「なんだか気分がいいね」
墓掃除をした後の妻の一言である。
ぼくはあまり墓に行くことはないが
今日は確かに気持ちがいい!
ゴミ捨て場に黄色い水仙が咲き
近くの小学校から子供達の声が聞こえてくる。
陽気のせいもあるだろうが
墓碑に手を触れているだけで
悩みの腰痛がこころなしか和らいでいくような気がする。
純白のカサブランカと酒を供え、その脚で
親戚の家にちらし寿司を届ける。
満開のさくらのトンネルを走り抜け
初つばめを発見したり
ほんに、気持ちがいい!
帰り道、直売所で「わさび菜」という珍しい菜っ葉を見つけた。
店の人に教えられたとおり
生のままサラダにして食べる。
山葵の丸みのある葉とはまるで別もの。
新菊に似ているが、ほのかに
わさびの香りと辛さがあってなかなか美味しい。
一歳になる屋敷猫のポールが
数日前からボス(実父)に追い出しを掛けられている。
睨みつけられ、烈しい声で威嚇されながら
ポールにしてみれば何が起きているのかさっぱり
理解できない。
(あんなに優しかったボスが突然こんなになってしまって・・・)
おろおろと物陰で小さく震えている。
種の保存のため
オスであればたとえ我が子であろうと容赦しない彼らの掟。
6ヶ月前、里子に出したのだが
どうしてもその家に馴染めず戻されてきた。
そこで飼われていたら
こんな目に遭わずに済んだものを・・・・。
これからは更に烈しい追い立てにあい
振りかえり、振りかえりながら
この屋敷を出て行く日がやってくるだろう。
かわいそうだが手を出すわけにはいかない。
統一地方選挙の第一幕が終わった。
大方の予想通り、
都知事には石原慎太郎氏が再選された。
都民の良識ある判断だったと思う。
確かに氏のぞんざいな言動には
眉をひそめたくなることもあるが
政治家は何よりも結果が大事である。
穏やかで、誰の話もよく聞いてくれる人柄であっても
結果が出せなかったら政治家として失格である。
最近、上京して思うことは
東京の空がきれいになったこと。
スモッグ注意報など過去のことになったようだ。
殺人的慢性交通渋滞も随分緩和されたような気がする。
快適とまではいかないが
結構スムーズに都内を走行できる。
それに川が美しくなった。
(隅田川も神田川も川と呼べるものではなかつた)
アザラシが迷い込むのは水が清潔になった証拠。
そこで暮らしている人たちには
気づかないほどの変化であっても
偶に上京する者にとっては大きな変化が見て取れる。
これらは石原都政の一つの結果であると思う。
仕上げの四年間、
東京がどこまで魅力的な都市に変われるか
期待したいと思う。
バス降りてここも東京葱坊主 やす
能登の土産としてシロエビを戴く。
シラウオのように透き通った美しいエビ。
味噌汁の具にと言ってくれたが
それではもったいない。
かき揚げにする。
揚げたての半分を戴き
あとの半分を冷凍にする。
次に蕎麦を戴いたとき解凍して
「てんぷらそば」にするのだ。
二人暮しだというのに
我が家には冷凍庫が三台ある。
外に一台、家の中に二台、どれも満杯である。
尤も、屋敷猫たちのアラ(六匹分)も入るので
よくを言えばもう一台欲しいところだ。
今の冷凍食品は昔とちがって
格段にいい!
その食品が旬の時に調理され
瞬間冷凍される。
季節外れの食品を買ってきて料理するよりも
よほど賢いと思う。
問題は、解凍の技術である。
これさえしっかりしていれば美味しい料理が出来る。
ふと、予感がする。
夕方、お隣からそばが届きそうな・・・・・。
一昨日から庭にうぐいすが来ている。
初音にしては随分しっかりした啼き方だ。
どこぞで習ってから我が家にやって来たのだろうか。
すでに散ってしまった白梅と紅梅の間を往還している。
春告鳥とも呼ばれるが
このごろの異常気象には
かれらの感知器も狂ってしまうのだろうか。
世の中、すっかり春になってから
あわてて啼きだしている。
ところで
うぐいすの糞で顔パックすると美しくなると言う話、
あれはほんとうだろうか?
どなたか真実をご存知でしょうか?
山陰から生ワカメが届く。
針しょうがを散らしポン酢で戴く。
これぞ春の香り!
ひとを愛せとうぐひすの声しきり