がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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テンペスト行脚~フール~

2012年05月17日 | ・『テンペスト』行脚

テンペスト第6話「八重山の流刑者」

というわけで、ドラマ本編にもでてくるアレが写真ストックにあったのを思い出して
急遽テンペスト行脚。


 

■フール■

「孫寧温、観念しろ。王府の命令により投獄する」

「どうか、どうかお許しを……。
私は列強の脅威を王宮に報せたかっただけでございます……」

寧温は朦朧とした意識の中で牢舎に投げ込まれた。

豚小屋と併設された牢舎は、
罪人を家畜扱いしても罪悪感を覚えずにすむ造りだった。

夏場になると衛星環境は最悪で
糞尿の臭気が鼻腔に容赦なく襲いかかる。


「テンペスト(下)27-」(池上永一著/角川書店)

 


沖縄の豚小屋、フールです。
(イントネーションはまっすぐよ。プールに非ず)

原作では「フール」という単語は出てこないのですが、
ドラマではまさにこれ。

フールのポイントは、トイレと豚小屋が一緒になっているということ。

つまり…人間のモノを豚さんが…ということです。

 

フール=牢舎というのは……テンペストでの創作かな?

この場面、かわいそうなくらい寧温君が悲惨です。
ドラマ版はかわいいものです。
きっと原作をリアルにビジュアル化すると
仲間由紀恵さんがとんでもないことになるはず…

 

トイレを兼ねた使い方は衛生上の問題から大正時代に禁止となりますが、
豚小屋としてはその後も使われ続け、
ワタシの母ちゃんもフールは「豚小屋」として(かろうじて?)知っている世代デス。

今でも重要文化財の民家などではこのフールが併設されているので
結構目にすることがありますよ。

↑の写真は「中村家」のフールです♪


戦後撮影のフール↓
http://naha.machitane.net/old_photo_big.php?id=2760 

フールについてくわしく知りたい方は↓
http://takara.ne.jp/oroku/wafuru.html
 

 


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【6話語録】

「王府に納める上布だ。いったー、手ぇ抜くなよー」
「抜かずに急げ」

いったー = お前ら

やったー とも言います。
やー(お前) の複数形で やったー。

やったーじゃなくて、ゴーヤーと一緒でまっすぐ(笑)

私たち は わったー

6話はわき役が光ってる回

コメント (6)
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尚巴志も飲んだ、チチンガー

2012年05月17日 | ・琉球史散策/グスク時代

島添大里グスクのすぐ隣にあった、
チチンガーという泉。

水元までは地上から8メートル下にあるため、
上には拝所が。

小さくもアーチ形に組まれた石が、
なんか威厳がある感じ。

8メートル下を見下ろす。

周りを石垣で囲まれて、
中城グスクの北の郭にある大井戸にも似た雰囲気です。

でもだいぶ古いようで、
崩落防止のネットがかけてありました。

地震とか来たら、ヤバイかも…。

水元。

ガマの中は水でたっぷり浸っていました。

ざぶーんって奥まで入っていけそう…。

ちょっと神秘的…

グスクの城壁外にあると水が湧き出し、
城壁でグスク内に取り込むと水が枯れたとの伝承があるそうです。

琉球王国ぶらぶらぁ散歩(おおきゆうこう・田名真之著)によると、
ゆえに「チチマランカー(包まないカー(井泉))」ということで、
いつの間にか「チチンガー」となったのだとか。

ちなみに島添大里グスクは尚巴志も居城とした場所なので
このチチンガーの水を飲んでいる可能性は大ですね。

そう考えると、
「ただの史跡風景」ではなく、ちょっと浪漫でしょ?(笑)

 


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現代版組踊 岩手派遣メンバー
岩手派遣報告会
 

5月20日(日)
場所 名桜大学 多目的ホール
開場/13:30  開演/14:00~15:30(予定)


*アトラクションあり*
入場料無料

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