熊澤良尊の将棋駒三昧

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科学的な検証

2009-02-16 18:33:31 | 文章
2月16日(月)、晴れのち曇り一時雨。

毎年、2月16日の声を聞くと心が重くなります。
そうです。今日は確定申告の開始日。
そして3月15日までに確定申告を終えなければなりません。
特に、2月は28日しかありませんので、この1ヶ月の短いこと。

その間に1年分の伝票類を整理して、細かな計算をしなければならないのですが、計算に弱い小生は少なくとも毎年4~5日かかります。
「そんなの簡単でしょう」と言う人がいますが、その間、仕事がとまりますし、申告が完了するまでは、とにかく負担です。

売り上げから経費を差し引きするにしても、原価計算という厄介な計算も自分でするわけです。
多分、零細企業なら簡便な方法もあるはずですが、小生の場合の原価計算を概略説明すれば、原料即ちツゲ板の仕入れと在庫、板状から駒形に加工するプロセス、駒形木地を1組単位の半製品にする数量管理、最終的にはそれに文字を彫り漆で仕上げるまでが、原価計算の対象です。これを金額に直して、転がし計算するのです。

昔、会社勤めをしていたころ記憶にあった原価計算の考え方を思い出して、自分なりの理論を組み立てて、それを10数年続けていますが、これが結構シンドイ(シンドイは大阪弁。共通語では、手間がかかる)作業なわけです。


話しは変わって、水無瀬神宮の水無瀬駒のその後の動きを書いておきます。
大阪府島本町で、町指定の文化財第1号として顕彰される動きは、以前書きました。
その流れで今、「八十二才の駒」の科学的方法による年代測定や成分分析が、ある大学に委託して進められています。

先週、その中間報告と言うか、それに関連して担当者から情報連絡と質問がありました。
ひとつは、駒の表面からツゲとは違う「動物性の成分」が検出されたそうで、それは、おそらくは「膠」だろうとの見方ですが、「それは十分にありうる」と言う感想を申し上げました。
そして、漆からは「鉄分」と「炭素」が検出されたそうです。
鉄分は漆を黒くするために混ぜる鉄漿(おはぐろ)であり、炭素は黒色を濃くするための松煙か油煙なのでしょう。

実は最初、町から「年代分析をする」話しを聞いたとき、小生の浅い知識ながら、「炭化測定とか、年輪の比較」で測定する方法はあっても100年単位の誤差はあるでしょうし、小さい駒などは年輪比較もできないので、「恐らくは無理だろうな」と高をくくっていました。

しかし、成分分析の結果を聞いて、なるほど凄いんだなあ、よく分かるもんだなあと、科学的な検証による成分分析を見直した次第です。

まだ、年代測定の結果は聞いておりません。これが出れば凄いことなんですが、どうでしょうか。



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駒の写真集

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