篠島は、海苔の生産の季節です。
11月中旬から忙しくなり、2月頃まで続きます。
とはいっても、のりも植物ですから、養殖は1年中通しての仕事。3月ごろ貝殻にのりの種付けをして、育て、秋になったら網に種を植え付けて、海の中で成長させるのです。海に入れた網は、天候や温度を見ながら海から出したり入れたり干したり冷蔵庫に入れたりしてお世話して、初めていい海苔ができます。1日たりとも休むことはできません。そこに品質が現れるわけです。
12月中旬になると、それを板海苔にする仕事になります。
今、新海苔が次々と作られています。
海苔の等級はとても細かく分けられています。のりを1枚1枚丁寧に見て等級別に分けていくのも仕事です。ぴかぴかで香りもよく厚いのがいい海苔です。
これらのことは、『篠島 海こそすべて』に書かれています。
私もこれまで、海の海苔網が、水中にあったり海の上にあったりするのが不思議でしたが、やっと謎がとけました。
先日訪れたとき、新海苔をいただきました。持ち帰り用以外に、その場で味見する海苔はオーブントースターであぶってくれました。すごくおいしいものでした。
うちの親戚は愛知県の渥美半島の内湾にあり、以前は海苔を作っていました。冬になると叔父が胴長姿で帰って来たのを覚えています。こんな大変な仕事をしていたのだなあと今になって分かりました。