2/24
「秋の夜を長みにかあらむなそここば眠(い)の寝らえぬも独り寝(ぬ)ればか(歌七首 4/7 #15.3684)」
「秋の夜は長く感じる寝苦しい眠くも寝れず独り寝のため()」
「たらし姫御船泊てけむ松浦の海妹が待つべき月は経につつ(歌七首 5/7 #15.3685)」
「足らし姫御船が泊まる松浦海の妻が待つだろう月はたったが()」
「旅なれば思ひ絶えてもありつれど家にある妹し思ひ悲(がな)しも(歌七首 6/7 #15.3686)」
「旅だから思い通りにいかないが家に居る妻思えば悲し()」
「あしひきの山飛び越ゆる雁がねは都に行かば妹に逢ひて来(こ)ね(歌七首 7/7 #15.3687)」
「あしひきの山飛び越える雁たちよ都行くなら妻に逢ってほし()」
2/23
ずうーっとサラリーマンをやってきた。だからというわけではないが回りもサラリーマンが多い。いまはもう最初のところをリタイアをして、第二の職場で割りと楽しくやっている。サラリーマンという一つのことを長くやっていると、蘊蓄の一つも語りたいし、人のためになるような深ぁーい話もしてみたい。しかし、振り替えるとそういうものは見当たらない。厳しい環境で揉まれ、最前線で生きてくれば、なにか語れるかもしれないが、それができないのは、のほほんと暮らしてきたのかもしれない。若いときは、感性も研ぎ澄まされ、ものごとを0か1かではっきりさせたい思いを持っていたが、いつしかその矛先も鈍ってしまった。
スポーツの世界のようにルールが決まり、そのなかで勝ち負けを決するという形式が好きで、努力のやり甲斐もあり、いいも悪いも自分の責任で結果にも納得があった。ところがビジネスの世界は、まずルールがないことに愕然とする。ルールはあるのだろうが、暗黙の了解みたいなところがあるし、。対戦者のランクもなし、誰がどのような技を持っているのかもわからず、どんな技がポイントが高いのか、評価者は何で評価したのかもわからず、自分の勝ち負けもわからないという状況である。わたしはある意味ビジネスの世界では成功しなかった落伍者である。そんな私が蘊蓄とか、深い話などを話せるのだろうか。とりあえずは無いとしておこう。
自動車修理工場の番頭のような仕事をしていた父を見てサラリーマンがいい、自営業には金策という辛い仕事がある、老後も不安であると考えてサラリーマンになった。なりたての頃、所得倍増論が叫ばれていて、日本は右肩上がりの成長路線をひたむきに走ることになり、結果として一瞬世界一にもなった。日本はうろたえた。バブルがはじけた。日本的なシステムである年功序列や終身雇用の是非が取り沙汰されるようになった。デフレになってはや20年、インターネットの普及とも関係があるのだろうが、日本的なシステムも崩壊しつつある。たぶん過渡期なんだろう。レガシーな時代のレガシーな蘊蓄は聞くに耐えないかもしれないが、なにか一言くらいは残したい。あえて探すなら、ルールの解釈についてである。成功体験でないので、誤っていないといいが保証の限りではない。サラリーマンが成功して伸びていくためのルールとは………
(1)組織の成長に貢献
(2)面倒見のいいリーダー
(3)俺に任せろ
(4)自分への信頼
(5)ルールは可変
こんな風に考えてみたが、反省点は多い。社会ルールが変貌していく中、こんな忠告など意味がないかもしれない。若者のホンネを斟酌すると、趣味と実益をかねた仕事をしなさいとか、自分を信じて好きにやれば…とか忠告するのがいいのかもしれない。
2/23
「(肥前国ヒノミチノクチノクニ松浦郡マツラノコオリ狛島の亭トマリに舶泊てし夜、海浪ウナハラを遥望ミサけ、各オノモオノモ旅の心を慟カナシみてよめる歌七首)」
「帰り来て見むと思ひし我が屋戸の秋萩すすき散りにけむかも(歌七首 1/7 #15.3681 右の一首は、秦田滿ハタノタマロ)」
「帰り来て見ようと思うわが家の秋萩すすき散ったかも()」
「天地の神を乞ひつつ吾アレ待たむ早来ませ君待たば苦しも(歌七首 2/7 #15.3682 右の一首は、娘子ヲトメ)」
「万物の神を願って吾は待つ早く来てあなた待てば苦しい()」
「君を思ひ吾が恋ひまくはあら玉の立つ月ごとに避ヨくる日もあらじ(歌七首 3/7 #15.3683)」
「君思ひわれ恋するは新しい月になっても止まることはない()」
2/22
「シロクマのこと考えるなと言われたらついシロクマを考えるもの()」
「シロクマを克服するにはメーターが振り切れるまで考えること()」
「時たてば忘れるけれど半年はかかると言える曲線見れば(6ヶ月というのは忘却曲線)」
「半年も辛い気持ちを引きずらず裏ワザがあるそれは塩ぬり()」
「傷口に塩を塗るとは辛いけど自ら傷め棚卸しする(自虐的になって、『感情の点数化日記』をつけること)」
「シロクマをこころの奥に飼うなかれじっと見つめて去るようにしろ()」
2/22
「妹を思ひ眠イの寝らえぬに秋の野にさ牡鹿鳴きつ妻思ひかねて(歌七首 5/7 #15.3678)」
「妻思い寝るに寝られぬ秋の野にさ牡鹿鳴くよ妻を思って()」
「大船に真楫しじ貫き時待つと我は思へど月そ経にける(歌七首 6/7 #15.3679)」
「大船に真楫貫き時待つと私思えど月は経つなり()」
「夜を長み眠イの寝らえぬにあしひきの山彦とよめさ牡鹿鳴くも(歌七首 7/7 #15.3680)」
「夜長く寝るに寝られぬあしひきの山彦響くさ牡鹿鳴いて()」