墓ばっかりの記事が続くとアレなんで
(それでもこのこのブログ、墓率高いと思うけど…(笑))
今日はこちら、南山の名水「嘉手志川(かでしかー)」
あの有名な嘉手志川です。
最近つくづく思うこと。
歴史上の人物でもなんでも、その人物に「言葉(セリフ)」がつくと、
とたんに「生身の人間」として認識しやくすくなるよね
ってことで、小説「琉球三国志(加藤信司著)」からドラマ仕立てにご紹介♪
(※一部文脈を短縮しています)
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「これはすごい。このような屏風はみたこともない」
巴志の隣で身を乗り出して見ていた他魯毎が目を輝かせながら呟いた。
「それほどお気に入りならば、他魯毎殿に差し上げてもかまいませぬぞ」
「それはできませぬ。このようなお宝をいただいたのでは、
お返しするものが思いつきませぬ」
「返礼など別にいりませぬぞ」
「そういうわけにもまいりませぬ。
もし、あれをいただけると言われるのなら、
ぜひそれに見合うものを何なりとお申しつけ下され」
巴志は虚空を見上げ、やや考える素振りを見せた。
「そうですなぁ……そう言えば山南城の脇に嘉手志川が流れていますが、
その源流の泉は名水と聞き及んでいます」
「はい、確かにあの泉は山南随一の名水ですが……」
「それでは、あの水を分けてもらえませぬか」
「水をですと。おやすいことですが、しかしそのようなことで本当によろしいのですか?」
「まあ、いいではありませぬか。この話はこれぐらいにして、さあ、もう一献」
と言って、巴志は他魯毎の杯になみなみと酒を注いだ。
懐機と目があった巴志は、してやったりといった表情を一瞬だけ浮かべた。
「琉球三国志(下) 215-」(加藤信司著/歴史群像新書)
↑左奥の丘が南山グスクです。
「どうした?やけに外がさわがしいが」
「嘉手志川の水が流れておりません」
「なんだと!そのようなことがあろうはずがないではないか」
嘉手志川の水が無くなるなどということは、
他魯毎が生まれてこのかた聞いたことがなかった。
「大変です。上流で泉がせき止められました」
「だ、誰がそんなことをしているのだ」
「中山軍です」
「なにい、なぜに中山が!」
「琉球三国志(下) 217-」(加藤信司著/歴史群像新書)
巴志様、策士です。
この小説の尚巴志は結構「影」のある人物で、
他魯毎は結構イイ奴で同情しちゃうキャラなんだ~。
現代版組踊のさわやかヒーローな尚巴志様もいいけど、
この小説のような策士・巴志様も結構好きです
嘉手志川、今もなみなみと水が湧き出でておりました。
鯉もいて、釣りをする少年の姿も。
水遊びによさそうな場所でした
ちょうどこの時に雨がぱらついたりして
青空背景に撮れなかったのはちょい残念だったけど