昨年末にわが山里文化研究所と坂折棚田保存会とで石積み塾を行った恵那市の坂折棚田が農水省の「美の里づくりコンクール」で特別賞をいただき、入賞の5団体の中に入ったと今日聞いた。石積み塾が評価されたとのこと。棚田の人たちは喜んでいた。よかった。今年もがんばらなきゃ。
今日は坂折棚田保存会の役員会でした。私も会員だが、別件で打ち合わせに参加した。
日本の森林と田んぼと美しい風景をつくっているのは、そこに暮らす人々、すなわち山里の人々である。この美しい風景を作るためには、山里に人が住まなければならない。そのためには、山里での暮らしが成り立つようにしなければならない。
山里を訪れ「わぁ~いい景色だわ」パチリ、と写真を撮る時、その写真を撮らせてくれたのはその風景を作った人なんだということに、私たちは気づかなければならない。どんなに写真の腕がよくても、美しい風景を作る人がいなければ美しい写真は撮れないのである。
今、山里、地方の小さな市は財政難にあえいでいる。恵那市の予算は一般会計で280億円ほど、しかし税収は70億なのである。市は無駄遣いを減らそうと必死である。否、無駄遣いといっては語弊があろう。あってしかるべきものも買えないということに、行政担当者は涙を飲み、住民に謝っている。本当に必死で予算を削っているのである。「夕張市」という言葉を枕の横に置いて眠れない夜をすごしているような感じである。このままだとわが町も夕張市のようになる、住民を路頭に迷わせてはならないと。行政はけっしてけちけちして物を買わないわけではない。子どもにノートを買ってといわれて買ってやれない親の心なのである。いろいろ裏はあるのかもしれないが、そんな必死の姿に私は一緒に泣きたくなる。(でも泣かないで石積み塾をやりましょう)
しかしながら、中津川市でいまだトイレが水洗でない小学校があるのに巨大な公式野球場が建設されているのを見ると、泣いて損した、という気持ちになることもかなしいかな事実。教育委員会と都市計画担当課は断絶してるってことか。