がじゅまるの樹の下で。

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キンマモン

2012年04月20日 | ・『テンペスト』行脚

 「偉大なる琉球の大神キンマモンよ。私の布令が正しければ降りて来い!」


刹那、京の内が閃光に包まれた。

馬天ノロの勾玉に落ちた雷は、京の内の半分を吹き飛ばした。

 

「テンペスト(上)401」(池上永一著/角川書店)

 

毎週木曜日22:00~の「テンペスト」地上波放送に合わせて、
テンペスト関連の記事をちょこちょこ入れていきます(笑)

でも今日はいつもの「テンペスト行脚」とは趣を変えて。
(本文引用してるのでカテゴリはこっちにしときますが)

今回引用したのは「超人」寧温君が
“国の有事にしか現れない伝説の神、キンマモン”
を降ろすというシーン。

 

というわけで、今日のピックアップはこちら!

キンマモン

漢字で書くと「君真物」

 

キンマモンについての細かい見解や説は
たとえばコチラのサイトを見ていただくとして。
(※追記※サイトが変わっていたのでリンク外しました)

 

 

ワタシが今回ネタにしたいのは

この、とりあえずとんでもなく偉大な神「キンマモン」を、

 

 

 

あの大城賢雄が降ろしていた(!)

 

 

 

という、古琉球の話(笑)

 

時は1458年。

阿麻和利の、王府反逆へのたくらみを知った大城賢雄は
百十踏揚を連れ、勝連グスクを脱出。

途中、勝連の追っ手に追いつかれそうになるも、
オモロを唱えて超常現象を引き起こし
無事に首里城までたどり着きます。

しかし、父である尚泰久王は
「こんな夜中に女が男(賢雄)に連れられて来るとはなんとふしだらな!」
と怒り、扉を閉ざしてしまいました。

門があかないことに絶望した百十踏揚は首をつって死のうとしますが、
賢雄が急いで止めに入ります。

そして賢雄が手を合わせオモロを唱えると、

キンマモンが出現し、託宣が下された、

というのです。

キンマモンの出現によって百十踏揚の潔白を知った尚泰久は門は開き、
阿麻和利のたくらみを知るのです。

 

出た!スーパー賢雄!!

やっぱり、ただものじゃないぜ

 

ちなみに、↑は護佐丸の子孫が書いた
「毛氏先祖由来伝」から引用しました。

でも賢雄の子孫が書いた「夏姓太宗由来記」では
キンマモン(君真物)という単語はなく、

忽然として押明森の下南方に奇異成大光出現あり

という表現になってます。
尚泰久が門を開けなかった理由もちょっと違うのもオモシロイです。

 

   
キンマモンって面白い響きだよね。
10回言ったらなんだか愉快な気持ちになれます(笑)
ちなみにこのシーンはドラマ版テンペストにはありません。

コメント (8)
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