熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

工房の風景

2008-10-25 18:18:53 | 文章
10月25日(土)曇。今日は雨の気配が無いので、数日ぶりに盛り上げが出来そう。

先ずは漆室のチェック。昨日の雛駒の裏。結果はべりグッド。
次に、竹の器。また水砥ぎして漆を塗りました。器の地肌は砥ぎを重ねるにつれていよいよ滑らかです。

俄かに思い立って、古い桐製の盤覆いを再生させる作業をやり始めました。
盛り上げは先送りです。

盤覆いの再生作業の手順は、都度状態によって一定しませんが、参考までに、今日の手順を説明しておきます。
先ず砥粉を水でしゃぶしゃぶにして、それを堅い刷毛で全体を塗って、ぼろ布でこすります。こうすると、表面の汚れが粗方取れます。
次に、接着剤で板の剥れているのを直します。接着剤が完全に乾かないうちは次の工程には進めませんので、別の仕事です。

そこで、「無剣」の盛り上げを始めました。
素材は薩摩ツゲの根杢。彫りや埋めは7月の頃にとっくに終わって、そのまま4か月ほど寝かしておりました。
盛り上げは調子を見る意味もあって、裏の文字を先にすることが多いのですが、今日は歩兵の表から始めました。理由は特にありません。
今日は歩兵を20枚書きました。

修理が終わった盤覆いは、ペーパーで軽く擦って表面を整えます。
打ち傷などで凹んだところは、砥の粉で汚れたままですが気にしません。
もう一度、水でといた砥粉を刷毛で塗り、半乾きのとき、ぼろきれでごしごしと擦りますと、段々艶が出てきます。
大きな傷や汚れが無い時は、これでokですが、もっと艶を出したいときは、木蝋を付けた布で全体を拭き上げます。
汚れがひどいときには、最後に漆を拭きますと、汚れが目立たなくなります。

写真は、工房の建物です。奥がJR、左手の緑色が隣のお茶屋さん、その隣がうどん屋さんです。その向こうに小さく写っているのがJRの列車です。
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