山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

トムラウシ・万里の長城・アミューズトラベル

2012-11-06 | なんとなく報告

トムラウシ山遭難とその旅行社のことを前に書いたことがあるが→こちら
アミューズ・トラベルという会社がまだあることに驚いている。
「総務部長」なる肩書きの人がいるところをみると、そう簡単にはつぶれない大きな会社らしい。
さらに、トムラウシとほとんど同じ事故を起こしていることにも驚く。反省してないのか? これが、私が万里の長城の事故をテレビニュースで知ったときの第一印象である。そしてそれは今も変わっていない。

トムラウシの遭難のいきさつは『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』という本に詳しく書かれている。それが正確であるということを前提とすれば、私はあの件は旅行会社(アミューズ社)の責任が最も大きいと感じている。
しかし、結局調査委員会は「ガイドのミス」と結論付けている。お金でももらっているのだろうか。そのおかげでこの会社は今も堂々と営業できているのである。

確かにガイドの判断によって遭難が起こったかもしれないが、最初から100%正解が分かる判断なんてない。それは判断ともいえないのかもしれない。判断には予測不確定な部分がつきまとう。それはミスなんだろうか。なぜガイドが追い込まれる状況になったのかを追及しそこを改めなければ解決はしない(本ではしっかり追及している)。

初めての場所にも関わらず、会社は下見もせず、責任ある人がツアーに同行しない、現地スタッフは慣れない人、現地ガイドが下見をしていない、ガイドに十分な報酬を出さず準備ができていない(万里の長城のことは不明だが)、装備も不十分である、などなど
トムラウシと万里の長城に共通点がありすぎる。何も改善されていないように見える。
中国の旅行社に任せっきりでガイドの名前と経験すら把握していないなど言語道断、これは半年ほど前に起こったツアーバスの孫請けの事故も思いおこさせる。
中国の会社にそこまで丸投げするなら、主催は中国の会社にして、アミューズ社は客だけ集めてマージンをはねればいいことだ。主催者としてのプライドはないのだろうか。

今回も「ガイドのミス」を強調している。ガイドにどんな判断を迫ったのか知らないが、問題のある状況(天候など)が起こったとき、どのように連絡を取り合い、日程調整や行程変更をすることになっていたのか、その対応方法をちゃんと準備していたのか、リスクを検討していたのか、そのためにアミューズ社がやっていたことは何なのか、早く追及して明らかにしてほしい。
ガイドのミスがどれほどで、会社のミスがどれほどなのか、テレビからの情報では本当のことは分からない。日中関係もうまくないからますます、中国人ガイドに責任転嫁して逃げるようなことはないようにしてほしい。

一方で、参加した人たちはアミューズトラベルがどういう会社なのか知らなかったのだろうか? トムラウシ直後も今もこの会社のツアーに参加する人がたくさんいるようだ。私には理解できない。
コストを徹底削減して手抜きし、東京のデスクからの遠隔操作で簡単に山岳ツアーが催行できるということに、消費者も少し疑問を持った方がいい。自分の身は自分で守らねばならない。
写真/東京都桧原村(2003年)(本文とは関係ありません)
この記事気に入ったらクリックを↓ 
にほんブログ村へ
登山愛好家必読の名著