らしいか
を話すのだが、阿川さんよりもカズのほうに関心のある妻は、阿川さんなどどう
でもいいのである。その日の文脈がどんなものだったかよくわからないがワール
ドカップでの恨みを持っていないこと納得が行くまで現役をやるという気持ちは
伝わってきた。聞くべきはすべて聞きつくしたとおもう、恐るべしである。田原
トシちゃんとの交遊も披露していた。
こんな阿川さんのだした本である。読みやすいし、面白いし、技術論も秀逸であ
る。買いたいのだがまだ買っていない。最近とみに目が衰えている私がなんの苦
もなく立ち読みができるのである。あと、3回位立ち読みすれば読了できる。も
し立ち読みが完了すれば買わないのか。ここまで誉めちぎった成り行き上それは
できないだろう。いつかわからないが私の本棚に入ることは確実だ。