行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

秋海棠(シュウカイドウ)

2011-09-20 20:47:39 | 花,植物
涼しさも増し,すっかり秋らしくなってきました。
秋桜(コスモス)に秋明菊(シュウメイギク)と名に秋が付く花が咲き出しています。


秋海棠も名に秋が付く花,
江戸時代の初期,観賞用として中国より持ち込まれた植物です。
「花の色の海棠に似たり,故に名付く」と
貝原益軒の著書に記されているそうで,
秋に咲き,花が海棠に似ているところが名の由来です。


今は野生化もし,いろんなところで見かける花となっていますが,
江戸時代にはかなり珍重された花であったのでしょう。
「秋海棠 西瓜の色に咲きにけり」こんな芭蕉の句からも
そんなことが想像されます。


秋海棠は同じ株に雌雄の花が咲く,雌雄異花の植物です。
株の比較的上方にあり,黄色のかわいい球状物が雄花(写真),
西瓜色の花弁のように見えるのはガクです。
雌花は下向きに咲き,
2枚の小さいガク片の中に太い紐を綴じたような,
やはり黄色の花です(最初の写真右下)。


秋海棠は見た目でもわかるようにベゴニアの仲間です。
地中球茎がマイナス10℃にも耐える唯一の耐寒性ベゴニアだそうです。
しかし,ベゴニアと呼ばれる多くのものに比べ,
ずいぶん早く日本に入ってきており,秋海棠の名が定着していることもあり,
ベゴニアとは区別されています。
写真は公園の花壇などによく見られる四季咲きのベゴニア,
こちらも雄蕊,雌蕊の黄色がアクセントになっている花です。

秋海棠 雄花雌花の黄色かな
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仙人草(センニンソウ)

2011-09-19 22:01:13 | 花,植物



小さな木をまるまる覆いつくように蔓草が伸び,
その蔓草が真っ白なたくさんの花を咲かせています




8月の末から9月はじめ,
夏の終わりを知らせるように一斉に花開くキンポウゲ科の野の花,
仙人草(センニンソウ)です。

夏終る寂しさ咲かせ仙人草

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梨の町

2011-09-18 19:22:43 | 風景



東京の稲城市は多摩川梨の産地です。
今年は7月下旬の天候不順で,
例年より梨の収穫が少し遅れたようですが,
8月下旬から例年のように,
道路沿いの梨畑横あるいは農家の軒先にたくさんの販売所が出店されています。
採れたての稲城,豊水,新高などのみずみずしい梨が売られています。


この時期になると,販売所あるいはその近く,
市内の多くの場所にこんな幟が立てられ,
梨の町稲城を演出しています。


梨の町らしく,
三沢川に架かる橋の欄干の飾りにこんなものを見つけました。
しっかり梨とわかります。


こちらは本物の梨,十分に大きくなり袋からはみ出しています。
もうまもなく収穫されるのでしょう。

稲城には梨売りの軒並びたる
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玉簾(タマスダレ)

2011-09-17 21:59:25 | 花,植物

今は主なき妻の実家の庭に,
木間からの朝日を受け,
玉簾(タマスダレ)が真っ白な花を咲かせていました(8/27)。


玉簾,花の姿からは想像のつかない名です。
群生し,まっすぐに伸びる茎を簾に見立ててつけられたとのことです。
そこで,群生しているタマスダレを探してみましたが,
なかなかこれを簾とは思えません。





ペルー原産のヒガンバナ科の植物,
雨や曇りでは花は半開き,日が当たると美しく開きます。
西洋名はレインリリー,
雨後の好天に一斉に茎を伸ばし,
花を咲かせるところからつけられた名と思われます。
台風の影響で晴れ間がのぞいたり,急な雨が降る一日となった9月4日,
自宅近くの道路際,一斉にレインリリーが咲いていました。 

玉簾 主なき庭に咲きにけり
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葛の花

2011-09-16 18:45:59 | 花,植物

8月27日,島根県浜田市にて,
亀山城とも呼ばれた浜田城,
慶応2年(1866年)長州征伐の際,長州藩に攻められ,
藩主(徳川慶喜の実弟)が逃走,敗残兵が自ら火を放って焼失したといわれるお城です。
歴史を感じさせる石段を登り,その城跡に行って見ました。
今は荒地となっている亀山頂上の天守跡,
海を見渡たす木々に葛が絡まり,花をたくさん咲かせていました。
葛は秋の七草の一つ,マメ科のいわゆる雑草植物です。
蔦を木などに絡ませマメ科らしい赤紫の花を咲かせます。


その亀山頂上の天守跡,葛の間から見下ろした日本海,
松原湾の名がある入江です。


9月4日,東京稲城市
急な雨に雨宿りに選んだ木陰,
上を見ると木の枝に葛が絡まり,花をつけていました。




本日(9/16)の葛の花,
上の写真はきれいな紅色の花,終わりに近い紫色の花,
そしてマメ科の証明,鞘状の種ができはじめています。
下は花は終わりかけ,花の下には鞘がたくさんできています。


哀城の石垣朽ちて葛の花
村雨や木陰に入れば葛の花
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稲穂とアオサギ

2011-09-15 21:27:53 | 花,植物
気がつけば9月,
早場米,早作などではもう稲の収穫が始まっているようです。
今年は福島第一原発事故で,
特に東北,関東地方では米にも放射能汚染が心配されましたが,
稲が放射能を吸収することはなく,
これらの米の検査結果では汚染は心配ないようです。
なんといっても米は日本の主食,少しほっとしています。




稲城の街中にところどころ残された水田の稲にも,
いつの間にか穂が出ていました。
そして,今年の稲のできを観察しているのでしょうか,
アオサギが一羽,畦を歩き,時々稲穂を覗いていました(9/4)。




この日は四国に上陸したに台風12号の影響で
東京でも台風雲がいそがしく流れ,時々激しい雨となりました。
立春から数えて210日目,220日目が二百十日,二百二十日といわれる雑節,
今年の二百十日は9月1日,二百二十日が9月11日になります。
ちょうどこの頃が台風の最も多い時期,
今ほど天気予報,台風情報がしっかりしていない昔は,
出穂の大事な時期を向かえた稲の台風被害を警戒し,
準備をうながす雑節でした。

黒雲の踊り流るる二百十日
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アベリア

2011-09-14 21:58:02 | 花,植物



初夏から秋の終わりまで,長い間にわたり,
道端の垣などに白い鐘形の小さな花を多数咲かせ続けている潅木があります。
スイカズラ科ツクバネウツギ属の低木,アベリアです。


半日陰,土質を選ばす,どこにでも育つ丈夫な植物,
公園や遊歩道などの生垣として幅広く使われています。
アベリアという洋風な名以外に,
ハナツクバネウツギという和的な名もあります。


この花,蜜が多いようです。昆虫がよく来ます。
傷みのないきれいなクロアゲハがうまく撮れました。


斑入り葉のアベリアと思われます。
新しく改良されたものでしょう。
新しく造られた家の垣に植えられていました。

老後なる言葉の重き八月尽
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クサギ(臭木)とボタンクサギ

2011-09-13 21:32:34 | 花,植物



日本全国の日当たりのよい原野などによく見られるというクサギ(臭木),
8月の下旬から9月,多摩丘陵の野を歩いてみると,
クサギの花があちらこちらに確認できます。
クマツヅラ科の落葉小高木,3,4mほどの木に
蕾,花がたくさん付いています。




クサギの名はその名のとおり,
葉をもむと独特の臭気を発するからのようですが,
花は百合に似た芳香を発します。
花びらは萼から突き出て咲き,
雄蕊,雌蕊はその花びらからさらに突き出て咲きます。
萼の紅色,白色の花,そして長い蘂,
近くで見るとどれも美しく感じます。
秋にできる果実も青色の金属光沢,
蘂の紅色とコントラストをなしてこれまたきれいです。


7月中ごろ撮ったボタンクサギ(牡丹臭木)です。
花はとてもよいにおいがしていましたが,
同じくクマツヅラ科,クサギの仲間ですので,
やはり葉は臭いとのことです。

山緑に白き班点花臭木
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オシロイバナとブーケ゜ンビリア

2011-09-12 22:39:27 | 花,植物



子供の頃から種を潰したり,飛ばしたりして遊んだおなじみの植物,
白粉花(オシロイバナ)です。
南米原産の多年生草本,もともとは園芸用に導入されましたが,
今は栽培されているものもあるものの,
多くは人の生活圏内に野生化して,
野の隅,道端などによく見られます。


別名,夕化粧,夕方から花を開き始め,朝まで咲いています。
日中は花を閉じているのであまり目立ちませんが,
よく見ると花はかなり美しく,花色も豊かで,
十分鑑賞に値するものに思えます。
7月から花を咲かせながら,成長し続け,
上にも横にもかなり大きくなります。
そして丈夫で花期が長すぎるのが,
園芸用としては世話しがいがなく尊重されない要因かも知れません。
この花びらに見える部分,実は萼,
オシロイバナに花びらはありません。


南国の花ブーゲンビリアがオシロイバナ科の植物だそうです,
これも花びらはありません。
写真は今年3回目の花が咲いている我が家のブーゲンビリア,
赤紫色の鮮やかな部分は苞,
その中の白い花びらのような部分は萼です。

白粉花(おしろい)や夜は眠れず昼眠き
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露草(つゆくさ)

2011-09-11 20:29:29 | 花,植物
露草,小さい頃からとてもなじみの深い草の花です。
古い万葉の時代から,いまもなお野の隅,道端など多くの場所に,
鮮やかな青色の2弁の花を咲かせ続けています。
日本人に最もなじみ深い草の花の一つです。


6月下旬から花は見られますが,露草の名が示すように,
初秋の花であり,初秋の季語でもあります。
それにしてもこの草
すてきな青色をもち,きれいな葉の形をしています。


いくつか露草の花を撮っているうちに,
すっと竹の葉のように葉先の伸びた葉と,
丸形の葉,2種類の葉があることに気がつきました。
花はほとんど同じに思えます。
葉の丸いほう,マルバツユクサと呼ばれるものでしょうか。


ツユクサ科ツユクサ属の一年生草本,
先に青色の2弁花と書きましたが,
この青色の2弁の花の下に白の花びらが1つあり,
実際は花びらが計3枚となります。
雄蕊は花糸の短いものが3本,長いものが2本,
その中間が1本と花糸の長さを変えて計6本になります。
雌蕊は長い方の雄蕊とほぼ同じ長さになっています。
このように蕊の長さにバラエティがあるのは,
いろんな大きさの昆虫に受粉させるための工夫なのでしょうか。




茎に節を持ち,ここから根を出し増えることもできるようです。
また草陰,潅木の下など日当たりの悪い条件下では,
茎を伸ばし,花を日のあたるところ,昆虫に目立つところに咲かせます。
このようにいろいろな子孫繁栄の仕掛けを持っているツユクサです。

露草の立ち上がり咲く石の陰

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