外が見える窓際の席を選ぶ
美術館のカフェでコーヒーカップを傾ける
恵比寿ガーデンプレイスが一望できるかと少し期待はしたが
全くのハズレ
向かいは病院が建っていた
その建物が病院だとわかった瞬間に寒くなった
どんよりした曇り空がそうさせたのか
病院の窓の多くが、寒暖の差で白くくもっていたためだろうか…
僕のいる空間に「死」なんて言葉は皆無である
作品テーマに「死」が扱われていたものはもちろんあったが
僕はそれを、目を細めて覗き込むだけである
しかし、その約数十メートル先の建物の一室では
今まさに「死」に直面している人がいるであろうことは確かである
寒くなるが、はっきり言えば絵空事でもある
その数十メートルの間
その間の生と死の境は、何処にあるのだろうか…