行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

マメ科の花,ヤブマメ・アレチノヌスビトハギ

2010-11-15 22:20:33 | 花,植物
マメ科の雑草の花というと,春に咲くカラスノエンドウ,
シロツメグサ,アカツメグサなどを思い浮かべます。
これら春の花ほど多く見ることはありませんが,
秋にもマメ科の雑草の花が見られます。
少し前,この10月,野に見つけたヤブマメとアレチノヌスビトハギの写真です。


道端の草藪にいかにもマメ科と分かる青紫の,
野の花にしては艶を感じる花が咲いていました。
林縁,草原などの草藪に生えるので藪豆の名がある蔓性の花です。

この草おもしろい種の保存拡大戦略を持っているようです。
写真は地上部に咲く花,ここでは普通の花と同じのように,
雄蘂と雌蘂により,鞘のなかに小さな種子が作られます。
興味あるのはこの地上に咲く開放花以外に地上部と地中部の両方に
閉鎖花なるものがあることです。
閉鎖花は字のごとく花は開かず,単為生殖をし,実を作ります。

開放花は鞘のなかに小さな実(種)を作り,
そして,はじけて飛び散り,種を周囲に拡大する役割を担います。
閉鎖花の実はずっと大きく,直径1cmほどの豆が一花に一粒作られます。
そして,発芽し,親の地盤を引き継ぎ,種の保存を図る役割を担います。
3種の花をつけ,環境の変化にも対応し,
戦略的な種の保存を図っている植物のようです。
閉鎖花の地中の豆は炊き込みご飯などにして,食用にもされるようです。




アレチノヌスビトハギの花(上)と果実(下)です。
ヌスビトハギはその鞘の模様が盗人の足跡のようであり,
花が萩に似ているからつけられた日本在来のマメ科の多年草,
アレチノヌスビトハギは北アメリカ原産の帰化植物で,
道端や造成地など荒れ地に生育し,
ヌスビトハギに似ているのでその名がつけられました。
両者とも,マメ科ヌスビトハギ属の多年草です。
秋の初め,萩に似た紫色のきれいな花をつけ,
そして,すぐにマメの果実をつけます。

秋藪に藪豆咲いて艶野かな


コメント
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