浦安中年期外伝

カミさんを師匠に修行中の週末の料理やポタリング、読み散らしてている本の事など

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歳をとると日々が過ぎて行くのがどんどん早くなっていきます。ブログの更新がやや散漫になりつつありますが、しっかり元気でやっております。
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砂漠で溺れるわけにはいかない

2006-08-26 18:56:50 | 読書
ドン・ウィンズロウ(Don Winslow) の「砂漠で溺れるわけにはいかない(While Drowning in the Desert)」のレビューをアップしました。

本文はこちらからどうぞ

シリーズ最終作。終わってしまうと寂しい限りである。チョー勝手な事を言うようだが、未約のままちゅうぶらりんでいたままの方が幸せだったのかもしれない。なんてね。しかしこの夏最高の贈り物だった事は間違いない。

訳者あとがきで東江一紀氏が1999年6月の「高く孤独な道を行け」刊行の後翻訳ミステリの冬の時代を迎えた事が訳出の遅延の大きな理由であったと述べていた。

あの頃どんな本を読んでいたんだろうか、記憶を遡ってみると2000年から2003年位の間って何か空白。一体あの頃どんな本を読んでいたんだろう。

何かって云うと猟奇的であったり、結局サイコキラーだったり。かなり食傷ぎみになってたような気がする。またはエグいホラーであったり、更にはマイクル・スレイドなんてフュージョンしたのまで出てきやがってからに。

といった日々だった模様だ。コナリーもエルロイもやや力を失い、ノンフィクションや自然科学の本が多かったような気がする。最近の洋画もアメコミだったり、リメイクだったりしているものが目立つのも良い「本」がないという事なんだろうね。

しかし翻訳家として食えない時期であったと仰っているのでこれは書き手もいなければ読み手も不在な時期であったという事になる。これは何が原因だったんだろうか。

インターネット?ゲーム?映画も含め、繰り返し読む、観るという感じが消え、使い捨て感が強くなってきたように思える。

何もかもが一過性の楽しみの為に使い捨てられていく。本書が刊行されたのは丁度10年前の1996年。どんどん世の中が変わって行って使い捨てられていく。

こんな時に往年のコメディアンとボードヴィルショウからこんなにも愛すべきキャラクターを捻り出してきたウィンズロウはやはり達観した目を持っているというべきだろう。


本書のなかで、シルヴァースタインが教えたとされている
アボットとコステロの"Who's on first"

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差し詰め、そのシルヴァースタインなら、「面白いもの、良いものと云うものはそう簡単にかわりゃせん。今の若い者がやっちょる「お笑い」なんてもの。ありゃ「芸」とは言えはせん。同じように料理も映画も今時のものと言えばぜ~んぶ、エセもの。ゴミくずじゃ。」とでも言うのだろうか。


みんなで遅い昼食を食べに近所の中華料理店へ出かけてジャスミン茶を頂く。今日はかなり涼しくて心地よい一日だ。