山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

春の彼岸に、仏教徒になる?

2012-03-19 | なんとなく報告
私は極めて信仰深くない人間である。

インドネシアに行くと、あんた何教?と聞かれるけど、答えに困ってしまう。
実家にはちゃんと仏壇があって道元さんともう一人なんとかさんと
ご先祖さんが祀ってある。
すなわち曹洞宗のお寺さんの檀家である。
しかし私はこれまで仏教を信仰してきた覚えはない。
もちろん親戚のお葬式は仏式で行ってきたけど。
うちにミニ道元さんがいるなんてついこの前まで知らなかった。
仏教やお寺には全く関心がなかった。

じゃあシントウ?と聞かれると、神道でもない、と言わざるを得ない。
近所には鎮守の社があってお祭りもあって、道端にはいろいろな神様が祀ってあって、それらに手を合わせるのが一番しっくりくる。しかしそれは本来「神道」と呼ぶようなものではなく、「自然教」といったほうが近い。
神道としてヤマトタケル命とか天照大神などを身近な神様として信仰してはいない。

なので、つまり私は「自然教」だと答える。


さて、
昨年から私が家もボチボチ世代交代の時代となり、たびたびお坊さんにお経を上げてもらったり、お寺に赴いたりする機会を得るようになった。

昨日は彼岸の入り。
いっちょお墓参りにでも行きますかと、愛知県の海辺にあるお寺に行ったわけです。
自主的にお墓参りに行こうなどと思ったのはほぼ初めてである。
人間変われば変わるものです。

--しかしわが父は「おとうさんは用事ないもん」などと、考えられないような発言をして、お寺参り~父の妻の墓参りなんだけど~を拒否した。父の親兄弟のお墓参りも「だって寒いがね」と拒否した。お寺やお墓に行かない主義なのはかまわないが、その理由が「用事がない」とか「寒い」だとかいうのは、どうなんだろう??

で、お寺では昨日彼岸法要というのをとりおこなっていた。
まずは、控え室で精進料理をいただいた!
これうれしかったですねぇ。お寺手作りのちょっとしたものなのだけど、
私の好きなものばかりで、ご飯もピカピカでほんとにおいしい!
これだけで、「またお彼岸には来たい!」と思ってしまいました。

見たことのないわらじの形のひりょうずの煮物、ひじきと油揚げと人参の炒め煮、金時豆の甘煮、ほうれんそうの胡麻和え、たくあん、里芋のお味噌汁。要するに、仏様にお供えするものと同じです。
あ、いや、人間が食べるものと同じものを仏様にお供えしているわけですね。


その後、お経。
7人のお坊さんが、鉦や銅鑼や太鼓を鳴らしながらお経を唱えたり、お香と筆でおまじないをしたり、ぐるぐる回ったり……
一番中心のおっさまは鮮やかなオレンジ色の衣装を着ているし、お堂の飾りつけも金やら朱やらできらびやか。
お坊さんたち、楽団みたいだし。

バリでヒンドゥーのお祭りに遭遇して、その様子がもの珍しく、驚いて、見物させてもらったけど、日本でもやってるじゃないですか! バリほど大掛かりではないけど。
こういうところを外国人が見たら、やっぱり驚いて、大喜びで写真をパチパチ撮ったりするのでしょう。
そして、こういうことは、外国人には多分ほとんど知られていないし、観光客の目に触れることはまずないでしょう。


そして、ほかの檀家の人たちと一緒に本堂に行儀良く坐っていると、なにやら、
「もしかして私は仏教徒なのかもしれない……」という気持ちになったのでした。

いや、いやでも仏教徒の気分にならざるを得なかったといえましょう。
こうやって宗教って家のなかで継承されていくのですね。
その後、初めて知ったけど、檀家の互助会費というものの集金があって、6000円払いました。仏教のシステムに組み込まれる方法が分かったというわけです。



写真は、インドネシア・バリ島 ヒンドゥー教の大祭の日、お供えの入ったかご。



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