前回に引き続き、口伝による民話集
『羽地の民話』(名護市史編さん室・名護市教育委員会/1993)より、
今日も阿麻和利に関する話を。
概要↓
護佐丸の住む中城城から、毎日ゴンゴンと音がしていた。
人々はその音を聞いて武器を作っていると思い、
「護佐丸は王様を攻めるための戦の準備をしているに違いない」
と噂した。
その噂が王様の耳に入ったので
王様は阿麻和利に確かめてこいと命じた。
阿麻和利は中城に行ったが、
中に入ることはできなかった。
そこで、
「中に入ることはできませんでしたが
確かにゴンゴンと音がします。
きっと戦の準備をしているのでしょう」
と報告した。
王様は阿麻和利に命じて中城を攻め、
護佐丸は王様には刃向えないと自害した。
しかし、王様の兵士が鍛冶場を見つけ、
あのゴンゴンという音は農機具を作っていたのだ
ということを知って王様に報告した。
王様は怒って阿麻和利を討った。
…概ね歴史通りの展開ですが、
ツッコミ所はただ一つ。
阿麻和利、決して嘘はついてない。
事実と思ったことを言っただけ。
勝手に早合点したのは王様じゃん!?
カワイソ、阿麻和利…
(笑)
ちなみにこの民話では
護佐丸は王様の長女を妻に、
阿麻和利は王様の次女を妻にしていた。
らしいです。
護佐丸と阿麻和利、兄弟か~。
阿麻和利が「護佐丸兄さん」とか言ってるのを想像すると楽しい(笑)
写真は中城グスクの鍛冶場跡。
(こっちも→★)